ぶらっくまーさん -187ページ目

投資のいろは

今日書くのは、もはやいろはのレベルでも次元でも無いものなのですが、ちょっと最近気になることがあり、またそれが私の経験上意味を持つことなので備忘録的にここに書いておこうと思います。 市場が大きく動く時のシグナルです。

 

スパイクということばがチャートのテクニカル分析で用いられます。 スパイクローとかスパイクハイとかね。 ここでスパイクという言葉を私も使いますが、それはこのテクニカル分析で一般に用いられている用法とは違いますのでご注意を。 私自身のこれまでの経験でそういうことが起こるとその後非常に大きく市場が動くのですが、呼び名がついていないので、そういうのを単に『スパイク』と呼んでいます。

 

その前にスパイクローとかスパイクハイというのは一般には日足でチャートを見たときに使うような言葉だと思います。 もちろん分足や時間足でもそういう傾向はあるのでしょうけれど。 しかし基本的には日足で使うものだと思います。

 

ここで私が言うのはもっと短い単位でチャートを見たときに例えば1分足などで見たときに時々起こることで、しかもいくつかの特徴的な条件の下で起こることを指します。 それは以下の通りです。

 

① チャートで見たときに上昇でも下降でもないモデレートな状況で起こる

② 下降するより上昇することの方が多く見られる

③ 発生してから収束するまで20分程度である

④ 指標などの発表で動くのではなく、まったく突発的に起こる

⑤ 時間が経過すると、それが全く無かったかのように元の水準に戻る

 

こうしたものを私の中ではスパイクと呼んでいます。 実は今月に入って日経平均でも為替でも、また、他国のチャートでもスパイクが散見されるようになって来ました。 もちろんこういうことが起こっても確実に何かが起こるというわけではないです。 しかし経験上、こういうことが起こると相場が非常に激しく動くことが多いので、私はこれを見たときにキャッシュポジションを引き上げてリスク管理を厳格化するようにしています。 最近になってオプションの価格も上昇してきて、いったんピークをつけたようにも見えるけれど、これはあまりよくない兆しに見えます。

投資のいろは

この1週間は台風やら色々あり基本的にモニターの前にいることが多かったです。

 

ここにきて、少しマーケットが戻りだしています。 先日のエントリーのコメントに書いたように20000円台の後半、つまり20600~20100円あたりにはもう一度だけは戻ると思います。 そこで日経平均を売り建てる作戦です。 そこより下だと少しリスクが無くもない。 それから、この先は各国が財政出動をしそうな雰囲気なので政府発表で非常に大きく値が動くと思います。 ただし上昇は大きいものでも短期に終わるでしょう。 結局、実体経済がどんどん毀損されているその大元を断たないと小手先の手段をいくら弄しても無駄ということです。 つまり自由貿易体制を、そこにいくらかの歪や不公正さがあるにせよ、世界の繁栄の礎だということを認めてそこに立ち戻る動きをしないとどうしようもありません。

 

自由貿易体制を妨げる場合には結局多かれ少なかれ通関時のコストが増大するわけで、それは結局のところ商品の価格に跳ね返り、それは増税と同じ意味なのになぜ大衆が関税の方を選好するのかっていうのは、実は色々説明がつくそうです。 いずれにせよ日本でも消費税に対して多くを言う人々が保護貿易体制には多くを語らなかったり、英国でもブレグジットに対して喧々諤々の議論をしていても、同じく EU 離脱時の商品の価格が跳ね上がることについて大勢が語らないのは十分意味があることなのです。 アメリカも同じです。 ただ、それが結局経済を危機に陥れるのですけれどね。 そこに大きな問題があります。

 

グローバル化には実はふたつの側面があって、経済のグローバル化と金融のグローバル化で、金融のグローバル化は必ずしも世界にとって益の方が害の方よりも常に大きいと言えないので、非常に大口の主体は経済のグローバル化の益の方が害よりも遥かに大きいことを隠れ蓑にして富を蓄積しようとするわけです。 誤ってはいけないのは、金融のグローバル化を否定しようとして経済のグローバル化を止めてしまうことです。 これが今世界的に起こっていることです。 それをすると繁栄は止まってしまいます。 とは言え理詰めで納得してもらえる人たちばかりじゃないので、今の世界の指導者がこんな体たらくな訳ですけれど・・・

投資のいろは

夏休み中なのと台風が接近しているため毎日のエントリーとなります。

 

この先の情勢を考えると、いろはからは少し進んでヘッジについて考えてみても良いのかと思います。 順番があるので、まずは日経平均先物か TOPIX 先物、いずれにせよ先物の話をしてその後でオプションの話も。 ・・・オプションは資金的にかなり大きくないと難しいので先物の話だけでしょうか。

 

これまでのエントリーを読むと分かると思いますが日本株に投資するべく準備した資金のうち現物株を実際に購入したのは全体の6割ちょっとに留まります。 残りは現在でも口座に寝かされています。 そういう意味では資金全体に対する配当利回りは保有株の持ち高に対する利回りよりもかなり低くなりますが、それでもそうするだけの動機と価値があります。 それがこれから話すヘッジのことです。

 

昨年末から今年これまで、そしてこの先についても言えることですが経済の先行きが不安定になると市場は一般に振幅を大きくしつつ次第に下落していきます。 そういう場合に現物株を売り払って市場から撤退するという選択肢もありえますが、配当の出る株を超長期で保有すると決めているときにはその銘柄を値が下がったところで買い下がる方法もあります。 そしてもう一方は下落する分をヘッジで相殺させる方法です。 実はマーケットは上昇する時よりも下落する時のほうが兆候を掴みやすく、さらに落ちる時のスピードが速いため先物を売り建てて下落した後で買い戻すということは、それ自体だけを使うと言う場合にはレバレッジ(梃子)が働いているために危険性が大きいですが、レバレッジを効かさない程度の資金力の範囲内で現物株のヘッジに使えば、それを使わない人に比べて圧倒的に安定的に資産を増大させることが出来ます。 経験の長い人なら言わずもがなですが。

 

先物自体は江戸時代の大阪の米相場でも用いられており、その話自体が先物を学術的に研究する上でも面白いものですが、昔からヘッジのために用いられていた手法です。 江戸時代にも米相場で先物のみを取引して破滅したり逆に一攫千金を掴んだりした人の話が現代にまで伝わっていますが、本来は現物の米の価格を収穫時まで待たずに取引価格を決定させるために生まれたものです。

 

東証に上場されている株式と日経平均先物について話せば以下の通りです。 ちなみにこのエントリーでは先物の概要を先ず話し、おそらく明日は外出が困難な1日になるので、具体的な取引の色々なことはそのエントリーで述べようと思います。

 

先物の利点は、株式については信用取引で買いと売りが選べるのと同様、売りから入って後で買い戻す取引が出来ることです。 つまり先々市場が下落すると予測できた場合には、現時点の日経平均の水準で予め日経平均という指標に連動する商品を売り建てておいて、後日市場が下がった時に、その時の指標の水準でその商品を買い戻すという取引を行えます。

 

市場が動揺すると、最初はまずそれまでより株価の振幅が大きくなったり、突然意味も無く相場が大きく上下に動き、その直後にそれを打ち消すようにもとの水準に戻ったりと、色々兆候が現れることが多いです。 ここらへんは経験するとすぐ分かりますが、特に板情報をリアルタイムで見ているとかなり豊富な情報が得られます。 そこから情報を得るのには少し経験が必要かもしれませんが。

 

そこで、東証に上場している多くの銘柄は特に下落局面では多くが連れ安することになるので、そのタイミングで日経平均先物を売り建てておくという作戦を用いることが出来るのです。 そして相場観が養われていれば下落局面の全てではないにせよ、いくつかの下落を事前に察知できるので、その時にこの作戦を使う。 そう書くと、察知できなかった下落局面に連れ安した分をヘッジしきれないではないかと言われそうですが、どの銘柄のチャートも必ず『上がったり下がったり』するものです。 それは日経平均自体にも言えます。 ですから全ての下落局面を察知できなくとも、察知できた時だけヘッジをかければ、その後のある時点では株価が戻す局面もあるので、そこでまたタイミングを探し、また下落を察知したら同じように先物を売り建てる、・・・というように地道にヘッジをかけていくことが出来るのです。

 

実際、これまでのエントリーを読んでいれば分かりますが、大きく下落する局面のうち、大体7,8割は数日前までにその兆候を掴めているのが分かると思います。 また、例えば GW 明けからトランプ米大統領のツイートに端を発する大きな暴落局面でも、実際にヘッジをかけたのは(このとき私自身は日経平均先物を売り建てたのに加えプットオプションも買いました)、連休が明けた後の最初の営業日ですが、それでもまったく問題なく下落局面での現物の含み損分を上回る利益を出せているわけですね。 この時には現物株の総資産額よりも日経平均先物とプットオプションでヘッジする金額を多めに取ったので下落が現実のものになればそういう結果になりえるわけです。 こういった謂わば後出しジャンケンのようなこともできるのが先物やオプションの利点です。 本来の使い方に徹するなら。

投資のいろは

先日までのエントリーの延長で他のところに書いている文言に関して質問が出たので、良い質問だと思い、その質問と回答をここに書きたいと思います。

 

現物株を保有していて、下落が明らかな時にそれを売るという選択肢は無いのか、という質問でした。 つまり私は下落を予想している時には何度もここに書いているように大きく下げることが明白な時にはプットを持ち、それ以外では日経平均先物を売り建てることにしています。 なぜ現物を売らないのか。

 

これの理由は複数あるのでそれらをすべて挙げていきましょう。 まず、ひとつめには現物株を超長期に亘って保有することにしていて、手放すという選択肢はあまりないということです。 配当が出ている銘柄は、ちょうど今の様な市場が動揺しているタイミングでもそこそこ持ちこたえることが出来るのですよね。 配当という裏づけがあるわけで、投資先として大口の保有者がいるわけです。

 

それから個別銘柄を売り買いするには銘柄を持ちすぎているということもあります。 そのそれぞれについて売り時買い時を判断して行動する、これは時間の浪費です。 その上、個別銘柄は思いがけない動きをすることもある。 そこへ行くと指標の動きはある程度読みやすいので市場全体が下落することが分かる時には指標でヘッジした方がメリットが大きいと思えるわけです。 個別銘柄だと、その気になれば少ない資金の人たちが数人集まるだけで大きく値を動かすことは難しくありません(経験あり)。 指標の水準になると相当大きな資金を持つ主体がかなりの意図を持って動かないと値を動かせませんが、そこまでいくと SEC(証券等取引監視委員会)が動くので実際には中々できないはずです。

 

付け加えると個別銘柄を売る時に保有し続けるという方針だと、売った後にどこかで買い戻すことになりますが、市場の下落は予想できても個別銘柄がどこまで下落するのか、どこまで上昇するのか、これを予測するのは至難の業です。 結局その銘柄を保有する人間の行動如何にかかってくる部分があるので。 急落で信用維持率が危険な水準になったとなれば、値動きとは関係なく売る必要が出てくることもあるでしょうし、そういうタイミングでは予想外に下落することだってあります。 さらにはそれがトリガーとなって売りが売りを呼んだり、またはその逆もあるでしょうけれど。 そういうことはもちろん指標のレベルでもありえますが、そちらは大きな主体がいるのである程度は予測しやすいのです。

 

主だったところで上記の様な理由で現物株を保有し続けて、下落局面では指標かオプションでヘッジをしています。 ある程度資金量があれば有効な方法です。

東京旅行(その2)

昨日の東京旅行の番外編です。  8月8日から翌9日にかけてのスウィングトレードについて解説をしましょう。 2日から3日にかけての日経平均の急落時に、ヘッジをかけておいた日経平均先物は決済(買戻し)を行って、そこから日本株については現物のみの保有でヘッジが無い状況となっていました。 先週の前半は色々忙しくマーケットは視界の隅で時々見ているという感じで、出先で色々なツールを使うことができないこともあり観察するに留めていました。

 

8月8日は1日のんびり過ごす事が出来たため、ノートパソコンの調子を見る意味も込めてマーケットを見てみようと考えていた時に奇妙なことに気がつきます。 8日の明け方に円がやや弱含んで為替が大きめに動きます。 そのため東証も朝方は上昇して始まりますが、その後為替の動きと日経平均の動きが連動しないことになります。  リアルタイムで値動きを見ていると上昇しているにも拘らず、息苦しさを感じるというか、その日までに市場が荒れていたために利益の出ている銘柄を売りに出して、損失をカバーしているのじゃないかというような動きを感じました。 この日あたりにそれまで割りと堅実に動いていた配当の出ている優良株に対しても緩やかに売り物が出ているのが散見されました。 このあたりから、スウィングトレードをすることを思いつきます。 小額で試して失敗したら、このブログの『投資のいろは』にデイトレードやスウィングトレードはリスクも大きく、こんな風に失敗することもありますよ、というエントリーを載せればいいかと思いつつ。 それでもせっかくだから情勢の分析などは包み隠さず全て開陳しようと。

 

そうして見ていると東証が開いている時には、それでも日経平均と為替にある程度の連動があり、この時点では実際の取引を行うかどうかは決断しあぐねていました。 しかし東証でナイトセッションが始まると明らかに為替の動きと先物の動きがちぐはぐになっていきます。 その上、この日の日中の東証の動きにも少し気になるタイミングがありました。 前場の取引が終わる最後の30分の動きで、それまで上昇を続けていたのが、突然売り物が嵩みだして値がずるずると下がっていきます。 この時のチャートを見ると、ただそれだけしか分かりません。 ところがティック単位でのチャートかその時のリアルタイムの気配値を見れればよく分かります。 かなりドカドカと売り物が出てくる感じで、日経平均はこういう動きをすると大体24時間以内に大きく値を下げることが多いです。 実は8月の頭にも似たような動きがあり、その時にも日経平均先物を売り建てています。

 

そしてナイトセッションが始まって日付が変わった後ぐらいに、理由は不明ですが為替と先物の動きが明らかに連動しなくなります。 このタイミングで売り建てることを決断しました。 取引履歴から確認すると9日の午前1時18分40秒のタイミングです。 その日は逆指値を入れて万が一の時に備え、就寝した次第です。

 

翌日のザラ場でもあまり動きはありません。 ナイトセッションの高値にサヤ寄せする動きでマーケットが始まりますが、この時も板を見ていると非常に息切れしているのが手に取るように分かります。 この時点で、急落があるかどうかは分からないにせよ、急騰の可能性は限りなく低いと確信を持ちました。 後はどのタイミングで決済をするのかだけの問題になります。 私は急落が起こりうると思っていました。 3連休を控えていることと、板の動きからどこかのタイミングで大きく動くのは確信できていました。 ただ、ザラ場でそれが無かったのでナイトセッションを見ることになります。 野球を観戦している時にはさすがに市場のことを考えている余裕はありません。 そこは逆指値を入れて万が一に備えているわけですけれどね(既述)。 観戦が終わってホテルの部屋に戻ってもまだ緩やかに下落をしているだけで、それだけだとあまり面白くありません。 この日も日付をまたぐタイミングまで観察し続けることにしました。 午後11時を過ぎたあたりから、突然動きが出てきます。 急落が始まりました。 ここまでは予想通り。 後はどこで買い戻すかです。 ここでも板の動きを見ていたのですが、午前1時半ぐらいから異常な動きがありました。 この時はすぐには取引を出来ない状況で(買い物をするために i pohne のみを持ってホテルの部屋から外出していた)板の動きから戻りがあることが察知されたので、すぐに決済をしようと判断します。 この時、ありがたかったのは普段と違って動き出してから実際に大きく戻り始めるまでに割りと時間的な間隔があったことです。 記憶を頼りに書くと午前1時25分かその1,2分後に大きな流れの変化を感じ、そこから買い物を済ませて i phone で証券会社の口座を開いて決済の注文を出すまでに5分位ありましたが、それでもまだ先物の戻りは起こっていませんでした。 約定した時間を履歴から確認すると午前1時30分26秒で、大体そんな感じだったと思います。 ちなみに、約定単価に端数が現れているのは何かのトラブルでしょうか? 実は今見てそのことに気がつきました。 いずれにせよ、こうしてスウィングトレードが終了したわけです。

 

このあたりのことを文章で書くときにチャートを辿りながら最初は書きましたが、それだとどうも客観的なつまらない文章になるので一旦全てを消して出来るだけその時の記憶を頼りに何を見てどう判断したかを書く方向に修正しました。 従って、実際には他にも見ていた情報や、判断の参考にしたその日までの情報はあったはずで、それらを書いてないのは取引のコツを隠そうという意図ではなく、出来るだけ臨場感のあるエントリーを書こうと考えたからです。 もしもこういうことは考えなかったのかとか、あの時実際にはこうじゃなかったかとか、少し批判的にこのエントリー全体を評価してもらって質問があれば、それには答えたいと思います。

 

いずれにせよ、仮にスウィングトレードを今やるとしたら、大体こんな感じでやるはずです。 今はもう資金の総額が投資を始めた頃とは全く違うので実際には本格的にやることはありませんけれど。 逆に初心者の方で少し荒く稼ぎたいということなら、資金が少ない状況でなら全部失ってもすぐに貯められるので経験を積むという意味で、一連のテクニックを伝えることは出来ます。 ただ、あまりおすすめはできません。 少なくとも現物を持っている上でヘッジとして適切に先物を売り建てるというのが賢明な手法だと自戒を込めて思います。

 

ちなみにこの時のスウィングトレードでは取引履歴をそのまま載せると、

 

 9日午前 1時18分40秒 日経平均先物20740円で売り建て

10日午前 1時30分26秒 日経平均先物20369円で決済

 

ということになります。 この決済の時の約定価格、あきらかにおかしな気がするのですが、取引履歴をそのまま載せています。 ちなみに建てたのは1枚です。 本格的にやるつもりは無かったので。 出先で情報なども不足気味だし、取引したいタイミングで出来る状況でもなかったですから。 あくまでエントリーのためという感じです。