(大白蓮華、5月号、2022、「未来を開く対話」より)
この年に博士は『回想録』を出版。
「死後の予定」と題した章で、80歳になったことにふれ、
「もう私は自分の勤めを果たしたのではないだろうか。(略)
「今私は『責任を転嫁する』資格があるのではなかろうか」
と自問したうえで、「いやそうではない」と断言。
さらに哲学者ラッセル卿の、次の言葉を紹介している。
「自分が死んでからあとで起こることについて強烈な関心を寄せることが非常に大事である」
当時、池田名誉会長は、41歳。親子ほどの年の開きがある博士からの要請を受けた真情が、小説『新・人間革命』第16巻「対話」の章に記されている。
「山本伸一には、あえて博士が、二十一世紀への精神的な遺産を残すために、若い自分を対談相手として選んだように思えた」