がんとの共存ー家族日記 -6ページ目

がんとの共存ー家族日記

淡明細胞肉腫(clear cell sarcoma)ーサルコーマと診断された患者と家族の日記

PET-CT検査の結果を聞いた後、セカンドオピニオン用にこのPET-CTの診断
結果を用意してほしいと医師へお願いをした。画像は難しいと断られたが、
レポートは作成することができるということで、作成していただいた。
そして2日後これらの資料を携えて国立がんセンターへと向かった。
セカンドオピニオンを受けるのは国立がんセンターの「病理相談外来」
予約時間は14時からになっていて、事前の病院からの連絡では13時半までに受付を済ませておくように
言われていた。
この日も両親にも来てもらうことになっており、国立がんセンターを入ってすぐのロビーで待ち合わせをすることになっていた。
わたしたち夫婦が12時すぎに病院に到着したときには、両親はすでにお昼ご飯を済ませてロビーで待っていた。
13半までにはまだ時間があったので、わたしたち夫婦もお昼ご飯を食べることにした。
病院の19階にあるレストランでマグロ丼のセットを食べた。味は普通だった。
景色が良いとの情報もあったが、天気が悪かったせいかあまり見えなかった。
食事を終え1階戻ってから窓口へ行き、「2時から病理相談をお願いしているのですが…」と言うと
「2時になったら所定の用紙に記入して来てください」と言われた。
???(そうなの?じゃあなんで電話で30分前に来るよういったの?)
深まる謎のまま、待っていると2時の数分前に電話がかかってきた。出てみると
「国立がんセンターの病理相談窓口ですが…2時からの江川さんですよね?」と言っている???
わたしは「もう着いていますが、窓口の方に言ったら2時まで待つように言われたので…」と答えた。
あちらはそれを聞き、「大変申し訳ございません。手違いがあったようです。
もう一度窓口に来ていただけますか?」と言われた。(やっぱり…)
そんな軽いトラブルもありながら、いよいよ病理相談外来の待合室へと通され椅子に座って待っていた。
母と妻はなにやら小声で話し始め、それを父が人差し指を口元へ「シー!」注意する場面があった。
待つことと数分、ようやく呼ばれて担当の看護師さんに案内されて相談室に入った。
入室後まず看護師さんが同席してもよいか確認された。看護師さんの同席に 同意して先生の説明が始まった。
そして自分より若いであろう医師(そう見えただけ?)の鼻すすりながらの説明が始まった。
まず一般的に言われている癌と今回の肉腫との違いについての説明があった。簡単に言うと癌は臓器や皮膚の表面にできるものを指すが、肉腫は骨や筋肉、脂肪など中に発生するものを示している。
そして今回の肉腫については数万人に数人程度の珍しいものであることが説明された。
この淡明細胞肉腫は切除をすることが治療のほとんどであり、再発した場合には肉腫の専門病院を受診し、
切除をしていくことがベストであること、完治するというものではなく、共存していくということを念頭において
充実した生活を送ることが重要であると説明があった。
またPET-CTの結果から転移が認められないとのことなので、定期的な検査と健康診断等でチェックを
していくことをすすめられた。
切除後の化学療法についてはリスク等のことを踏まえて、行わないことを断言された。
要するにこの肉腫に効果のある抗がん剤がない(科学的根拠がない)ということらしい。
以上が先生から話のあった内容の要点だった。
説明の後先生は他に聞きたいことはないかを確認した後、セカンドオピニオンのレポートを作成するために
席を立った。両親と妻は残った看護師さんにいろいろ質問をしていた。内容は覚えていないが、彼らは結構納得できたらしい。
こうして病理相談外来は終わった。当日持参したレントゲン写真は返却され、病理標本は直接病院へ送り返していただけるようだった。
翌日は病院の皮膚科と形成外科で手術と治療の説明があり、両親にもまた同席してもらうので、
その日はそのままそれぞれ帰宅した。
手術に関しては診てもらっている病院、がんセンターどちらとも同じ見解で拡大切除が望ましいということ、その後の治療に関してはセカンドオピニオンで得られた情報から化学療法は行わない方向で考えていくことでわたしたち夫婦と両親とで見解が一致した。
明日このことをどのように先生に言うか考えないと!
いよいよPET-CT検査の結果を聞きにいく日がきた。(というよりきてしまった?)
私の両親にも聞いてもらった方がよいと考えていたため(後でいろいろ聞かれるより、先生に直接聞いてもらったほうが楽なので)、来てもらった。
いつもは番号で呼ばれるのがはやく感じられるのに、今日は遅く感じる。
悪い結果ではないかという最悪の状況をどうしても考えてしまう。
わたしの両親も非常に緊張していた。特に父がいつもよりかたい感じがした。
わたしもいつの間にか手を強く握っていて、手の中に汗をかいていた。
妻がわたしのそんな様子を察知して何度も「大丈夫だから」と励ましてくれた。
そして番号がつき、呼ばれた。先生に家族も一緒に聞いてよいかと尋ねると、
「いいですよ」と言っていただいた。
座ると肩に妻が(大丈夫!)という感じで手を置いてくれた。
先生と目が合うと、先生は「PET-CT検査の結果では他の部分に転移はないようです」と言った。
わたしを含め家族全員がこれまでの緊張を解き放つようにほっとため息をつき、
「よかった」思わず声を出していた。
さらに医師からセカンドオピニオンは受けましたか?と聞かれたので「まだです。あさって行きます。」
と答えた。
医師からはこれからの手術のこととその後の化学療法ついて簡単に説明があった。
この先この化学療法についていろいろ悩むことになるが、このときは当然行うというスタンスで
話があった。わたしはがんセンターのサルコーマホットラインで話を聞いた内容を信じていたので、
化学療法の話に対しては、かなり疑問を持っていた。
両親と妻が先生にいくつか質問し、診察は終わった。
その後昼ご飯を食べながら、今日の治療の話とあさってのセカンドオピニオンの話を聞いてから、
今後の治療のことを考えようという話しになった。
あさってのセカンドオピニオンではどんな話があるのだろうか?
セカンドオピニオンの受付が終わり、受ける日程の連絡を待つことと、
PET-CT検査結果の日を待つのみとなった。
数日後外出から帰宅すると着信履歴があった。どうやら、がんセンターからの連絡のようだった。
すでに時間は6時過ぎ。電話の受付時間が過ぎていたが、駄目もとで電話でしてみた。
総合受付は電話に出てくれたが、やっぱりすでに相談受付窓口には人がいないようだった。
あきらめて翌日に連絡をとることにした。
翌日電話をしてみると、セカンドオピニオンの予定日時が検査結果がでる日時と重なってしまった。
「どうしよう…悩むなー」どちらかの時間をずらしてもらえれば、一日ですむなとか
セカンドオピニオンの日程をずらすとかなり待たされるのかななどといろいろ考えてしまった。
そこで妻に電話したが、出てもらえず、実家に電話をかけた。
すると母が出て、事情を話し相談したら「検査結果を聞いてから、セカンドオピニオンを聞きに行った方がいいと思う。」と…
「たしかに…」ということで国立がんセンターもう一度電話をして、日程の変更をお願いしてみた。
すると受付の方が、「できるだけ今日中に変更した日時をお知らせします」といってくれた。
正直ほっとした。待たされるのではないかという不安が解消したからだ。
そして受付時間の終了ぎりぎりで電話をいただき、検査結果を聞いた2日後にセカンドオピニオンを
受けることが決まった。