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トーア復元研究所ではポリエステル(シルクでも)の糸引きや糸つれ
を直します。 糸を裏に引っ込めるなどという方法ではありません。
元通りに直すのです。 ポリエステルの糸引き・糸つれを直します、
とインターネットで宣伝しているのは日本全国見渡しても
トーア復元研究所だけです(今のところは)。
「ポリエステルの糸引きを直す」
でインターネット検索すると、
○糸を裏側へ引っ張って表から見えなくする
○縫い込んでダーツにする
○上からリボンなどを縫い付けて見えなくする
などしか見当たらないと思います。 これらは
「直した」
わけではありませんよね?
また、
「指の腹でゆっくり糸を戻すように・・・」
のようにやり方を解説してくれるサイトもありますが、
「そんなの出来ないから、やってください」
の声には応えてくれません。
「やって欲しい」
方は是非、トーア復元研究所へお電話ください(笑)。
さて、今回はクリーニング屋さんからのご依頼で、
「ポリエステルのジャケットに糸引きが出来ました。 5日後にお客様
が使うというので、大至急直してもらえませんか??」
という電話がありました。
事は時間を争います。 すぐに送ってもらうことに・・・
で、到着したのがこちらです。
開けてみましょう。
子供さんの上着です。
写真だと見えないかも知れませんが、腕の付け根の辺りに
2本の糸引きがあります。
両方の袖にありました。
中にはお手紙も。
裏返すと、糸引きしたループが出ていました。 内側にポリエステル
の糸が引っ張られて、表側に糸つれとして見えているようです。
ループは2個あります。 糸引きと同じ位置です。
ご依頼主のクリーニング屋さんに聞いたところ、
「最初は袖が長すぎるので、糸でたくしあげてしつけ縫いしていた
そうなんですが、それを外してからウチにクリーニングに出したら、
糸引きが出来た、とおっしゃっています。 もともと糸が弱って
いて、洗ったらつれてしまったのかも知れません」
とおっしゃいます。 が、実際は違うと思います。
しつけ糸というものは、ゆっくり慎重にほどかないと、このように
すぐ糸引きを起こしてしまうのです。 恐らく、急いで糸を抜こうとして
糸引きを発生させてしまったけれど、裏側でもあり、それに気が付かず
にクリーニングに出してしまったのでしょう。
クリーニング屋さんは、もちろんそんなことは知らないので、普通に
洗って、お返ししたところ、お客様は今度はよく見るものだから
糸引きを発見して、
「なっていなかった!」
という苦情に発展したのだと思います。 糸つれの状態とループ
の出き方でこのようなことが分かります。
さて、それはそうとして、これを直したところを明日ご覧に入れましょう。
完成までの所要時間は一日でした。
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記事末エッセイ
第 11 章 トーアクリーニングを創った男
第14部 兄弟のために・・・
トーアクリーニング創業者の池森進が生前残 した自叙伝、「丘を越えて」を紐解き、進の波 乱万丈の人生とトーアクリーニング設立までの背景をご紹介する連載の第 15 回目。 今回はちょっと現代との伏線となるお話です。
( 1 )
「絶対他人にお金を貸すものではない。 貸すとお金と友人を両方無くす ことになる」
これは私の父、この連載の主人公「進」が日ごろ私に言っていた忠告でした。
「だから、友人から借金を頼まれたら、上げるつもりで渡しなさい」
と言う のです。 そうすれば返済されなくてもいやな気持にはならないし、その後 もその友人と仲良くやっていける、というのが父の考えでした。
「丘を越 えて」を読むと父がそういう教訓を得た理由がわかります。
開業した洋品 店によく来ていたインテリ風の客などは、進の妻もとても信用していたのに、
「5千円貸してほしい」
と頼んできて、その後返済せず、知らぬ顔でまた店 に顔を出す、で、
「お貸ししたお金はいつ返してもらえるんですか?」
と催促すると
「アンタは守銭奴だ!」
とののしった挙句にそのまま来なくなった、 というのです。
世の中、ずうずうしい人は多いもの。 こういう輩とは縁を持たないで済むようになったことを喜ぶしかないのかもしれません。
洋品店が軌道に乗り、毎日少しずつ貯金もしていきました。 その頃、下の兄弟たちも成長し、次男は会社員に、4 女は高校に入り、帰宅すると家事や進の一人娘の守りをしてくれました。
3 男は勉強家で毎日コツコツ努力し、兄弟の中で唯一、大学受験し見事合格しました。
ところがこのころ、まだ進の一族はお金に余裕がなく、
「学費はバイトをして稼ぐので、入学金だけなんとかならないか」
と訴える 3 男に母親を始め、みなが途方にくれることになってしまいました。
(つづく)