昨日のつづき。
(くわしくは、『実録検証!勇気を出して、今ふたたびの〇〇〇へ!』をご参照ください)
心もお腹も満たされて、幸せいっぱいでケバブ屋さんをあとにした私達。
あぁ、これで友達に報告できる。
世の中には、年増にも優しいケバブ屋さんはあると。
だが、そこで、ある疑問が浮かんだ。
ちょい待てよ。
ケバブ屋1軒の調査で、結論付けていいものだろうか?
そもそも私と友達が「もう日本には、年増に優しいケバブ屋さんは存在しない」と結論付けたときは、複数軒の裏付けがあった。今の私は、たった1軒だ。フェアじゃない。
そんなことを主人に話していると、「そういや、駅の反対側にトルコ料理レストランの看板を見たことがあるなあ」と言い出した。
幸せいっぱいの私は、こわいもの知らず。
「そうなん?そんなら、行ってみよう!」
私達はノリノリで、そのお店に向かった。
でも、きっと犬は入られへんやろうから、今日はお店の場所だけ確認して、後日人間だけで出直そうと決めた。
そうして、駅の反対側に向かい、横丁と呼ばれる細い路地に入ったところで、主人がその先にあるお店を指差した。
「あ、あそこ、あそこ!」
そこでようやく私は気がついた。
主人がトルコ料理レストランと言っていたお店は、
いつもHooters(フーターズ)みたいな格好のセクシーガールたちと、
(画像引用元:Hooters HP/ウェイトレスの制服がセクシーなアメリカ発のレストラン)
今にもフリースタイルダンジョンを始めそうなワンパクボーイズたちが集っているお店だ。
(画像引用元:テレビ朝日 フリースタイルダンジョンHP)
いくらノリノリでも、私達が行けばまるで参観日。バイブスアゲアゲのボーイズ&ガールズをシラケさせてしまう。
私は主人に「通り過ぎるだけにしようね」と念押しして、道を進んだ。お店に近付くにつれ、お店の中からは賑やかで楽しそうな雰囲気が感じられた。やっぱりあそこは若者のお店だ。
そう思いながら、まさにそのお店の前にさしかかった時。
あろうことか、犬達がそのお店にグイっと私を引っ張ったのだ。
ちょっとちょっとちょっとちょっと!!!
何してんの!あかんって!
私が大慌てで犬達を道に戻そうとすると、その様子を見つけた店員さんがお店の中から出てきた。
ヤバいよ、ヤバいよ-!
こんな大きな犬をお店に近寄らせないでって怒られるよー!
だが、私が犬達を引き寄せ、おそるおそる顔をあげると、そこに立っていたのは、とってもニコやかなトルコ人だった。
「OH ! とってもビューティフルな犬ね~!」
良心的な対応に胸をホッと撫で下ろしたが、図らずも会話が始まってしまった。
私は犬を褒めてくれたことに御礼を告げ、その場を立ち去る理由を見つけるために「このお店は犬はダメですよね」と尋ねた。店員さんは申し訳なさそうな顔で、「そうね~。スモールな犬を抱っこして入るお客さんはいるけど、ビッグな犬はダメだね~」と教えてくれた。
はい、じゃあ帰りましょう。
そう思いながら、「そりゃ大きな犬はだめですよね~。ありがとうございました」と私達がお店に背中を向けて歩き出した瞬間、店員さんが大きな声で私達を呼び止めた。
「OK ! OK ! 入っていいよ!」
店員さんはそう言うと、お店の中にいた他の店員さんとお客さんに、「ビッグな犬を連れたお客さんが入るよ~」と声を掛けた。
急に入っていいよなんて、本当に大丈夫なのかなという不安もあった。それでもせっかく快く迎え入れてくれているのに断るわけにはいかない。私達はお客さんに「すみません」「犬、大丈夫ですか?」と声を掛けながら、案内された席に着いた。
すると、どうだろう。
大きく鳴り響いていたBGMの音量は下げられ、テーブルの周りに犬達が寝られるスペースを作ってくれた。お客さんたちも、とっても歓迎してくれて、犬達をすごく可愛がってくれた。
3匹とも足元で寝そべり、リラックスしている様子だった。隣に座っていたお客さんも、タバコを吸うときは黙ってカウンターに移動してくれた。
その後も、カップルが来たり、アメリカ人が来たり、ドイツ人が来たり、とっても賑やかなお店だったが、みなさん本当に親切だった。
最初に対応してくれた店員さんは、実はトニーという店長さん(45歳、3人のパパ)だったのだが、すごく私達に気を遣ってくれて、私達の居心地がいいように何度も話し掛けに来てくれた。
そんな中、唯一、終始怪訝な表情をされていたのは、シェフ兼、食事を運んできてくれる外国人の男性だ。
シェフだけは、最後の最後まで眉間にシワを寄せ、とても迷惑そうにしていた。
犬達を避けるように歩き、私達の料理を運ぶ時はとても不愛想だった。
私達はシェフが通るたびに、謝った。
トニーは私達がシェフに謝るたびに、「気にすることないからね」と笑ってくれた。それでも、やっぱり大型犬を飼っている以上、気にしないといけないことだ。主人と「申し訳ないね・・・」と反省した。
そうして、いろんなお客さんと会話をしながら楽しいひとときを過ごし、私達はシェフに申し訳ない気持ちもあって、早々に引き上げようとした。
お客さんと店員さんに御礼を告げ、お勘定をしてくれる主人を残して、私が先に犬を連れてお店を出ようと出口に向かっていたその時!
奥からシェフが、私を呼び止めた。
あー、なんだろう。申し訳なかったな。シェフはさすがに大きな犬の出入りは許したくないよな。
私が不安な面持ちで待っていると、シェフは相変わらず怪訝な顔で私達に近寄り、奥歯に物が挟まったような言い方で口を開いた。
「犬と一緒に写真を撮ってもいいかな」
え?
えええええ???
私は正直ものすごく驚いたが、あまり驚いたらシェフが奥に引っ込んでしまうんじゃないかと思って、できるだけ平静を装って「いいですよ~」と応えた。
シェフはあまり多くを語らないので真意はわからないが、「かわいいけどコワイ」「こわいけどカワイイ」みたいな感じやったんかな。私は少しホッとした。
そうこうしているうちに、主人がお勘定を済ませて出てきた。
私達はトニーにも御礼を告げ、お店をあとにした。
トニーは、私達が角を曲がるまで「また来てね〜!」と手を振って見送ってくれた。
【前回と今回登場したお店】
ケバブファーム(ケバブ2号店)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13055822/
トルコ料理&ゴリーズバー
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13192426/
サバラン(ケバブ1号店)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131703/13111211/
あのとき、お店に引っ張ってくれた犬達に感謝!
応援↓クリック↓をよろしくお願い申し上げます。
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クララは”一生一緒の家族”を探しています。
【2019年6月追記: 私はドッグライフセイビングと、根本的な動物保護活動の信念と、動物と人間に対する姿勢の相違により、2017年10月に全ての関係を断っています】
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