絶望の色は、白だと知った。
私たちの一族は、故郷をおわれて逃げ出した。
新天地に行くたびによそモノだの、色が違うだとのとそしりを受けた。
あきらめたモノもいた。
あるモノたちは殺されもした。
そうして方々を転々とし、たどり着いたのが
この雪の世界だった。
生き残った仲間は数百程度だろうか。
見渡す限りの白い世界に私たちのほか、動くモノはいない。
一瞥して生命を許さぬトコロだと、本能が理解した。
だけど、もう、
他に行ける場所はなかった。
どうにかしてココで生きてゆくのだと、ココロを決めた。
その次の日に仲間が減った。
7日後には半分近くになった。
私たちは弱い。
身を寄せ合うことしか出来ない。
1つでは、生きてゆくことが、出来ない。
死にそうな仲間に必死で声をかけ続けた。
負けるな。
負けるな。
生きろ。
生きろ。
お願いだ。
死なないでくれ。
極限の環境で、わたしたちは命を繋ぎ止める。
子を残し、名前をつける。
願いを込めて。
生きて。
生きて
強く
生き
…
長い
長い時が流れたのか
あるいは
今際の夢なのか
なぜかは分からないのに
わたしには分かる
わたしには見える
白い大地を埋め尽くす無数の生き物が
わたしたちの子孫だということが
二本の足で立つ姿は未だにどこか頼りなく
翼は絶え
もう空を飛ぶことは出来ない
それでも強く
なお強く
氷の地表でたくましく生きる
わたしの子どもたち
これは
航海の果てで
諦観を乗り越えた
ペンで書き記されることのない
銀世界の物語