(幸福境涯を築く)
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〈一人一人が最高の仏〉
ー創価学会の精神の正史である小説『人間革命』『新・人間革命』に登場する山本伸一は、池田先生自身がモデルとなっています。ここは、昭和四十八年、三重を訪問した会長が、同志との懇談のなかで、一人一人がかけがえのない最高の仏であるという仏法の根本の哲理を語る場面が描かれています。
学会の世界は、信心の世界です。信心から出発し、信心で終わる。すべてを信心の眼で捉えていくことが肝要なんです。
では、信心とは何か。
万物の一切が、わが生命に、己心に収まっており、自分自身が妙法蓮華経の当体であり、仏であるとの絶対の確信に立つことです。
大聖人は「すべて一代八万の聖教・・・・ 」
”自分の胸中に仏の大生命が具わっていることを信じて、ひたすら唱題(南無妙法蓮華経と繰り返し唱えること)し、自分を磨いていきなさい。
それ以外に人生の苦しみ、迷いから離れることはできない”というのが、大聖人の教えなんです。
皆さんが、本来、仏なんですよ。その自分を信じ抜くんです。他人と比べ、一喜一憂する必要はありません。
自分の生命を磨き、わが胸中の仏性を涌現する以外に、崩れることのない絶対的幸福境涯を確立する道はないんです。
しかし、自らが妙法蓮華経の当体であると信じられなければ、本当の意味での自信が持てず、自分の心の外に幸せになる道を求めてしまう。
実は、怨嫉を生む根本には、せっかく信心をしていながら、わが身が宝塔であり、仏であることが信じられず、心の外に幸福を追っているという、生命の迷いがある。そこに、魔が付け込むんです。
皆さん一人ひとりが、燦然たる最高の仏です。かけがえのない大使命の人です。人と比べるのではなく、自分を大事にし、ありのままの自分を磨いていくことです。
また、自分が仏であるように、周囲の人もかけがえのない仏です。だから、同志を最高に敬い、大事にするんです。それが、創価学会の団結の極意なんです。