月夜が影を追いたてるのだろうか?

影が光から遠ざかるのだろうか?


手を繋ぐ術すら知らない

幼い夜のお伽話。




やさしくないからきずついて

やさしくなりたくて

やさしくなりたくて

なれなくて


じゃあ

なんにならなれるのさ


だれもおしえちゃくれないね

だれもしらない、つたえられない


それでもわたし


まがって、ずれた
まがいものだけど、


こころだけはずっとそばにいたかったんだ。







「太陽への道?」

「そうよ。みんなそれを探しているの。わたしも、わたしのお母さんも、そのまたお母さんも。あなたも。」

「あたし、探してなんかないよー。だって、太陽への道なんて知らないもの。」

「みんな知らないのよ。でも、探しているの。」

「変なのー。知らないものを探すなんて。」

あたしたちの生きている理由。
太陽への道。
その後何度マコがお母さんにたずねても、探しても、それが何なのかは全然分からなかった。


あの日までは。






世界が水の底に沈んだ時にマコが最初に感じたことは
(閉じた)
という感覚だった。

すぐに空のあった場所を見上げる。最後の空気が舞ってゆく。

「あ」

気泡の先の微かな光。太陽。でも、違っている。
あたしたちはあそこに行けない、届かない。

(道が閉じた)

その感覚が、マコの胸の中に去来した感覚だった。


そして、次の瞬間に、彼女は笑い出した。とても無邪気に。

それはそれは嬉しそうに。

「みーつけた!」


そして散々キャッキャッと喜んでいたと思ったら次の瞬間には「あっ!」と大きな声を出して

「でも…どっかいっちゃったー!」

バタバタと忙しく羽を動かし飛び回り、はたと

「でもニオイはする!」

と、仲間とは違う方向に一直線に飛び出していった。



太陽のニオイを追いかけて。