過酷事故から5年、福島第一原発「ノーコントロール」
「汚染水垂れ流し」の実態
2016年2月17日
福島第一原発がレベル7の過酷事故を起こしてから、もうすぐ丸5年
ーー。
ダダ漏れの汚染水や溶け落ちた核燃料の処理に向けた取り組み
など課題山積みの収束作業は今どうなっているのか?実態を確認
するために週プレは2月3日、東京電力が報道社向けに開いた合同
取材会に参加。その現場で目にした廃炉作業の現実をレポートする。
東日本大震災の津波ですべての電源が喪失し、制御不能に陥った
福島第一原発は、1号機、3号機、4号機が水素爆発した。その上、1
~3号機で核燃料が溶け落ちた。今も原子炉内にある溶融核燃料
(デブリ)の冷却は続けられ、人間はそばには近づけない。
週刊プレイボーイ本誌では事故後イチエフで作業員として働いた桐島
晙氏の生々しいレポートを2012年に連載し、イチエフで何が起きてい
るのかをつぶさに報告した。それから4年。果たして現場はどうなって
いるのか?
報道陣を乗せたバスを降りた途端、持参した線量計のアラームと振動
が鳴り止まなくなった。この場所は原子炉1~4号機を見下ろす通称"35
mの丘"の入り口付近。海に面した建屋郡より100mほど内陸側の高台
にある。足元を見ると、直径1mはある真新しい配管の束が丘を駆け下
り、下に見える原子炉建屋と並行して延びていた。汚染水対策として設
置した、陸側遮水壁を凍らせるための凍結液を送るブライン配管だ。
汚染された丘の地表は真新しいモルタルで固められて線量が低くなっ
ているはずだが、それでも原子炉から飛んでくる放射線の影響で線量
計の数字はグングン上がる。
そこから数m歩いて高台の先端に立つと、眼前に原子炉が迫ってきた。
取材陣と1~4号機の間に、遮るものは何もない。
「大体、この位置で毎時150から200μ㏜(マイクロシーベルト)です。」
大型の計測器を持った東電社員が知らせる。記者の線量計に目を移す
と、デジタルカウントはそれより高い毎時235μ㏜を記録していた。一
般公衆の年間限度被曝量は1m(ミリ)Sv。そこから換算すると2千倍の
放射線量に相当する。
斜め前に3号機の側面が目に入った。オペレーティングフロアと呼ばれる
再上階部分には、爆風で粉々になった構造物の残骸が見える。辛うじて
鉄筋に支えられたコンクリート壁の一部。その下の配管類は折れ曲がり、
鋭利に切断されていた。原子炉の壁の厚さは1m。それが一瞬で吹き飛ん
だのだ。
3号機は昨年8月、使用済み燃料プールに落下した35tの大型ガレキをよ
うやく撤去した。今後もガレキ撤去を進め、燃料取り出し用のカバーを設
置する。それが終了する2017年後半くらいから、566体の使用済み核
燃料取り出し作業が始まる。
廃炉に向けた作業は大まかにデブリの冷却、汚染水対策、ガレキ撤去、
使用済み核燃料の取り出し、デブリの取り出しに分かれる。つまり使用済
み核燃料の取り出しは、廃炉に向けた作業がさらに一歩前進することを
意味する。横にいた東電社員に3号機内部の状況を尋ねた。
「全体的にはガレキの撤去と除染が進んだことから線量は下がっています。
ただ高い所ではまだ毎時200μ㏜あります(3号機から放射線が飛んでくる
ため)。この丘に滞在できるようになったのも、ごく最近のなです。」
これだけの放射線量があるのに、東電の指定した取材陣向けの装備は
意外なほど軽装だった。洋服の上からポリエチレン製の使い捨て汚染防
止服を1枚着て、手には綿とゴム製の手袋。素足に軍足を2枚重ねし、短い
長靴を履いたのみだ。
頭は綿の帽子と汚染防止服フードに覆われているとはいえ、口元には防
塵マスクをつけるだけ。放射性物質の吸い込み防止機能がついた全面マ
スクは着用しない。
東電によると、1~4号機周辺は顔半面だけを覆う反面マスクエリアになって
おり、全面マスクの装着エリアは、今は原子炉建屋内だけだという。依然と
して放射線量は高いが、体内に放射線物質を吸い込む危険はもうないと
いうことだろうか。人体で最も被曝しやすい目も、なんら守られていない。
ー汚染水タンクはいくつぐらいあるのか。
東電 「900個を超え、76万リットルの汚染水が
貯蔵されています」
ー今後どれだけ増えて、それを増設する場所はあるのか。
東電「どれだけのタンクが必要になるのか、今検討しているところです。
増設場所は北側のエリアにまだ残っています」
ー汚染水を減らすため、トリチウム水を浄化した上で海に流す計画は。
東電「漁業関係者の方々の調整ができていません。国のトリチウム水
タスクフォースの動きを注視しているところです」
2/15発売 週刊プレイボーイより
フクイチ取材で見えた「今も変わらぬ"東電の隠蔽体質"」について
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/02/17/60971/2/
9+7+6=22(11×2)
<朝日新聞>
(東日本大震災5年)1106基 汚染水、廃炉を阻む
2016年2月13日05時00分
本社ヘリから見下ろすと、巨大な集積回路 のようだった。東京電力
福島第一原子力発電所 の敷地内で、放射性物質 に汚染された水
をためるタンク群は、ひときわ目を引く。現在、1106基がひしめく。
東電によると、年内に約20基、計3万トン分を更に設置する。駐
車場や緑地も潰したいま、既設タンクの隙間に置くしかないという。
30~40年かかるとされる廃炉への道。その入り口で、水との闘いが
続く。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12207284.html
2+1+6+2+1+3+5=20(1 1)
1106基
東京電力福島第一原子力発電所の敷地内に
林立する汚染水タンク= 日午後、福島県大熊町、本社ヘリから、仙波理撮影