・南条さんについては、2012年(12年前!)に、一回書いていた。再掲しよう。

 

「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」(斉藤兆史、野崎歓著)という対談集がある。それぞれ英文学と仏文学の東大の先生だが、縦横に語学x翻訳x文学の話題が語られている。なかで、「学生時代に出会ったすごいヤツ」ということで、南條竹則さの話が出てくる。大学院で英文科。ラテン語も抜群にできたらしい。その後、中国語に転身。今は作家。「・・古代から現代まで、それから西洋から東洋まで一周しちゃうという、そういうぜいたくな人が居ました。」(野崎氏)との事。

 

そしたら、タウン誌「日本橋」(結構いい感じの短文がいつも載っている。日本橋のお店でタダでもらえる。)に南條氏のエッセイが出ていた。「中華料理の魅力」を語っている。料理でもなかなかの薀蓄で、びっくりしたが、中でも、1993年に小説で賞金をもらったとき、それで「満漢全席」を開いた話がすごい・・。何でも賞金(300万円)すべてをつぎ込んで杭州の名人に作ってもらった・・そうだ。その時現地で払った金額を、今の貨幣価値に直すと6000万円くらいになるだろうとの事。どうやら文脈から40人前らしいが、そうすると一人150万円の料理か・・・?!!

 

「・・もう、一品一品が並みの美味しさじゃなかったので、翌日から何を食べても・・全く心に響かなくなってしまった。数日間治りませんでしたよ。」(南條氏)・・だそうです。他に、中国酒の話、中国各地の郷土料理の話が載っている。「今度は、まだ行った事がない、山西省に行こうかな?」だそうです。楽しんでるね・・・。

 

満漢全席(まんかんぜんせき、滿漢全席、簡体字: 满汉全席、マンハンチュエンシー)とは清の乾隆帝の時代から始まった満州族の料理と漢族の料理のうち、山東料理の中から選りすぐったメニューを取りそろえて宴席に出す宴会様式である。後に、広東料理など漢族の他の地方料理も加えるようになり、西太后の時代になるとさらに洗練されたものとなった。(Wikipedia)

 

南條さんと日本橋の縁は、南條さんの実家が日本橋の三越近くで、ソロバン問屋だったそうだ・・。

 

で、本屋の店頭で南条さんの文庫本をみつけた。集英社新書で2005年に出版され、今回(2024年6月)に中公文庫として出版されてもの。

 

 

・で、いろんな料理が出てくるが、これを食べてもいないのに紹介するのも心苦しいし、まあ「一緒に読んでみましょう」とご提案するかな・・・。

 

・後半の方にベトナムで犬の肉を食べる話が出てくる。特に、それを狙っていったのではないようだが、「あえて拒まず」の食べ方で、まあ、「四つ足なら机以外は何でも食べる」という中国人の伝統的食べ方を踏襲しているのかな??犬、クジラ、イルカ食べちゃう人?? | 雑文・ザンスのブログ (ameblo.jp) に書いたが、まあ、私は,「正統派」にはなれそうもないが・・。