Episode.68 相棒の涙-ガーディー- | 千樹憐のウルティメイトストーリーズ

千樹憐のウルティメイトストーリーズ

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影野が送り込んだ刺客に全滅してしまったウルトラマンたち。


そして明かされたダークハーデスの正体。


それは長らく行方不明となっていた以前のデュナミスト蒼真健だったのだ。





健は影野との決戦の際、結局自分には大切な者を守ることができないと悟り、光を手放した後、影野に誘われるがまま、闇へと堕ちる道を選んだのだった。







???=健は当時のことを思い出す。



一度記憶を失い、再び記憶を取り戻したとき、美咲に想いを打ち明けた。

ここまではよかった。


しかし、いざ戦いが始まると自分の力の限界を感じ、このまま影野を、メフィストを倒しきることは不可能だと悟った。


そのとき、健は美咲を想い、由衣を案じた。


健は闇に堕ちる間際、自分と似た境遇を持ち、暗い過去の苦しみと戦い続けていた由衣に光を受け継がせた。



健の決断は相応な覚悟のうえでのことだった。



今でも美咲のことを想い、自分の後を継いでウルトラマンとなった由衣に敵ながらも助言を与えるなど、光への未練があることを自覚している。


だからこそ健は苦悩をしていた。



健「俺は、光にも、闇にもなれないのか。」


健は誕生日に美咲からもらったブローチを見つめる。






吉良沢「我々に出来ることは、市民の犠牲を最小限に抑えることだけです。

直ちに防衛線を張ります。

いつもは和倉隊長率いるAユニットに主に任務にあたってもらっていますが、これから想定される戦いは超人同士の戦いです。これまでよりも甚大な被害が出ると考えられています。

よって、今回の防衛ミッションではBユニット、Cユニットとの共同作戦を展開してもらいます。



和倉「わかりました。」


平木「他のユニットと共同作戦なんて私は初めてだな~」


孤門「僕もです。」



吉良沢「しかし、これはあくまでも防衛作戦です。くれぐれも殲滅を目的としないでください。」







凌は何かを感じ、閉じていた目を開ける。


凌「うわっ!」


凌の頬を子犬が舐めまわしていた。


凌「お前、どこにいたんだ?ずっと俺の側にいてくれたのか?」


凌のことをじっと見つめている子犬の瞳が何かを訴えかけているようにも感じられた。


凌「お前、何かしてほしいのか?」


子犬は尻尾を振りながらワンッと一回だけ吠えた。



子犬は後ろを向き、凌をもう一体の石像へと誘導する。



凌「これがどうしたって?怪獣の石像だろ?」


子犬は真剣な眼差しで凌を見つめている。


凌「嘘だろ?まさかお前が!?」


子犬はもう一度だけ吠えた。


凌はおそるおそる子犬にスパークレンスをかざす。



するとスパークレンスのウイングが開き、光が子犬を包む。


凌「マジかよ!あいつ。」


子犬は光となり、怪獣の石像と一体化する。



カラータイマーは輝きを取り戻した。



       


凌「こいつも光に。」







その頃、地上ではイーヴィルティガが東京の街を破壊していた。


イーヴィルティガ=マサキ「見ろ!私の神々しい姿を。私は神となり、人類を導いてやろう。さあ、私に従うのだ。」



平木「あっ!悪のティガよ。」




吉良沢「イーヴィルティガ。」



吉良沢「各ユニットはハイパーメガキャノンチェスターで最大限の防衛線を張ってください。敵が攻めてきます。」



和倉「俺たちも行くぞ。」


孤門・凪・平木・海道「了解!!」








石像であった超古代狛犬怪獣ガーディーは洞窟の入り口を開き、凌を連れて地上へ脱出をした。



凌「ありがとう。お前、あいつの知り合いか?その目はまるで、大切な友を見る目だ。」



ガーディーは凌を見つめた後、イーヴィルティガを目指して歩いていく。



平木「見て!!こんなときに怪獣が!!」


凪「邪魔ね。攻撃を!」


孤門「待ってください!あの怪獣、イーヴィルティガに向かっていく。」



       


ガーディーは鳴いてイーヴィルティガに呼びかける。


イーヴィルティガ=マサキ「またお前か。ここにもいたんだな。邪魔な怪獣め!」


イーヴィルティガはガーディーに蹴りを加える。


ガーディーは倒れ込むも立ち上がる。



凌「あいつ、超古代の時代であの巨人と友達だったんだ。」


凌は駆け出す。



孤門「黒滝君!」


凌「孤門さん!あの怪獣を撃たないでください。
あいつは間違った心を持ってしまった主人であるあの巨人を、取り返そうとしているんだと思います。」


孤門「わかった。」



凌「ありがとうございます。」



ガーディーは訴え続ける。


しかし、超古代の時代のことなど当然ながら心当たりのないイーヴィルティガ=マサキは痺れをきらし、ガーディーに襲いかかる。


       


イーヴィルティガの邪悪なる猛攻が始まった。


ガーディーは角を掴まれ、投げ飛ばされる。


それでもガーディーは訴え続けている。


イーヴィルティガはガーディーに馬乗りになり、喉元を殴打している。


平木「やめろー!!!」



それを見ていた平木はガーディーのことを見ていられなく思い、ハイパーメガキャノンバニッシャーを撃つ。



イーヴィルティガはのけぞる。


しかし、イーヴィルティガの標的がこちらを向き、光弾を放ってきた。


ハイパーメガキャノンチェスターは優れた耐久力を持っており、この程度ではびくともしない。



さらに怒りを募らせるイーヴィルティガは再びガーディーを殴打する。



ガーディーのカラータイマーが点滅を始めた。



凌「もういい、下がるんだ!これ以上は死んじまうぞ!!」


ガーディーは立ち向かい続ける。



ガーディーは尻尾でイーヴィルティガを叩きつける。


そしてパンチをかわして、腕に噛みついて離れようとしない。


その瞳には涙が。








由衣はイーヴィルティガの暴れている現場を目指して走っていた。



その道中、剣斗、啓太と合流した。



剣斗「由衣ちゃん、啓太!」


由衣「先輩!!」


剣斗「俺、負けちまった。」


啓太「僕もカオスヘッダーに。」



由衣「だけど、私たちがここで諦めてはいけませんよ!」


剣斗「そうだな。俺はあいつにリベンジをしなきゃなんねー!」


啓太「僕も今度こそ決着をつける。」



由衣「あれです!イーヴィルティガ。」


剣斗「凌の奴、あいつとやり合ってたのか?でもあの怪獣は?」



影野「そんなに急いでどうした?ティガが心配か?生田由衣。」


由衣「影野司。先輩たちは先に行ってください!」


剣斗「わかった。行くぞ!啓太。」




影野「あの怪獣はあの巨人と超古代、相棒関係にあったらしい。哀れな奴だ。」



由衣「あなたにはわからない。友を思う気持ちを!」


影野「ほう~お前はわかるのか。」



由衣「影野司!あなたは許さない!」




由衣はウルトラマンネクサスに変身した。


       




影野もダークメフィストに変身する。


       




イーヴィルティガは光弾の連続発射でガーディーをいたぶる。



完全に弱り切ったガーディー。



ふらつく足を支え、力を振り絞り、もう一度吠えて訴えかける。



イーヴィルティガは容赦なく、光弾を放った。



ガーディーは倒れ込む。



凌「まずい!」


凌はスパークレンスでウルトラマンティガに変身する。



       


ティガ(マルチタイプ)は空中から急降下キックを放つ。


イーヴィルティガはかわす。


ティガは構える。



イーヴィルティガは最後の力を振り絞り立ち上がろうとしているガーディーに容赦なく、トドメの光弾を放った。



命中し、ガーディーは倒れる。


そしてカラータイマーの光が消えた。



ティガは倒されたガーディーを見つめ、拳を握りしめる。


ティガは怒りを露わにした。


それを見て笑うイーヴィルティガ。



ティガが駆け出そうとした瞬間、この場にカオスウルトラマンカラミティとニセウルトラマンダイナが集結した。


何事かと立ち止まるティガ。



カラミティ「ウルトラマン、お前たちを倒す。」


ニセダイナ「次の相手はお前か?」



しかし、こちらにも二つの光が降臨した。


       

       


ガイア=啓太「カオスヘッダー、お前の相手はこの僕だ!!」


ダイナ=剣斗「おい、ニセモノ!俺はまだ負けちゃいないぜ!」



ニセダイナ=グレゴール人「よく戻ってきたものだ。いいだろう、私の初防衛戦だ。」




メフィストとネクサスもこの場に居合わせる。



メフィスト=影野「さあ、俺たちとお前たち、どちらが強いかデスゲームのスタートだ。」



ネクサス=由衣「私たちは負けない!!」



健はこの様子を近くのビルの屋上から見守っていた。



健「由衣ちゃん、皆、負けるなよ。」




そして入院中の拓海はお見舞いに来ていた美咲とテレビ中継でこの戦いを見守っていた。





ティガ=凌「あいつの想いを無駄にはしない!!」


ティガ=凌はガーディーのことを思い、イーヴィルティガとの決戦に臨む。





いよいよ、超人大戦が始まる。



To be continued