さやちゃん新曲「MAKOTO」
誕生物語。
@sayaringo.38
③
(④まで書いてます☆)
*
2月3日は、種田先生の命日だ。
2011年に亡くなった。
私にとって
すごくすごく尊敬していて
音楽というもの、ピアノという楽器についての教えを求めぬいた師匠なんだ。
謙虚の天才だったし、
やさしくて、厳しくて、
指導はこまっっかくて丁寧で、
心が大きな人だった
私は、10代の頃、心底から本物の、本当の演奏を奏でれるようになりたいって強く思った時があって
そんなとき、ほんとたまたま種田先生のレッスンを受ける機会があったんだ
長年、自分のなかで解決できない悩みがあったけど、
それを種田先生はなんと初回のレッスンのときに解消してくれた
ほんとうにほんとうに
感動だった
長年の悩みを一瞬で解決してくれたのだから。
"この人はタダモノじゃない。"
そんな思いから
「種田先生から演奏を、音楽を、学びぬきたい」
この強い決意が私に生まれた
*
そして種田先生の門下生になれたのは
私の父が亡くなったあとからわりとすぐのことだった。
急な父の死。
父は44歳でした。
そのころ私たち家族は、
みんな疲れていて、母はその翌月、癌になり治療が始まった。
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そして私は、種田先生のもと、
理路整然としたピアノの学びの日々が始まったんだ。
*
最初のころは、
私の演奏や人間性の欠点、そのことから繋がる演奏の音の響かせ方、そして私の能力や感覚、感性、私という人格を見抜いていただいたうえで、
抜本的な底上げをすることからさせてもらった。
楽しいだけじゃ出来ない厳しさと
音の捉え方の果てしなさに
ドン底の心境になってしまったことも多々あったんだ。
それだけ演奏の世界は、深い。
耳を最大限に発揮し、
自分の感覚を、細かに細かにとぎすます。
ステージやコンクールのために、
演奏を勉強し、
また壁にぶつかり、
また演奏と勉強を繰り返す。
この修行僧のような日々。
うれしく喜びあふれる結果を出せたコンクールもあるし、
悔しくて絶望あふれたコンクールもあったりもした。
*
「あなたならできる。」
「素晴らしい」
「小さな体から迫力と繊細さを兼ね備えている」
「小さな体、細い体でピアノの音色をコントロールするのは一般的より難易度が高いけれどそれをこなせている」
「一般知識は乏しいけど、本当は頭が良い」
「あなたはピアノを弾いてるだけが良い」
これらの肯定的な言葉の数々は、
種田先生からたくさん浴びさせてもらってた。
どういうことかと言うと、
種田先生は、
"人は、まずは肯定的でなければ何事も成すことは出来ない"
ということを
教えてくれていたんだ。
悲観的な状態で理想の音楽をもとめても、
実現はしない。
まずは、
肯定的に自身を調律し、
それから理想の音楽や演奏を求め実現させていくべきこと。
これを種田先生は、
いつもしてくれていたんだよ。
*
「あなたの生まれ持つ骨格筋は大変珍しい」
世界中に何千人と弟子のいる先生は言っていた。
「この指で猿腕でピアノを弾くということは大変珍しいし、リスクも大きい。
ステージで自己を発揮するためには、そうとうな集中と精神力がなければならない。
あなたの宿命だね。やたらな小さなステージは引き受けずに、自己内観と練習をする方がいざという大切なステージであなたの場合は発揮する」
こう、私は先生から言われていた。
続