子育てママの駆け込み寺「ちいさなハーモニー」
心身脳調和師 どひたかこです。
今年の年賀状にとても嬉しいお便りがありました。
「先生、大学決まりました！」
担任した男の子からの年賀状でした。
何年か前にも、このようなお便りをもらい、
嬉しくてたまらなかったことを思い出しました。
その子は、４年生の２学期から不登校。
一番心が乱れていた時は、
２階の自分の部屋のドアに学習机でバリケードをし、
窓から外に出て塀に移って外に…。
お母さんから「部屋に入れなくなったと思ったら、家から出て行ってしまった！」と連絡が入り、
一緒に探しに行ったこともありました。
自傷行為もありました。
お母さんと相談し、無理に学校に来させることはしませんでした。
少し落ち着いてきて、別室登校が始まりました。約１年間。
別室で過ごし始めた時は、友だちと会うことも怖く感じて
全く出て来ることができませんでした。
別室では支援の先生と学習することもありましたが、
なかなか計画通りに進みません。
けれど、私やなじみの先生とはいろんな話をしたり、
ほんの少しですが学習をしたりしていました。
彼がはじめ、ひたすらやっていたのは段ボールを使って、
迷路のような隠れ家のようなものを作ること。
ドアの小窓も画用紙でふさいでおり、外から覗かれる事もない状態でしたが、
別室の中にいても自分の姿を隠すような感じでした。
これをひたすらやり続け、やり続け…
「もう、これ終わりにする！」と伝えてくれました。
その次は、ウグイステープを何本も使い、
部屋の中に張り巡らしました。
私が部屋に行くと、くもの巣のようになっていました。
「歩きづらいな！」と言いながら入りました。笑
くもの巣もやり続けやり続け…ウグイステープの時期も終わりを迎えました。
次はひたすら読書。
あの分厚い「ハリーポッター」を一日中読み続けていました。
何巻も。
3カ月くらいが過ぎた時、
「○○さんとこの部屋で遊ぶのはどう？」と尋ねてみました。
○○さんは、彼の友だちでいつも彼のことを気にかけてくれる優しい人です。
○○さんに彼の部屋に行く時刻を伝えてお願いすると、
とても嬉しそうに部屋に行ってくれました。
そこから○○さんと業間休みに遊べるようになり、
ひとり、またひとりと別室で一緒に遊ぶ仲間が増えました。
そのあたりから学習できる時間が増え、
大好きなお爺ちゃんと話し合い、
教室で過ごすことができるようになりました。
みんなと同じ教室で学習することは１年間できなかったけれど、
心の中にぐるぐる渦巻いていたしんどさをゆっくりゆっくり溶かしていってくれたのだと思います。
彼のお母さんは、とても不安を感じられたこともあったと思いますが、
彼を信じて見守ってくださいました。
一番心配をかけたお母さんを、
今ではしっかり支える存在になっています。
弟妹思い、家族思いの彼です。
どうしても学校に行くことができない…
自分でもその理由はわからない。
そんな時ありますよね。
学校にまた明日も行かなかったらずっとそうなってしまうのではないか…と心配になると思いますが、
子どもの心の中何かぐるぐるしているものがほどけたり、
何か足りなくなっているものが満たされてきたりすると、
動けるようになるものです。
「信じて見守る。」これはとても大事です。
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「ちいさなハーモニー」