【2019 成長への展望】組織や国境を越えた協業で価値創造 丸紅・国分文也社長 | 人生の水先案内人

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全国の倒産情報をいち早くお伝えします。

--世界の景況感は

 「貿易戦争の影響もあり、中国が身構え始めている。

米国も消費への影響が避けられず調整局面に入るのではないか。

欧州は英国の欧州連合(EU)離脱の先行き不透明に加え、イタリアやフランス、ドイツも国内問題を抱え、リーダー不在といえる。多少の影響はあってもアジアは期待できる。

食品の冷蔵物流を構築し、米国産高級牛肉や水産品などの調達機能を使い、供給したい」

 

 --4月からの新中期経営計画に込める思いは

 「組織や国境を越えた協業で新たな価値を創造する『グローバル クロスバリュー プラットフォーム』を近未来のあり姿として打ち出し、時代が求める社会課題の解決に向け行動していく。

一定の時間がかかるので、今から仕込むことが重要だ。

デジタルイノベーションへの対応組織は今は管理部門的な機能だが、限界もあり、組織改革も検討したい」

 

 --自動車も変革の時代にある

 「電気自動車(EV)を社会インフラの一つに捉え、走るデバイス、蓄電池、情報収集、発信機能として全体を俯瞰(ふかん)していくことが必要だ。

アジアでは、液化天然ガス(LNG)輸入国が増え、ガス発電や輸入基地整備などインフラ商機もあるが、従来の縦割り組織では、ガスを安く購入したい部門とエネルギーを高く売りたい部門間で利益相反になる。

部門を超えた枠組みも課題だ」

 

 --強みの電力事業は

 「発電所運営のような資産も保有する事業に加え、英子会社のスマーテストエナジーのように資産を持たずに、電力の需要予測や電気を売りたい顧客と再生可能エネルギーが欲しい顧客を仲介する事業もあり、日本などに応用したい。

タンザニアで太陽光発電リース事業を手掛ける日本のベンチャー、ワッシャに出資した。

モバイルの電子マネーの前払い分だけ発電し、資金を回収する仕組みで、他のサービスにも広げたい」

 

 --スタートアップ投資も進める

 「シンガポール、中国深セン市にも拠点を置いた。

今年は旧ソ連時代の情報通信分野を担っていた、エストニアとフィンランドにも人材を送り込む。

仮想通貨の基幹技術のブロックチェーンや人工知能(AI)、電子商取引(EC)の技術の一部は、出資などを通じ自社技術に取り込みたい。

最終形はオープンイノベーションだ。

丸紅の持つ顧客ネットワークや資産を見える化し、全社で共有している。

守秘義務を結んだ上で使ってもらい、化学反応を起こしたい」

 

【プロフィル】国分文也

 こくぶ・ふみや 慶大経卒。

1975年丸紅入社。

執行役員エネルギー部門長、常務、専務、副社長などを経て2013年4月から現職。

東京都出身。