7月18日(ブルームバーグ):
7月4週(22-25日)の日経平均株価 は、1万5000円台前半で一進一退となりそうだ。
米国経済の回復スピードが緩慢で、為替のドル高・円安進行による国内企業収益の明確な上振れを想定しづらくなっている。
一方、日米欧の低金利長期化を背景としたリスク資産選好の動きは根強く、下値不安も乏しい。
アムンディ・ジャパンのチーフエコノミスト、吉野晶雄氏は
「米景気の回復は間違いないが、労働関連以外の統計は予想通りかやや弱めのものが多い」と指摘。1-3月の天候不順からの回復を確認する過程で、ポジティブサプライズ の多さが米国株のPER拡大につながったが、秋口にかけ歴史的高値圏にあるため波乱が予想され、むしろレンジ内で推移する「日本の動きの方がしっくりくる」と言う。
第3週の日経平均は週間で0.3%高の1万5215円71銭と小幅に反発。
前の週に強まったポルトガル第2の銀行の経営不安問題は拡散せず、米ダウ工業株30種平均が16日に史上最高値を更新するなど海外株高の好影響を受けた。
ただ、ウクライナの武力衝突地域でマレーシア航空機が墜落し、同国情勢が緊迫する恐れに加え、イスラエルがパレスチナのガザ地区への地上戦を開始、地政学リスクの高まりから18日に週前半の上げをほぼ帳消しにした。
米連邦準備制度理事会(FRB)は地区連銀報告(ベージュブック)で、12地区全てで個人消費が増加、製造業活動の拡大を報告し、成長ペースは「緩やか」ないし「緩慢」と記した。
6月の米統計は、鉱工業生産が前月比0.2%上昇と市場予想の0.3%上昇に届かず、住宅着工件数は9.3%減少し昨年9月以来の低水準に落ち込んだ。
イエレンFRB議長は15日の議会証言で、労働市場に著しいスラック(たるみ)が依然見られ「高レベルの金融緩和が引き続き適切だ」と述べている。
オーバーウエート派が6割超
このまま行けば、10月の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBによる毎月の債券購入額がゼロになり、米国の量的緩和第3弾(QE3)は終了する。
ただ、利上げにはまだ時間がかかるとの見方が世界的なリスク選好状態を助長しており、米BOAメリルリンチの7月のファンドマネジャー調査によると、株式をオーバーウエートとしている世界の投資家比率は61%と、2011年前半以来の水準に達し、調査開始以来で2番目に多くなった。
株式を割高と見る比率も2000年以降で最多の21%に達したが、バリュエーション、テールリスクにひるまず、楽観的な姿勢を強めている。
「投資家センチメントの改善はことし下期にマクロ動向が正常化する可能性を裏付けるものだ」とBOAメリルのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は言う。
米低金利の長期化観測の一方で、日本銀行による追加金融緩和の可能性は当面後退しており、為替市場ではドル高・円安トレンドは影を潜めた。
年初来のドル・円チャートは1月2日の105円44銭を円安のピークとし、4月に104円、現在は101円台と徐々に円高方向に振れている。
第4週から国内3月決算企業の第1四半期業績の開示が始まるが、日銀の企業短期経済観測調査(短観)での今期想定為替レート100円18銭との差はわずかで、自動車や機械、電機など輸出セクターを中心に大幅な為替差益の計上は見込みづらい状況だ。
頭打ちのリビジョン・インデックス
みずほ証券リサーチ&コンサルティングのまとめでは、企業業績のモメンタムを表すリビジョン・インデックス(RI)は16日時点でプラス2.9%と、1週間前から0.5ポイント低下した。
RIは10カ月連続でプラス圏と上方修正傾向が続いているとはいえ、勢いは鈍っている。
現在のPERと株価水準から算出した日経平均の予想1株利益(EPS)も18日時点で1026円と、ピークだった5月の1046円と比べ頭打ちだ。
当面の日本株は上値が重い半面、日経平均で1万5000円の下値も堅いとみられる。
東証1部の予想PERは15.7倍と欧米に比べ際立った割安感は薄れてきたが、最高値更新の米ダウ平均に対し、日経平均は1月の年初来高値から6%弱安い水準にとどまる。
三菱UFJ投信のチーフストラテジスト、石金淳氏は「海外に比べ出遅れており、もっと買われて良いというのが根本にある」と指摘。
消費税増税の影響をまだ読み切れないこともあり、「海外にアウトパフォームすることはないが、世界のアベレージ程度は上昇できる」とみる。
日経平均の年初来騰落率はマイナス6.6%、これに対し世界の株式の値動きを示すMSCIワールド指数 はプラス4%だ。
第4週の主な決算発表は
国内で23日に日本電産、日本航空電子工業、
24日に信越化学工業、アドバンテスト、
25日に日立化成、日本取引所グループ、NTTドコモなど。
米国でも
22日にアップル、23日にボーイング、フェイスブック、
24日にゼネラル・モーターズが公表予定だ。
経済統計は
日本で23日に6月の訪日外国人数、
24日に貿易収支、25日に消費者物価指数があり、
海外では22日に米国で6月の中古住宅販売件数、
24日に中国で7月のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)が相場に影響を及ぼす可能性がある。
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浅井真樹子, 院去信太郎
更新日時: 2014/07/18 16:32 JST