【透明人間(1933年)】
ドラキュラやフランケンシュタイン
狼男と並ぶ怪奇物の定番モンスター
透明人間を最初に？映画にした本作
かなり昔にNHKかなにかで観たけど
中身をよく覚えていなかったので
なんとなく借りてきて観たのですが
イングランドの片田舎にある宿に
包帯をグルグルと巻いて顔を隠し
サングラスをかけた男がやってくる
部屋にこもって何かの研究を始めた
怪しすぎる男に村人たちは騒然！
（いや、普通に即通報だろ。。。）
それからしばらく滞在したある日
滞納している宿賃を回収しようと
部屋に入った宿の主人が殴られて
警官や村の男らが部屋に乗り込むと
｢そんなに俺の正体が見たいか！｣
とか包帯を外すと。。。頭がない！
（家賃滞納者の言葉じゃないよな。。。）
（綺麗に頭が消えている。。。）
服を脱ぎ完全に見えなくなった男は
驚き逃げ惑う村人たちを追いかけて
ジジイの帽子を川に投げ捨てたり
自転車に乗り村のなかを暴走したり
地味な嫌がらせで村人を恐怖させ
。。。子供のイタズラかよ(￣ー￣；
（村を失踪する無人の自転車！）
実は男の正体は科学者のジャック
透明になる薬の調合に成功した彼は
身を隠し元に戻る薬を作るためにと
この村にやってきたとかで。。。
ただ、使用した劇薬に副作用があり
そのために精神を蝕まれ凶暴化！
不安定な状態が続いているようです
で、そのまま村を去ったジャックは
同僚の科学者ケンプの家に身を隠す
｢片田舎に透明人間現る！｣
なんてニュースが街にも届くなか
更に凶暴凶悪になってゆくジャック
怯えるケンプに共にこの透明薬で
世界を支配し征服しようとのたまい
協力するか殺されるか選択を迫る！
（また急に大きく出たな。。。）
世界征服だなんて勘弁してくれよと
ケンプはジャックの恩師でもある
クランリー博士に電話し相談。。。
あとついでに警察にも念のため通報
しばらくしてクランリー博士が到着
博士の娘でジャックの婚約者である
フローラも駆けつけ説得をするが
タイミング悪く？警官隊が到着し
通報を知り怒り狂ったジャックは
｢ケンプてめぇぶっ殺すからな！｣
とかご丁寧に殺人予告して姿を消す
。。。最初から消えてますけどね（爆）
（婚約者の説得も虚しく。。。）
その後、警察が準備した隠れ家へ
車で移動しようとしたケンプだが
車内に隠れていたジャックに襲われ
車ごと崖下へ落とされてサヨウナラ
（言葉使いも変わってきた。。。）
（特撮も意外と見応えあり？）
ジャックの凶暴性はますます進行
線路のポイントを変え走る列車を
崖下へ落とし数百人を死傷させたり
銀行を襲い金を奪うと街でばら撒き
人々を混乱させ怪我人が多く出たり
子供のイタズラどころかほぼテロ！
が、透明な相手では警察もお手上げ
しかし透明人間だってそこは人間
お腹も空くし疲れりゃ眠くもなる
農場の納屋で気持ちよく眠ってると
誰もいないはずの納屋の中から
イビキが聞こえると通報され。。。
納屋を取り囲んだ警官隊が火を放ち
煙に巻かれ飛び出してくるジャック
薄く積もった新雪にペタペタと残る
足跡で位置を確認。。。銃でズドン
雪のうえには人の形に倒れた跡が
（足跡がつく演出は素晴らしいです）
ラストシーン
透明なまま病院へ搬送されたものの
銃弾が肺を貫通していて既に手遅れ
フローラが駆けつけ声を掛けると
君のために研究を成功させたかった
そう彼女に呟き静かに息をひきとる
実は今の貧乏学者のまま結婚しても
お金も地位もなく幸せにできない
何か大きな成果を残し有名になれば
そう考え始めた研究だったよう。。。
（切ない事情がきっかけ。。。）
と、ここで薬の効果が切れたのか？
透明だった顔が少しずつ元に戻って
ここで始めてジャックの素顔が映り
フローラやクランリー博士に看取られ
ちょっと切ない。。。THE END
（最初は頭蓋骨見えるように。。。）
（次第に顔がハッキリと。。。）
クラシックなモンスター映画らしく
怖くもあり切なくもあるストーリー
モノクロのため光と影が強調されて
不気味さや恐ろしさが増して。。。
でも、一番驚いたところはやっぱり
透明で見えないその姿を視覚的に
ちゃんと表現し描いているんですよ！
ま、今ならCGでちょいちょいですが
当時としては物凄い事のような？
見えないものを見せる演出も秀逸で
何かがぶつかったように物が動き
足音や新雪のうえについた足跡で
透明人間がいることを表現したり
あと、そこにいるのかいないのか
分からないからこその不安や恐怖を
作品の要所要所で感じさせて。。。
ホラーでありミステリーでありSF
それでいてコミカルなシーンもある
今観ても十分楽しめる作品でしたよ
もちろんツッコミどころもあるし
楽しませていただきました！(o^-')b
気になった方は機会があればぜひ
