投資のいろは(調整色強まる)
まずは先物のチャートをご覧ください。
こちらは日経平均日足の3ヶ月チャートにボリンジャーバンドを重ねたものです。こちらは現在開いているナイトセッションの分がローソク足に加わっています。それが基準線まで届きつつあります。これを下抜けると、ちょうどボリンジャーバンドがスクィーズしているところで下がっているので-1σあたりまで一気に突き抜ける可能性が高いです。確か今年3月ぐらいにも似たような形状になった時がありました。
それで、なぜこのようにナイトセッションで先物が急落しているのかというと、おそらくこの後のNY時間で報道が大きくなって日本語のニュースも出てくると思いますがホワイトハウスが対中半導体貿易に現在よりも更に厳格な貿易統制を加えると同盟国に通知したそうです。これによりNASDAQやSOX指数が本日暴落に近い下げ方をすると容易に推察できるため、日経平均先物でそれをヘッジするために大量の売りが入っているのだと思います。
ナイトセッションに入ると通常は出来高が減少するものですが、現在は全くそうなっていません。下のチャートがそれを表しています。
こちらは日経平均先物9月限月の1時間足の5日間チャートに出来高を重ねたものです。まず少し説明が必要なのですが、7月12日から16日までのところで出来高の少ないところが長く続いていますが、これは日本市場が祝日で休みだった15日に先物市場だけが開いていたため、上記のようなチャートの描かれ方になります。
見ていただきたいのはそれぞれの日中の取引が終わった後、日本時間午後4時半からナイトセッションが翌日午前6時まで行われますが、通常ナイトセッションに入ると出来高は細ります。それが上の赤丸のところです。
ところが本日はナイトセッションに入ってから引けの時より大きく先物に売りが入っているのがご覧いただけると思います。これは本日のNY時間にDJIAはいざ知らず、上記のニュースによって半導体関連銘柄が暴落する、それによってNASDAQはおそらく全面安に近い展開になるし、SOX指数も久しぶりに3%とか4%に近い下落を演じるような情勢になっているため、先に日経平均先物を売って暴落をヘッジしようということです。ちなみに日本時間ではアドバンテスト(6857)が2.5%近い下落をしていたように思います。今晩のNY時間は色々な意味で目が離せないです。
アドバンテストとTSMCについては今回の厳格な貿易規制措置の対象として、中国との取引があるということでホワイトハウスから名指しされているので、本日の下落はほんの序章という感じで、ここからかなり厳しい状況になっていくと思います。
さてそれを踏まえたうえで日経平均を見ていきます。
こちらは日経平均日足の3ヶ月チャートに移動平均線とMACDを重ねたものです。先程ご覧になられた先物のローソク足の通りに明日の日経平均が推移する場合、完全にMACDがDCして、なおかつローソク足が25日線に向かって走り始めます。そうなると積み上がった買い残が結構大きな含み益を抱え始めるので、今週中は粘れるかもしれませんが、来週の火曜日あたりにマージンコールが発生して強制ロスカットという展開になる人が増えてくると思います。
そう考えると、今が下落の初動で超短期で見た時に、まぁ、こういうのは流石に皮算用になりますが、来週火曜日の前場辺りに底値を付けるのではないかという気がします。そしてそこから私のように先物やオプションで下落をヘッジしていた人たちが安くなった銘柄に買いを入れていくという寸法です。
現在信用売り残も普段よりは大きく積み上がっていたので、それの買戻しがこの後断続的に発生するかもしれませんが、市場がこうも一方項に動くときには、その程度の買いのボリュームは流れを押しとどめるのには不足します。
昨日のエントリーでもお伝えしましたが、そもそも本日の新しい条件が出てこなかったとしても今後1,2週間の日柄調整は確実に起こると思っていました。それがこのニュースが届いたことでかなり下を見たポジションを組んでも大丈夫だと考えています。もう確実にコール側のクレジットスプレッドは8月のSQまで持ち越しで最大利益を得られると思います。最大利益と言っても26000円ですが。
ボリンジャーバンドは日経平均と先物でそれほど変わらないのでここであえて日経平均のチャートにボリンジャーバンドを重ねたチャートは載せません。一番上のチャートを見ていただければ分かりますが、下値目途はボリンジャーバンドの基準線のところの44000円周辺です。ただ、ここで下落を留められない可能性は高く、おそらく一旦40000円を割る展開になるのかという気がします。
外国証券がかなりコールを売っているということも昨日のエントリー(上記リンク参照)で書きましたが、ここでさらにコールの売りとプットの買いを積み増してくるような気がします。現物を持っている人は含み損を厭わずに嵐が過ぎ去るのを待つか、ただ今回は今月下旬から始まる四半期決算が相当良くないとかなり長い時間含み損を抱えたままになりそうです、あるいは先物で買いを入れている人や信用買いをしている人は来週マージンコールが起こることを見計らって今からキャッシュの用意をしておくか、いくらか損切しておくと良いと思います。
一度下落が止まるタイミングがおそらく1営業日程はあると思いますが、今回は結構深押しするような気がします。TOPIXの方はそこまで下落しないような気もしていて、先日の急騰局面のすぐ前(だったかな?)にあったように日経平均が調整している時にTOPIXが上昇するという、特にローソク足の平仄が合わない時がありましたが、それと似た状況が発生する可能性があります。実際本日も上場銘柄の内値上がり銘柄数が1100程度、それに対して値下がり銘柄数が450ということで多数の銘柄が上昇しており、何と騰落レシオは上昇しています。
ただこれが明日の急落でどうなるのか、ということは慎重に考えましょう。
ご自身が持っている銘柄がどういう癖のある物なのかと、自分の投資手法がどういうものかを分析して次の投資計画を考えると良いと思います。
さて本日までの成績です。
現物株
クイック(4318)
600株×2178円
+44400円
パーク24(4666)
400株×1607円
-600円
小計
+43800円
オプション
7月限月のプットバックスプレッド
-14000円(確定)
7月限月のP39000円売り
+9300円(確定)
7月限月のコールクレジットスプレッド
+6600円×3(確定)
8月限月コールのクレジットスプレッド
C42500円買@290円×1
C43000円売@170円×1
+6800円
C43000円買@170円×2
C43500円売@100円×2
+8800円
小計
+30700円
6月までの成績
現物
+669900円
オプション
+37000円
合計
+706900円
オプションではこれからの暴落を考えると、もう少しポジションを取っていきたい気もします。現物株を買うのは日銀の金融政策決定会合を越えてからでも良さそうに思えてきました。かなり安く買えそうです。