「日本のいちばん醜い日」鬼塚英昭 著 には驚くことが書かれていた。
１９４５ (昭和２０) 年８月１４日から１５日の２日間に発生した、「８・１５宮城事件」
で半藤一利氏が著し、映画化もされた「日本のいちばん長い日」に対する挑戦と
も言える内容で、半藤氏は皇室を重んずるあまりか、無知なのか本当の真実を
書いていない。反論があればいつでも論拠を示すことができるとまで言っている。
「８・１５宮城事件」とは徹底抗戦を叫ぶ陸軍将校たちが、森 近衛師団長を斬殺し
終戦の玉音放送が録音されたレコード盤奪取を謀って、皇居を占拠し、終戦を
阻止しようとしたクーデター未遂事件である。
鬼塚氏は海外の文献、資料、関係者の証言、文書 等、膨大な史料を丁寧に
調べ、真相を追っていくうちに この事件は巧妙なシナリオにのっとった皇室の
偽装クーデターであったと結論づけた。
鬼塚英昭 氏は他に「天皇のロザリオ」 (日本キリスト教国化の策謀)、「原爆の
秘密」 (昭和天皇は知っていた) 等の著書で「菊タブー」や国際情勢について
の陰謀論を展開している。
確かに詳細な史料、データに基づく論拠を示し、単なる推論ではないことを
強調しているが、なかなかそのまま信じがたい。UFO肯定論者の主張にも
似ているような気がする。
氏の主張を３点だけ記す。
１ 「８・１５宮城事件」は偽装クーデターで、首謀者は三笠宮殿下であり
昭和天皇の名代であった。それはなぜか ? 皇室をクーデターの被害者
として演出し、陸軍抗戦派の士気をそぐ という目的があった。
２ 原爆はなぜ広島に落とされたか ?
広島に蓄積されていた陸軍の総軍を壊滅状態に置く という狙いがあった。
３ 昭和１９年初頭にはすでに終戦に向けての施策をしていたが、ずるずると
長引いたのは天皇家の海外貯金が保全されることと、天皇一族の生命
の保障の確証の解答を待っていたから。
「上記の論拠を知りたい方は著書で確認ください。膨大で整理つきません」
著書の中で興味深い記述を３点以下に記す。
・ 迫水久常 (終戦 鈴木内閣書記官長) 「終戦の真相」より
当時の陸軍の状況から申しますと、もし阿南さんが終戦に賛成されたら、
必ず部下に殺されています。阿南さんが殺されたら内閣としては、次の
陸軍大臣を補充しなければなりません。その人選は陸軍が承諾しなければ
できないのであります。出来なければ鈴木内閣は総辞職する外ありません。
あの時、鈴木内閣が総辞職したら終戦はできなかったでしょう。阿南さんは
そのことがわかっておられたから、命をかけてあの腹芸をされたのです。
もし心から終戦反対なら辞職されれば、内閣はつぶれて終戦はできなかった
でしょう。私は心から阿南さんを尊敬します。
・ 「ねつ造された 宮城前広場の号泣記事」 加瀬英明
この日の朝日新聞は正午前にはすでに刷り上がって、玉音放送が終わった
ころには積み出しが始まっていた。この記事は玉音放送の前に書かれていた。
ねつ造だったのである。
広場で人々が土下座している写真も、前日の１４日に撮られたものだった。
それらの証言もある。
・ ヨハンセン・グループ
吉田 茂 を中心とする戦争終結グループでアメリカと陰の交渉をしていた。
「吉田反戦」の字面からヨハンセンと呼ばれていた。
ロスチャイルド財閥を中心とする国際金融同盟は、原子力に注目し莫大な
資金を投資しウラン鉱山の買収をしていた。 そのため原子爆弾の使用は
避けられず、日本がその標的にされた。
その使用はヨハンセン・グループのルートですでに６月８日に天皇へ文書
で通告されていた。 と思われる。