9月1日、東シベリアのヤクーチヤで、ロシア初のアジア向けガスパイプラインの建設が始まった。
典が開かれ、プーチン大統領や、中国の張高麗副首相もこれに参加した。
露中両国にとってエネルギー外交上の最優先プロジェクトである。
「シーラ・シビーリ(シベリアの力)」と名づけられたこのパイプラインを通じて、中国は毎年、380億立方mのロシア産ガスの供給を受ける。
さらに、今後、その規模が拡大していく予定である。フル稼働すれば、年間の輸送量は600億立方mにも上る。
これこそ、まさに、ロシアのアジアへのシフトチェンジを象徴するものである。
エネルギー安全保障が専門のアレクセイ・トゥルビン氏は、このプとジェクトの政治的側面を、次のように指摘している。
「ロシアはこれによって、ロシアがエネルギー市場におけるグローバルなプレイヤーであることを確証する。
ロシアはどちらか一方のみに依存しはしない。
特定の国家グループに肩入れし勝ちな西側にも寄りかからない」
ウクライナ問題を契機として西側との関係が悪化している今のロシアにとって、アジア向けガスパイプラインはアクチュアルである。
国家エネルギー安全保障基金のコンスタンチン・シモノフ総裁は、このプロジェクトの地政学的側面を次のように指摘している。
「我々は、現在欧州向けの供給に利用している産地からは、中国にガスを供給しはしない。これは新しいガス、新しいパイプラインなのだ。
しかし、むろん、いつだって自尊心の虜であり、目下ロシアのエネルギーポテンシャルを制限するべく様々な制裁をしかけている欧州にとっては、この「シーラ・シビーリ」は、一種の政治的「覚醒剤」の役割を果たすだろう」
ロシアはアジアのエネルギー市場におけるプレゼンスを拡大しようと虎視眈々である。「シーラ・シビーリ」はアジアにおけるロシアの第二のパイプラインである。
第一のもの、石油パイプライン「東シベリア―太平洋(VSTO)」パイプラインは既に中国への輸出の数年来の実績を誇っているし、日本、韓国などの国々に、タンカーで輸出も行っている。輸出先の多角化について、トゥルビン氏は次のように語っている。
「最初のパイプラインであるVSTOを建設している頃、一部は中国に、一部は日本に送るという決定がとられた。
今回の「シーラ・シビーリ」によって、彼らの使うエネルギー資源の中でロシア産のものが占める割合は、3割にも上るだろう。ここまで高まれば、お互いに、お互いの利益を考慮しないではいられなくなる、というレベルの相互依存である。
今日、ロシア産ガスへの需要は、韓国やインドネシアといった国々でも大きいものがある。「シーラ・シビーリ」があれば、それら諸国の需要をも満たせる。ロシアにはさらに新たなガス田を開発する意向もある」
今日、アジアにおけるロシア産ガスの需要国は、ロシアはパイプラインを政治的圧力の手段には決して用いてこなかったし、用いることは無い、と評価している。
だからこそ日本、韓国、インド、パキスタンといった国々が、供給量増大に極め付きの関心を寄せているのだ。
サハリン、ウラジオストク、ヤマルに現在LNG工場が存在し、あるいは将来建設されることも、その証左である。
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