「VAIO(バイオ)」ブランドで世界展開してきたソニーが、収益改善の見込めないパソコン事業を日本産業パートナーズに売却することを決めた。
残る国内勢の東芝や富士通も、海外勢との競争は厳しく、パソコン事業は苦戦が続く状況だ。
ソニーのファンドへの売却が引き金となり、さらなる再編が起きる可能性がある。
かつて国内メーカーはパソコン市場で、高い開発力を駆使し、世界市場でしのぎを削っていた。
だが、最近ではスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の普及により、世界的にパソコン販売は低迷している。
さらに調達した部品を組み立てて割安なパソコンを作る中国や台湾の新興メーカーが台頭した。
世界的な価格競争は激しさを増し、国内勢は相次いでパソコン事業からの撤退を余儀なくされている。
平成19年に日立製作所が個人向けの生産を中止し、
22年にはシャープもパソコン事業の撤退を表明した。
23年にはNECが、中国・レノボとの提携でパソコン事業の合弁会社を設立した。
いまや“日の丸パソコン”を担うのは、世界シェア7位の東芝と同10位の富士通のみとなった。
その東芝も「スマホやタブレット端末との競合で総需要が減少している」という。
パソコン事業はここ3年、最終黒字だったものの、26年3月期は最終赤字の見通しだ。
富士通は25年3月期が最終赤字だったが、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポート終了に伴う駆け込み特需もあり、今期は何とか黒字に転換する。
ソニーの撤退は、採算の取れないパソコン事業に見切りをつけ、成長性の高いスマホ事業に重点を置くというものだ。
パソコン市場の縮小は続いており、今後も新興メーカーとの価格競争の激化が予想される。
中国・レノボに吸収されたNECに続いて、ソニーが撤退したことで、国内勢は東芝や富士通を巻き込んだ、さらなる業界再編につながることも懸念されている。