今日は「万里」
みなと横浜。横浜駅周辺ではない。高島から大桟橋、山下公園そのあたりを指すんだろう。山下公園の山側には、世界のチャイナタウンの中でも大規模な横浜中華街を擁する。そんな横浜中華街ではなく、桜木町の中華に行こう。桜木町、東急線の渋谷と桜木町を結んでいた東横線が横浜-桜木町間を廃線にして久しい。東横線ガード下の落書きギャラリーもすべて消された。
桜木町の港側はランドマークタワーをはじめとするビル群が建ち並び発展を極めるがそちら側に興味はない。桜木町から長者橋に抜ける路地周辺には、名店がひしめく。「万里」自称焼き餃子発祥の店とされており、餃子が旨い。手前には兄弟店の放題亭もあるが、本店だ。ドアを開けると1階はカウンターが続き、左手の階段で二階に上がる。丸椅子のテーブルにキリンのコップが似合う風情だ。個室もある。餃子、頼むならどうせ食うので一人二人前以上だな。餃子はラー油も良いが豆板醤で食っても旨い。また、ここは干しなまこ料理が有名だ。なまこ鍋を頼む。白濁した汁の中にとがったイボのなまこが数匹。でかいまんま入っている。いったん干すことで、素材のうまみが何倍にも変化する中華の知恵で出ただしと、なまこの歯ごたえを楽しむ。熱々の紹興酒があっという間に空く。階段は急だから、気をつけろ。
今日は「粋いき」
東海道。昔の人はこの道で東西を往来していた。現在の国道1号や15号がほぼこれだ。多摩川を渡り神奈川県に入ると間もなく右手脇道がある。実はこれが本当の東海道、旧東海道だ。古の名残も僅かに見られ、ゆっくりと歩きたい道だ。但し、交通量は多めだ。この道をしばらく歩こう。位置的にはほぼ京急川崎辺りまで足を進めると、左手に「粋いき」はある。目立った看板も無い。引戸を開けると先ずは、壁一面の酒瓶に圧倒される。中身入りだ。この店の料理は全て品がよい。馬刺を頼む。馬刺は特筆だ。赤身や、見事な刺しの入った部分、たてがみなど、どれも文句の付けようがない。盛り合わせに白いドロッとした小鉢があり、摘んだ。ホルモン様の味と香り。店主に訪ねると「馬の直腸刺」だとのこと。珍味だが、物が通っていただけありそれなりの香りと味、勧められない。そもそもこんな物は生では食わない。気を取り直し、魚介の刺盛を頼む。やはり、上品だが品定めは確かだ。一切れ一切れがしっかりしている。魚の本当の味を楽しむ事が出来る。旧東海道沿いで楽しむ、旨い肴と旨い酒。癖になるが、少々高めだ。クレジットは使えないから、現金を持って行け。
今日は「華洋苑」
横浜と川崎の中間点に新子安と言う駅がある。新横浜、新大阪、新宿、新橋、駅名に新がつくと大きな駅を想像するが、期待外れ。実に小さく何もない。しかし、個人的には外せない一駅だ。丁度京急新子安の駅の海側に数軒の飲食店がある。その一角に「華洋苑」はある。洋食出身の主人が作る中華料理はどれも旨い。先ずは、豚耳の和え物。香草を大量に入れてもらう。ビールで胃に流し込む。無いことが多いが、秘製チャーシューが旨い。絶妙な味付けと肉の具合が良いんだ。上海焼きそばも旨い。なぜかナポリタンもある。そりゃ洋食出身の主人だからだ。店はいつも混んでるが、予約はするな。ふらっと寄って空いてたら呑めば良い。