投資のいろは(5月の市況) | ぶらっくまーさん

投資のいろは(5月の市況)

本日は普段あまりアップしないチャートをアップします。

 

 

こちらは日経平均日足の3ヶ月チャートに現在私が組成しているアイアンコンドルの最大利益が出る部分と、損益がプラスマイナスゼロとなる部分、そして5月の日経平均の変動幅と昨日の日経の引け値を平行線で表したものです。

 

2本の長い黒い平行線が5月の日経平均の値幅を表しています。その外側の2本の黄色の平行線がアイアンコンドルで最大の利益を得られるレンジです。更に外側の2本の赤い平行線は損益がゼロとなるレンジです。

 

実際には日経平均が黄色や赤色のラインに接近するとボラティリティが上昇して必要証拠金の額も上がるため、単純にこのラインで損益を見るわけにはいきません。けれどもひとつの目安としては十分意味があります。

 

まずこのポジションの組み方を時系列で見ていきます。クレジットスプレッドはコール側のみ、プット側のみでも成立しうるポジションであることは前回の投資のにほへとのエントリーで紹介しています。ちなみにこのエントリー、タイトルと一番最初だけ、このポジションを『アイアンバタフライ』と書いていました。お恥ずかしい。

 

しかも不思議なことに、そのエントリーの途中からアイアンコンドルと、正しい表記に変わっています。この時少し酔って書いていたのが良くなかった。

 

こっそり訂正しました。

 

話を戻します。5月7日のナイトセッションでコール側のクレジットスプレッドを組成しました。この日の午後23時にアップしたエントリーで書いた通りです。上のチャートだと5月1日の右側2つ目、窓開けして陽線引けをした日、実際にはその日のナイトセッションでしたが、そこでコール側のポジションを組成します。

 

そしてこの時の上昇はGWを越えての特異な状況で起こったものなので、その同じエントリーの中で、翌日と翌々日の下落を見てからプット側でクレジットスプレッドを組んで、アイアンコンドルを組成すると書いています。

 

上昇時にプレミアムの乗ったコールでクレジットスプレッドを組成して、下落時に今度はプレミアムの乗ったプット側でクレジットスプレッドを組成する計画です。そうすることでより大きな利益を得ようという計画でした。

 

この5月7日のエントリーはこれを読まれている方々が最初にオプションで何らかのポジションを組む時に必要であろうと思われる参照すべき情報を網羅的に載せているつもりなので、後でも参考にしていただけるとリスクを減らすことができるのではないかという気がします。もちろん、そこで書いたようなことは例えば5月上旬にEPSが一旦天井をつけて、日経平均が41000円であるとか42000円を目指す動きに一服感が出てきたこと、おそらく日本政府が為替介入を行って円安に一時的な歯止めがかかったこと、出来高が細ってきたこと等から日経平均の上値が限定的であることを高い確率で考えられる局面でした。少なくともあの時点で私はそう判断しました。

 

また同時に下値についても限られることも高い確率で37500円を下回らないだろうと思えました。需給もそうでしたし、出来高がちょうどそのころから緩やかに増加していこともそう判断した理由のひとつです。それからもちろんテクニカル的にも揉み合うタイミングになっていました。

 

従って上昇時にコール側で売り主体のポジションを取り、下落時にプット側で売り主体のポジションを取ることに躊躇いは全くありませんでした。何度かお伝えしていることですが、このアイアンコンドルというポジションはリスクを過剰に取らなければ勝率の高いポジションです。ですがそれでもしばしばこのポジションを取るべきでは無いように思います。今回は諸々の情勢が整っていたため揉み合いの展開になることがかなり高い確率で想定できていたからこそ組成したわけです。

 

それと同時に上昇しているところでコール売りを入れたり、下落しているところでプットの売りを入れることに迷いは全くありませんでした。『このまま上昇(下落)し続ける』という可能性はかなり低いことは諸々の情勢から分かっていたからです。

 

もちろんこのブログを読まれている方々の参考になる絶好の機会だという思いもありました。従って5月25日のエントリーで書いたようにこのポジションの解説と組成することが同時になってしまったという次第です。

 

これほど条件が整いすぎている局面は1年にそう何度もやってくるわけではないので、紹介しておくべきだろうと考えました。

 

さらにこのポジションを組む時にコール側によりウエイトを置いて、機会を見つけてコール側でクレジットスプレッドを作ろうという計画もありました。最終的には当初のアイアンコンドルで使ったコールとプットの価格の更に外側の価格のところでさらにポジションを組成したわけです。今回その機会はありませんでしたが、もしももう一度上昇していたらコール側でクレジットスプレッドを組成していたと思います。

 

一方で下落していた場合にプット側でクレジットスプレッドは組成しなかったと思います。これも先日のエントリーで書いたことですが、もう一度繰り返します。現物株を買っていくことをオプションのポジションを組成することと並行して行っていたため、下落時に損失を出すプットのクレジットスプレッドを多く組成することは相場が下に動いた時に私の口座全体をリスクと損失の大きさを高める方向に作用するからです。

 

これも中々難しい話なのですが、オプションでポジションを組成する時に、場合によっては現物株でオプションのヘッジをするように口座の中をバランスさせることもあり得るということです。例えばこの後おそらく来週後半にはアイアンコンドルを清算していくと思います。現物は持ったままですが、それで日銀の金融政策決定会合で日銀が動くと為替が動きます。市場にはかなり大きな衝撃が走りますが、そうすると現物を持ち続けることに合理性が無いことになります。

 

そこで今度はプットバックスプレッドを少し大きなロットで組成して急落時に現物株の損失をカバーできるだけのヘッジをかけるわけです。

 

これも以前からお伝えしていることなのですが、1つの現物株を分析して買い時か売り時かを判断して売買するのは重要です。資金が増えていくとそれを複数の銘柄で行うわけですが、その際になるべく株価の変動に連動性が無いもの、数学的に言えば相関係数の小さなものを選ぶことでリスクを下げるわけです。

 

そこからさらに資金を増やしていくと、今度は現物株自体をオプションや先物でヘッジしたり、逆に先物やオプションを持った時にそれに応じて現物株の保有割合を増減させることでリスクを低減することを検討します。

 

プットバックスプレッドは基本的に遠くのプットのタイムディケイが大きいので、イベントを通過したら即座に決済したいと考えます。もしも金融政策決定会合が私の想定通りの結果となり市場が大混乱に陥れば、そうした遠くのプットについても売買が活況を呈してターゲットとなる値段で決済できる可能性は高まります。

 

けれどもこの決定会合で市場の見込みに反して無風で通過するようなことになれば日経平均は急騰します。そして遠くのプットは急速にプレミアムが減少するだけでなく、おそらく出来高自体が減少して値が飛ぶような動きになります。従って同値撤退も難しくなるのは間違いありません。もちろん近くのプットの売りによるプレミアムも剥落するのでそこでいくらか遠くのプットを清算して生じた損失を埋めることもできます。けれども遠くのプットの減価による損失の全体をカバーするのには不十分です。この時に日経平均に連動する現物株を保有しているとどうでしょう。

 

その銘柄は日経平均の上昇に連動して含み益を増大させます。それがプットバックスプレッドのポジション全体の損失を埋めるように働きます。もちろん市場が暴落した時にはこの現物株は大きく含み損を出します。それを短期的にはプットバックスプレッドの利益が埋めます。そしてやや長い目線で考えると、保有銘柄は投資よりもギャンブルに近いような値動きの予想できないものではなく、ファンダ的に安定しており配当も出ているような銘柄です。一時の急落を通過すれば本来の水準に戻っていくと考えることはポジショントークとは呼べないと思います。

 

もちろん為替が円高になり、金利が上昇すれば一般的に企業の業績には圧力がかかります。その結果、想定通りの業績を出すことが難しくなります。そこで例えば日経平均に連動しやすい銘柄であっても相対的に為替の影響を受けにくい銘柄を選ぶであるとか、そういう判断をしていくと良いのではないだろうかと思います。

 

そこらへんは銘柄選定と併せてまた後日のエントリーで考えていきたいと思います。実際には現在保有しているパーク24(4666)も含めてですが、そういう見込みのもとに選んでいます。本来証券会社のスクリーニングの条件にテクニカルであるとか業績であるとか、ああした数字以外に為替に対する感応度であるとか、日経平均との相関係数であるとか、2つの銘柄を選んだ時の相関係数などがあれば私が毎日行っている作業の量をかなり減らせるのですが・・・

 

そういうソフトを誰かが作ってくれたら月5万円程度のサブスクでも喜んで支払いたいと思っています。誰かやってくれないでしょうか。