ジイタンだよ 長瀞だよ子供に帰っての7回目だよ
まだ誰もいない貸し切り状態の露天温泉の中で、いつの間にやらジイタン、目をつむっていろんなことを考えていた。若い頃から今までの、子供たちのことや孫たちの事、仕事のことなどをね、いろんな事を思っていたよ。本当にいろいろあったなーってね、誰の人生だって波乱万丈だものね。
しばらくして誰かが入ってきたのを区切りに、ジイタンはあがって部屋に戻ったら、バアタンが先に戻っていた。
いつもならジイタンが先なんだけど、今回は長湯をしたからだね。
さあ次の楽しみは食事だ。時間になって食事処に行き、次々と運ばれてくる料理に舌鼓を打ったよ。
先ずは生ビールを注文してね、料理を肴にしてゴクゴクだ。料理はなかなか美味しいよ。量も多からず少なからずでちょうどいい。
夕食も終わってすっかり落ち着いたジイタン達は、部屋でテレビを見たりしている間にウトウト、そのままお休み―になってしまった。バアタンはしばらく起きて居たかな。
明けて二日目、天気は曇りだけど午後は雨模様だそうだよ。
起きた二人は温泉に直行だ。誰もいない。またジイタン、露天風呂にどっぷり、いい気持ちだねー。
そして朝食、ん、朝食は今一かな。凝ってはいるんだけど、うーん、微妙だね。でもね、バアタンは美味しかったんだって。バアタンはグルメでジイタンは味音痴だから、バアタンが正解かな。
朝食後、チェックアウトまで時間があるから、少し散策をっていうことで、岩畳に行ってみたよ。歩いて2~3分だからね。
で、二人で岩畳の上に登ったりしたんだけど、これが危ないんだよ、歩くのがね。
おかしいなって思ってたら、若い男女が5~6人やってきたよ。そしてひょいと岩畳の上に登るとヒョイヒョイと飛んで歩く。
バアタンは“若い人は身軽だね”って笑っていた。ジイタン、ああそうかって思った、ジイタン達はもう年寄りなんだっけってね。もう年寄りだったんだ。バアタンと滑らないように転ばないように気を付けて降りたよ。
岩畳の上に立ち止まるバアタンだよ
空がどんよりして今にもパラパラ来そうだったから、そろそろ帰ろうということになってね、荷物を取りに旅館に戻り、スタッフサンたちにバイバイして長瀞駅に行き、一路ご帰宅だ。
ちょっとした旅行だったけど、ゆったりのんびりできた旅だった。良い旅だったよ。
終わりだよ じゃまたね