(ブルームバーグ):
7月4週(21-24日)の日本株は上値の重い展開となりそうだ。
ギリシャ支援協議の合意、中国株の下げ止まりと海外発の反発材料が出尽くし、国内で始まる企業決算の内容を見極めようと手控えムードが広がりやすい。
世論からの風当たりが強い安全保障関連法案が衆院を通過し、安倍政権の支持率動向を気にする声もある。
第3週の日経平均株価 は、週間で4.4%高の2万650円92銭と3週ぶりに大幅反発し、上昇率は日本銀行の追加金融緩和を受けた昨年10月5週(7.3%)以来の大きさとなった。
ギリシャの救済策をめぐるユーロ圏首脳との合意や同国議会での財政改革法案の可決に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が議会証言で年内に利上げを開始する姿勢を維持し、為替が一時1ドル=124円台前半と3週間ぶりのドル高・円安水準に振れたことを好感した。
米国では既に四半期決算の発表が行われ、バンク・オブ・アメリカやシティグループなど金融セクターを中心に市場予想を上回る流れが続いている。
第4週も20日にモルガン・スタンレー、21日にアップル、23日にゼネラル・モーターズ(GM)などが開示を予定。
日本でも21日の安川電機 、22日の日本電産 、23日の信越化学工業 と主要企業の2015年度4-6月期(第1四半期)の決算発表がスタートする。
野村証券では化学セクターについて、足元の原油価格を前提とすれば今後の評価損は大きくなく、業績へのメリットが今後顕在化するとみている。
このほか経済統計では、
国内で22日に6月の訪日外国人客数、
米国で22日に6月の中古住宅販売、23日に景気先行指標総合指数、24日に新築住宅販売があり、ドル・円相場への影響が注視される。
一時3500ポイントを割り込んだ上海総合指数 が4000付近まで戻した中国では、24日にHSBCの7月の製造業購買担当者指数(PMI)が公表予定だ。
<市場関係者の見方>
●JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳チーフ・グローバルマーケット・ストラテジスト
大きなイベントがなく、プラス材料もない。
ギリシャ債務について心配はあまりないが、市場は一喜一憂し、多少もむ可能性がある。
底流の部分では国内業績の好調、企業改革が進み、世界的に見ても日本にアップサイドがある点は変わらず、底堅い。
リスク要因は安倍政権。安保関連法案を契機に支持率が下がっていけば、売り材料になってくる。海外投資家は国内投資家が考えている以上に支持率を見ている。
●損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニア・インベストメントマネージャー
4-6月の上昇ピッチが早過ぎ、ここからは同じピッチではいかない。
米国の利上げ開始が9-12月にあり、米国株のバリエーション調整で日本株も上がりにくい可能性がある。いったん調整し、年度末にかけて上昇トレンドとなっていく。
日本に限らず、マクロ的に成長ドライバーがない。ただ、国内では株主還元など内部のドライバー、プラスアルファの魅力があり、日本は選好されやすい。
●DIAMアセットマネジメントの坪田好人上席ポートフォリオマネジャー
循環的な景気や企業業績の回復から日本の変化が明確にならないと、上値をアグレッシブに買う投資家はいない。
今後3カ月ほどは大型株が売られ、出遅れ感のある中小型株に物色が進んでいくとみられる。
グローバルなマーケットの変化に備え、過去に比べ内需のウエートを上げている。
米金利の引き上げに市場がどう反応するか、確信が持てない。
長期的には国内企業のグロースは外需にあり、ウエートを戻したい。
記事についての記者への問い合わせ先:
東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net
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院去信太郎
更新日時: 2015/07/17 17:52 JST