
銀座ステーキハウス「エリュシオン」では、厳選した神戸牛のステーキにアワビや伊勢エビ、フォアグラなどをセットにしたコースが中華系観光客に人気が高かった
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2015.3.14 05:00
去る2月18~24日、中華圏では春節と呼ばれる旧暦の正月を祝う祝日だった。
この春節休暇を利用して、中国からは約45万人が日本を訪れたと中国国家観光局が発表している。
中国のほか、台湾やシンガポールなど中華圏からの訪日も加えると、その数は増える。
富裕層が高額商品を次々と購入する「爆買い」と呼ばれる現状が、連日メディアをにぎわせていたことも記憶に新しい。
飲食店でも同様の現象が見られた。銀座ステーキハウス「エリュシオン」(東京都中央区)では、神戸牛を目当てに多くの中華系観光客が来店した。
飲食店は新年会シーズンを終え、送別会シーズンのはざまとなる2月は売り上げが下がるのが一般的だが、オーナーの片柳美千代さんは「創業して21年ですが、初めて2月が前月の売り上げを上回りました。
数年前から春節の効果を感じてはいましたが、今年は特別でした」と明かす。
同店は接待などの利用も多いため、いつもの雰囲気を保ちながら中華系観光客を受け入れた。
「あまりお酒をお召し上がりにならないのでディナーでも1時間程度です。
開店の17時に入店し18時過ぎには帰られるので、回転数が上がりました。
通常の平均単価の倍近い2万円以上のコースの注文も多く、売り上げアップにつながりました」
同店は日頃から、英語と中国語のメニューを用意し、中国語に堪能なスタッフの雇用など外国人の受け入れ環境を整えている。
「春節に向けてできる限りの準備はしました。来年の春節では定休日の日曜も開店し、さらに多くの中国のお客さまに神戸牛のおいしさを楽しんでいただきたい」と片柳さんは笑顔を見せた。
ぐるなび外国語版でも春節休暇期間は簡体字版のページビュー数が前月同期より71%増と大きく伸びたうえ、国別のアクセスでも中国からのアクセスが56%増と突出した。
同期間に日本の飲食店への関心度が急に高まっていることが、ぐるなびのデータ上でも見て取れる。
しかし、ぐるなびが春節直後の2月25日に加盟飲食店に実施した調査をみると、春節を迎えるにあたり、特別な準備をしたと回答した飲食店は9.8%にとどまり、大多数が準備していなかった。
74.8%の飲食店が外国人客の受け入れに前向きであると回答しているが、実態としてはまだアクションに至っていないというのが現実だ。
外国人観光客の受け入れ環境の取り組み次第では、国を挙げて、まだ大きな成果を出せる余地があるといえる。
全ての訪日外国人観光客にとって食は欠かせないだけでなく、日本の食を楽しむことが訪日の目的にもなっている。
日本の食の魅力をより詳細にリアルタイムな情報として訪日外国人観光客の元に届けることが、インバウンド消費を加速させる鍵になるといえるだろう。
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■ぐるなび外国語版(簡体字版)
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