倒産・動向記事 A商事(宮崎市)・デラキュート(名古屋市名東区) | 人生の水先案内人

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デラキュート、A商事 積極経営が失敗、資金繰り悪化
2015.1.22

 
▼デラキュート 輸入雑貨小物の卸小売りや鉄板焼き店などの飲食店も手掛けていたデラキュート(名古屋市名東区)は2014年10月7日、再度の資金ショートで行き詰まりが表面化した。

13年7月期決算時点の負債総額は約12億9500万円。

 
主力の雑貨類は中国やタイ、香港、台湾、韓国などから輸入して大手スーパーや洋品雑貨の販売業者に卸売りし、さらに大規模商業施設などに「sheila」「OUTLET」「CRAMCREAM」「Jenny」といった店名で最大47カ所の直営小売店を展開していた。

 
10年7月期は店舗増による増収効果で約22億円の売上高を確保したが、競合他社との価格競争などで利益は伸び悩んだ。

その後も利益の低下傾向に歯止めがかからず、不採算店舗の閉鎖で13年7月期の売上高は約12億6300万円に落ち込んだ。

 
一方で経費削減が進まず、前期に続いて大幅な赤字となった。

 
金融機関に借入金の返済を繰り延べてもらったものの、仕入れ先から売買代金請求訴訟を起こされ、信用が低下。

不採算店をさらに閉鎖したが、急速な円安もあって収益は改善せず、資金繰りは限界に達した。

 
▼A商事 社名変更前にティナプリとして補正下着やエステティックサロンなどを展開していたA商事(宮崎市)は2014年9月19日、宮崎地裁から特別清算手続きの開始決定を受けた。

負債総額は約13億4000万円。

 
福岡市での設立当初はランジェリーや体形補正下着を扱っていたが、総合美容業者として多角化を推進。

エステ分野をはじめ、オリジナル化粧品や超音波美容装身具の販売にも乗りだし、06年3月期に約10億6800万円の売上高を確保した。

 
07年3月期には飲食事業にも参入。

約11億円を投じて宮崎県延岡市に複合商業施設「ココレッタ延岡」を建設するなど積極的な経営で、08年3月期の売上高は約14億円にのぼった。

 
しかしココレッタは客足が伸びず、設備投資が重荷となり11年7月に売却。エステの直営店も松江店(島根県)以外は13年1月までに全て閉鎖した。

 
医療用ハイソックスの代理店契約を結ぶ交渉を進めたが、韓国向けの出荷で売掛金が回収できず、中国向けの交渉も失敗した。

 
12年3月期の売上高は約5億4100万円に落ち込み、約9億円の赤字を計上。

14年3月期末に債務超過額が約12億5600万円に膨らんだため、宮崎県中小企業再生支援協議会に支援を要請。

14年4月に新会社を設立して、6月に主な事業を譲渡した上で社名をティナプリからA商事に変え、解散していた。
(東京商工リサーチ)

 

                  ◇

【会社概要】デラキュート(2014年10月上旬現在)

 ▽本社=名古屋市名東区

 ▽設立=1990年2月

 ▽資本金=1200万円

 ▽事業内容=輸入雑貨小物の販売など

 ▽負債総額=12億9500万円

                   ◇

【会社概要】A商事(旧ティナプリ、2014年9月中旬現在)

 ▽本社=宮崎市

 ▽設立=1993年9月

 ▽資本金=5000万円

 ▽事業内容=補正下着販売など

 ▽負債総額=約13億4000万円

                   ◇

 〈チェックポイント〉

 
デラキュートは輸入雑貨の販売でスタートし、飲食業も手掛けた。
多店舗展開で売上高を伸ばしたが、価格競争の激化で採算が悪化。
円安が追い打ちとなり、事業を立て直すタイミングを逸した。
採算を求める姿勢が乏しかったのではないか。

 
A商事は補正下着を中心に据えながら「ティナプリ」ブランドで美容事業の多角化を進め、勢いに乗って店舗を増やし、飲食業にも手を広げた。

しかし、投資の回収が滞ったことから資産売却で有利子負債を圧縮する一方、海外事業も模索したが失敗し、万事休した。

事業計画は熟考されていたのか。

(東京商工リサーチ取締役情報本部長 友田信男)