投資のいろは(行って来い) | ぶらっくまーさん

投資のいろは(行って来い)

本日の寄り付き後の展開で狼狽された方も多かったと思います。

 

それを打ち消すようにあのようなエントリーを書いたつもりでしたが、それで少しでも心の安寧を取り戻せていたらと思います。狼狽売りなどみっともないですから。

 

正直に話すと今回のアイアンコンドルの組成を検討する時、リスクの所在は明らか下にありました。上昇を考える状況にないのが5月の相場だったと思います。そこで後に日経平均の今月のチャートをアップしますが、最初にアイアンコンドルを組んだ後で日経平均が40000円に近づいたところでコール側で売りを中心としたポジションをいくつか取っていました。それはこのスウィングトレードの資金量で2年前から紹介しているのとは異なり、外に出さない、ある意味個人で好き放題できる方でやっているもので、ここより幾分リスクを取れる方です。もちろんミニオプションではありません。元々5月上旬のエントリーでも書いたように、あるいはこのエントリーの前後でも繰り返し書いていますが、次の四半期決算が出るまでは緩やかに下落しながらのボックス圏を動く想定をしていました。

 

大きく下がる可能性も大きく上がる可能性も無いという見立てです。そうした分析に至った経緯や参照した資料やデータは数多いのですが、こちらについても機会を見つけて全て紹介していきます。前置きが長くなりましたが、そういう観点からすると本日寄り付き後の暴落は根拠のないものに思えました。

 

たまたまザラ場を少し見ることが出来ましたが先物が先に動く展開でした。そして上で書いたように急落を起こしそうな要素は何もありません。一方で外国証券の先物やオプションの開示情報を見ていると上目線で取引していたのが分かります。

 

昨晩、割と多くの投資家YouTuberさんやブロガーさんがあの実体部分の長いローソク足でトレンドが変わったと指摘しました。それまで上昇トレンドだと述べていた方々のうち相当数が意見を変えた瞬間でした。

 

それを総合すると個人はどうあれ大口の人たちは上目線のポジションを解消する、とまでは言わないまでも調整を図る必要が出てきます。ただ今月の出来高の動きを、開示部分に限られますが、見ている限りはどこも大きな損失を出している印象は受けず、むしろコツコツ利益を出している印象でした。

 

いずれにせよ本日の寄り付き後には多少の上げ下げがあることは確定的だと考えました。少し残念だったのは私もよく参照する情報発信している投資家の方があの暴落局面でパニックに乗るようなコメントをされていたことです。

 

本日の暴落と、その後の戻りについては寄り付く前からある程度予見可能だったわけで、そういうセンセーショナルなコメントで閲覧者を稼ぐのは良いとしても、その方も(というより少し経験を積んだ投資家のほとんど全員も)本日の動きは容易に予見できたことなはずなのに、そういうコメントをされるのは残念だと思いました。

 

話が逸れましたが、少しチャートの確認をしていきます。

 

それと、本日は6月以降のやや長めのトレンドについてあまり良くない話と希望の持てる話をしていきますので、その分析を先に読みたい方は最後の方を先に読んだ方が良いかもしれません。

 

 

こちらは日経平均日足の3ヶ月チャートにボリンジャーバンドを重ねたものです。本日ザラ場の最安値はスクィーズ状態にあるとは言え、-3σに届く水準でした。たしかに狼狽売りが出るのも宜なるかなという気はします。

 

つい先ほど日本時間午後9時半にアメリカで指標が発表されて案の定ほとんど動きはありませんでした。それでも日経平均先物は少し上昇して38200円となりました。指標が発表されるなりATMに近いところの私が持っているオプションの価格がプットもコールもすとんと落ちました。これで明日の値動きをある程度見通せると言ったら少し言い過ぎでしょうか。明日も引き続きPCEが発表されます。そこでも大きな動きはないと思っています。先週の指標で利下げ期待が後退していると思います。

 

明日を越すと週末をはさんで6月に入ります。先物やオプションでは次の限月にロールオーバーも起き始めているのでタイムディケイと相俟ってここからプレミアムが剥落しやすくなります。プット側もタイミングを見て決済していこうと思います。

 

39000円を上手く超えられたらですが。そうすれば多分P37500も2桁台前半には届いてくると思うので、そこまで行けば決済を考えても良いでしょう。

 

さてここからあまり良くない話です。

 

次のチャートは日経平均の月足のチャートです。

 

 

こちらは日経平均月足の3年チャートです。日経平均は月足で連続して陰線をつけると、そこからしばらく月足で陰線が続くことが多いです。基本的に月足にテクニカルを適用するのは邪道です。月足ぐらいになってくるとテクニカルの影響よりもファンダの影響の方が相対的に大きくなるからです。

 

それでも月足でこのように陰線が続くことの説明は出来ると思います。それは企業業績が想定よりも弱かったので期待で上昇した分が下がるという展開です。

 

例えば直近の四半期決算では各企業とも非常に保守的な数字を出してきています。こういうのは外国系のファンドや投資家には嫌われるので売り込まれやすい状況になります。従ってこれまで日本企業の業績や株主重視の姿勢を見て買ってきた人たちが売り抜ける動きを取る可能性があります。

 

それに加えて日銀が6月に動いてくる可能性を見ているかもしれません。

 

そうすると一時的な円高が生じます。一方で日本経済自体は大きな打撃を受けます。輸出主体の企業の経常利益も減少します。そうなることを見越して株を少しずつ売るか、あるいは先物やオプションでヘッジをして、円高になった局面で資金を引き揚げるという選択をしてくると思います。それゆえに私は日銀が行動した場合に、瞬間的な円高を演出できても割と短時間で本来のトレンドである緩やかな円安のパスに戻ってくると思っています。

 

さて最後に希望の持てる話です。先程も述べたように直近の四半期決算では割と失望させられるような保守的なガイダンスを出した企業が多かったです。また想定為替レートを140円台前半や半ばとしている企業もありました。しかし現実にはそういう水準で為替が動く可能性は、仮に6月に日銀が動いたとしても無いと思います。

 

そうすると次の四半期決算の出てくる8月頃には業績の上方修正が相次いで、そのあたりでまたサマーラリーが始まるような気がします。

 

そこで先ほど書いたように私の少し長い期間での見立ては、6月と7月は今のまま下落しつつボックス圏を形成し、その後四半期決算が出てから上昇トレンドに復帰するというものです。

 

そして6月には日銀が行動することで一時的な円安と、そしておそらく市場にはそこそこの衝撃が走ると思います。そこでそれに備えて以前書いたプットバックスプレッドやプットデビットを組成しようと思います。

 

プットバックスプレッドについては今年3月のエントリーで紹介しています。デビッドスプレッドというのは下落を想定している時に近いプットを買って遠くのプットを売り、フィーを支払って(デビット)下落時に限られた利益を獲得しようという現物のヘッジによく使われるポジションです。

 

プットデビットは急落する直前というよりは、下落トレンドが見込まれる時に組成して下落時に現物などのヘッジに使うポジションです。

 

この両方を6月には組成する可能性が高いので、それは実際の局面を見て紹介していこうと思います。ミニオプションの7月限で行います。