トーゴ産。
かっては暗黒大陸とも呼ばれたアフリカには人食い錦蛇から猛毒を持つコブラやクサリヘビの仲間が棲息している事で蛇マニアには有名な地域ですが、知る人ぞ知る珍蛇、奇蛇、怪蛇の宝庫としても知られています。
その中でも特異なのが後牙類としては世界最強の猛毒を持つ種類であるアフリカツルヘビことバードスネーク(Thelotornis)属やブームスラング(Dispholidus.typs)で、数多い後牙類の中でも人に致命的な毒を持つ事で知られる蛇達です。
特にブームスラングは特徴的で大きな目を持ち上品な風貌ですが、高名な爬虫類学者を咬んで死に至らしめた事で悪名の高い種類です。
ブームスラングとはアフリカーンス語で木の蛇を意味していてこの種の性質を端的に表しています。
樹上性で雌雄で色彩が異なる場合が多い事でも知られています。
カメレオンをはじめとした樹上性トカゲや蛙、鳥類や小哺乳類を捕食します。
サハラ以南のアフリカに広く分布していますが、ブームスラングは猛毒を持つ割りに穏やかな気質の為に構わなければ危険は少ないですが、ただし雌は気性が荒く稀に喉のフードを膨らまして威嚇したり、咬みついて来る事もあると言われています。
このブームスラングによくにた容姿と生態を持つのが熱帯アフリカに4種が知られているアフリカキヘビ(Thrasops)の仲間です。
アフリカの熱帯雨林地域に数多い樹上性の蛇類の大半は隠蔽性の強い緑色で腹板や尾下板のキールが発達していて樹上の生活に適応しています。
アフリカの樹上性種といえば近年輸入されて一部で話題に上がったミネオヘビ(Gastropyxis)属でしたが現在は同じくアフリカデメヘビ(Hapsidophrys)属に含まれる・・等がいますが非常に美しい緑色をしていますがアフリカキヘビ類は樹上性にも関わらず黒い体色を持ちます。
アフリカキヘビの中でも王様格なのがジャクソンクロキヘビ(Thrasops.jacksonii)で180㎝以上になり堂々たる体躯を誇ります。
アフリカキヘビ類は大型になる事と色彩が黒い為にブラックマンバ(Dendroaspis.polylepis)等のマンバ類や鱗の感じからブームスラングと間違えられる事もあります。
アフリカキヘビ類はブッシュや低木に好んで棲み、獲物である樹上性のトカゲやヤモリといった爬虫類を中心に、蛙、鳥類、小哺乳類を待ち伏せて捕食しています。
脅されると喉を拡げて威嚇の姿勢をとります。外見もそうですが食物や威嚇方法等もブームスラングと非常によく似ています。
ブームスラングよろしくアフリカキヘビ類も後牙類で取扱いには気を付けるべき種類であり、ハンドリング等はしないように、取扱い上の注意を除けば魅力的な蛇であり、飼育は誰にでもおすすめ出きるものではないですが、かなり良い蛇だと思います。