原油や非鉄金属で投資ファンドの買い戻しが優勢となっている。
原油は投機筋の売り越し幅がピークだった8月下旬に比べ、7割減った。
資源価格の下落を受け非鉄は生産調整の動きが出始めた。
生産国の通貨安が一服し、資源の増産に歯止めがかかるとの観測も買い材料となっている。
原油の国際指標である北海ブレント原油は6日時点で投資ファンドの売り越し幅が約1万8000枚(1枚1千バレル)となった。
相場の流れに追随するCTA(商品投資顧問)などヘッジファンドが8月までの原油価格の急落を主導したが、買い戻しを進めている。
非鉄金属でもロンドン金属取引所(LME)の銅市場におけるファンドの買い越し幅が9日時点で1万7100枚(1枚25トン)となり、過去2週間で4割増えた。
主要商品で増産ペースが鈍り、投資家の買い意欲を高めている。
米国の9月の原油生産量は日量901万バレルとなり、1年ぶりの低水準となった。
原油安が長引き、中小のシェール生産業者が減産を迫られている。
米エネルギー情報局(EIA)は2016年8月の原油生産量が866万バレルまで減るとの見通しを示す。
エモリキャピタルマネジメントの江守哲・代表取締役は「原油の需給調整は進んでおり、買いを入れるタイミングを探っている段階」と語る。
投資ファンドの買いを受け、北海ブレント原油は9日に1バレル54ドル台を回復し、直近安値の8月下旬に比べて3割近く上昇した。
銅の国際相場も一時1トン5300ドル台に上昇した。
ただその後は利益確定売りに押され、ブレントは再び50ドルを割り込んでいる。
亜鉛もスイスの資源大手グレンコアが大規模な減産を発表し、一気にファンドの買いが進んだ。
ファンドの買い越し幅は9600枚に達し2週間で5倍強に膨らんだ。
資源各社は銅なども減産を検討している。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると砂糖もファンドの買い越しが大幅に増えている。
米国で早期の利上げ観測が後退し、利上げを織り込む形で買われていたドルに売り圧力がかかっている。
ブラジルなど資源国の通貨安に歯止めがかかり、資源の輸出採算が悪化する可能性もある。生産調整が進みやすくなるとの思惑もある。
中国経済の悪化懸念もあり投資家の積極的な買いは限られている。
原油も石油輸出国機構(OPEC)の9月の生産量が約3年半ぶりの高水準となり、産油国のシェア争いが続いている。
多くの国際商品で需給調整には時間がかかるとの見方が増えている。