(大白蓮華、8月号、2022、「巻頭言」
日蓮大聖人は、「冬は必ず春となる」との御金言を贈られた妙一尼(みょういちあま)へ、真心の功労に感謝され、こうも仰せである。
「いつの世にか忘れ候べき。この恩は、かえりて仕えたてまつり候べし」
戸田先生の弟子として広宣流布に身を投じて七十五星霜ー 。
共に喜び、共に涙し、幾多の大闘争を勝ち越えてきた、忘れ得ぬ全ての宝の盟友に、私はこの御聖訓を捧げたい。
「大功徳・小功徳、すこしも落とさず」と、御本仏が、どの友も御照覧である。
我らは、三世永遠に離れざる誓願と信頼の縁で結ばれた陰徳陽報(いんとくようほう)の長者なのだ。
朝な夕な読誦する法華経の自我偈(じがげ)に、「我此土安穏(がしどあんのん) 天人常充満(てんにんじょうじゅうまん)」
(我がこの土は安穏にして、天人は常に充満せり)とある。
この経文さながらに、現実の濁世の只中で、より安穏の宝土を築きゆく立正安国の祈りと行動を重ねているのが、創価の
多宝如来(たほうにょらい)たる、わが誉れの戦友たちだ。
それは、戦争の悲惨さと平和の尊さを知る世代として担い立つ挑戦でもある。
それぞれに厳しい宿命との戦いがある。労苦を厭(いと)わぬ歴戦の中、病苦や老苦もあろう。愛別離苦も訪れる。
しかし、「現世の安穏ならざることを嘆かざれ」との覚悟で、不退の信心を貫く勇者たちは、「転重軽受(てんじゅうきょうじゅ:重きを転じて軽く受く)」
という法門に則り、いかなる宿業も今世で転換し、必ず晴れ晴れと、一生成仏の勝ち鬨(かちどき)をあげゆくのだ。
加速する高齢社会は、人類の新たなフロンティアである。
創価家族は「一人として成仏せざることなけん」の妙法を掲げ、人間尊敬の連帯で、幸光る幸齢社会(こうれいしゃかい)開拓していこう!
人生百年時代を生きる若人に、「長寿にして衆生を度せん」
という希望の鑑を示しつつ、平和と文化と教育の世界市民が
充満しゆく安穏なる地球の春をと、私は願ってやまない。
迷いなし
大聖人と
共に征く
師弟の旅路の
大歓喜は永久(とわ)に