(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎NY外為:円とドルが新興市場通貨に対し上昇-米緩和縮小は継続
ニューヨーク外国為替市場では円とドルが新興市場通貨の大半に対して上昇。
米金融当局が毎月の債券購入額の縮小を継続したことが手掛かり。
ニュージーランド(NZ)ドルは米ドルに対して下げを拡大。NZ準備銀行(中央銀行)はこの日、政策金利を据え置いた。
ウィーラー総裁は昨年12月の時点で、2014年上期に政策金利を引き上げることを示唆していた。
新興市場通貨は朝方から下落していた。
トルコに続き、南アフリカの中銀も通貨防衛のため利上げに動いたが、投資家の不安を拭うことはできなかった。
このほかロシアのルーブルが13営業日続落となったほか、ハンガリーのフォリントも値下がりした。
シティグループの主要10カ国(G10)
通貨戦略責任者、スティーブン・イングランダー氏は電子メールで、
「新興市場の観点から見れば、FOMCに『じゃあ、またな』と言われたようなものだ」と指摘。
「リスク通貨に対しては若干の失望感が広がっている」と続けた。
ニューヨーク時間午後5時現在、
円はドルに対し前日比0.6%高の1ドル=102円29銭と、3日ぶり反発。
一時0.5%安まで下げる場面もあった。
対ユーロでは0.7%上げて1ユーロ=139円75銭。
一時0.4%安を付けた。
ドルは対ユーロで0.1%上げて1ユーロ=1.3663ドル。
NZドルは対米ドルで0.5%安の1NZドル=0.8214米ドル。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 はほぼ変わらずの1027.05。
一時1025.05と14日以来の水準に下げた。
米緩和縮小
米金融当局は毎月の債券購入額を従来より100億ドル縮小し、650億ドルとする。
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の下で講じた前例のない緩和策を段階的に引き揚げる計画を堅持した格好だ。
ブルームバーグ・ニュースが10日実施したアナリスト調査では、FOMCは今後も会合ごとに100億ドルずつ減らし、年内にプログラムを終了させると予想されている。
コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの
チーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は今回の緩和縮小について、
「これは、新興市場の混乱が先進国市場へは波及していないとFOMCが
考えていることを強く示唆している」と指摘。
「先進国市場の基盤は現在のところ安定度がずっと増している。
新興市場での経済・政治面の問題が長引いた場合は、先進国にも波及するリスクは高まるだろう」と続けた。
「概して予想通り」
FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2008年以降、0-0.25%で据え置いている。
この日の声明では、
「特にインフレが引き続き委員会の中長期的な目標である2%を下回ると予測される場合には、失業率が6.5%を下回った後もしばらくはFF金利誘導目標を現在のレンジで据え置くことが適切であろうと想定している」とし、前回から文言に変更はなかった。
ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、
カール・フォチェスキ氏(ニューヨーク在勤)は
「今回の会合での決定は概して予想通りだった」と指摘。
「新興市場の危機に関して言えば、これで危機から脱せられるわけではない。FOMCの責務の対象は米経済だ。
米国以外のあらゆることについて心配する余裕はない」と続けた。
トルコ中銀のバシュチュ総裁が加速するリラ下落に歯止めをかけようと措置を講じているが、そうした中で円は上昇した。
リラはこの日、上げ下げを繰り返す展開。一時4%上げたほか、3%安まで下げる場面もあった。
南アフリカ準備銀行(中銀)はこの日、市場予想に反して政策金利を引き上げた。中銀は政策金利を0.5ポイント引き上げ5.5%とした。
マーカス総裁がプレトリアで発表した。ブルームバーグが先週実施したエコノミスト調査では25人全員が据え置きを予想していた。
ランドは一時3.1%安と、下落率は昨年4月以降で最大となった。
原題:Yen Rises With Dollar as Fed Taper Fuels Emerging MarketsRout(抜粋)
◎米国株:下落、FOMCが資産購入をさらに縮小-業績予想も失望
29日の米国株 は下落。
企業の業績予想が投資家の失望を誘ったほか、新興市場で混乱が続く中、米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和策の縮小を進める姿勢を維持したことが影響した。
検索エンジンのヤフーは下落。
売上高見通しが成長鈍化を示唆した。
航空機メーカーのボーイングも下落、約2年ぶりの大幅安となった。
同社の2014年の利益見通しはアナリスト予想を下回った。
ジェット機受注のペース減速が影響した。
一方、化学品メーカーのダウ・ケミカルは上昇。
増配と自社株買い計画の拡大が好感された。
S&P500種株価指数は前日比1%安の1774.20で終了。
ダウ工業株30種平均は189.77ドル(1.2%)下落して15738.79ドルで終えた。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの副最高投資責任者(CIO)の
エリック・デービッドソン氏は
「しばらくの間、新興市場では弱さが見られていた。
それがここ数日間で一気に展開した」と述べ、
「こうした短期間の動向に対して、米当局が反応することはないだろう」
と続けた。
FOMC声明
FOMCは28-29日に開催した定例会合で、債券購入額を100億ドル縮小し、月650億ドルにする方針を決めた。
金融当局のバランスシートが過去最大の4兆1000億ドルに膨れ上がったことから、資産価格バブルの形成につながる恐れがあると、当局者の一部は懸念を表明してきた。
FOMC声明は労働市場について、
「指標はまちまちだが、ならしてみるとさらなる改善が示された」と指摘。
失業率については「低下したが、なお高い水準にある」とした。
バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は今月末で退任する。
フェイスブックやボーイング、ダウ・ケミカルを含めてこの日はS&P500種採用企業のうち25社が決算を発表した。
今シーズンに四半期決算を発表 したS&P500種採用企業のうち、利益がアナリスト予想を上回ったのは約77%だった。
ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では、S&P500種企業の利益は6.6%増、売上高は2.6%増となっている。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)はこの日9.8%上
昇して17.35だった。
VIXは年初から26%上昇した。
S&P500種産業別10指数のうち9指数が下げた。
特に生活必需品株の下げが目立った。
素材株だけが唯一上昇した。
ヤフー、ボーイングが下落
ヤフーは8.7%安。
同社が発表した1-3月期売上高見通しから、グーグルやフェイスブックとの競争激化に伴い成長が減速していることが示唆された。
2013年10-12月期の純利益は3億4820万ドルと、前年同期から28%増加した。
純売上高は12億ドルと、前年同期の12億2000万ドルから減少した。
ボーイングは5.3%下落。
同社の2014年利益見通しは、アナリスト予想を下回った。
昨年のジェット機受注数が過去2番目に高い水準に達したものの、今年に入ってそのペースが鈍化していることが背景にある。
米携帯電話サービス2位、AT&Tは1.2%安。
同社の2014年通期1株利益の伸び率は「1桁台半ば」になる見通し。
ブルームバーグの集計データによると、アナリスト予想は7%増だった。
一方、ダウ・ケミカル は3.9%上昇。
同社は自社株買い計画の規模を45億ドルと、これまでの15億ドルから拡大したことを明らかにし、第1四半期の配当を16%増の37セントに引き上げた。
原題:U.S. Stocks Retreat as Fed Plans More Reductions inStimulus(抜粋)
◎米国債:上昇、安全への逃避で買い-FOMC緩和縮小は予想通り
米国債市場で10年債利回り は2カ月ぶりの水準に低下。
新興市場への不安から安全性を求める買いが活発な中、連邦公開市場委員会(FOMC)は2度目の緩和縮小を発表した。
米国債相場は上昇。
FOMCは月額の資産購入を現行の750億ドルから650億ドルに縮小すると発表。
声明は前回と同様
、「特にインフレが引き続き委員会の中長期的な目標である2%を下回ると予測される場合には」、
失業率が6.5%を下回った後もしばらくはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を現在のレンジで
据え置くことが適切であろうとの認識を示した。
トルコ中銀に続いて南アフリカも利上げに踏み切ったが新興市場国への投資家の不安は静まらず、米国債は朝方から堅調に推移した。
フィフス・サード・アセット・マネジメントの債券担当責任者、
ミッチェル・ステープリー氏はFOMCの結果について、
「誰にとっても何の驚きもない」と指摘。
「債券は質への逃避で上昇を続けることが可能だ。ばんそうこうは、
いつか剥がさなくてはならない」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在
、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.68%。
同年債(表面利率2.75%、
2023年11月償還)価格は20/32上昇の100 20/32。
利回りは一時、昨年11月19日以来の低水準を付けた。
30年債利回りは5bp下げて3.62%。
10月30日以来の低水準を付けた。
「すべて織り込み済み」
ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)の
最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は
「声明の内容はすべて織り込み済みだった」と指摘。
「米国債相場は依然として世界的な株安に反応している。
安全を求めて資金が新興市場から米国債へ逃避している」と述べた。
前回FOMCで最初の緩和縮小が発表された昨年12月18日、10年債利回りは6bp上昇して2.89%となった。
ブルームバーグがまとめた先物取引のデータに基づくと、FF金利誘導目標は約85%の確率で年末まで維持されるとみられている。
米財務省はこの日初めて2年物変動利付債(FRN)の入札を実施。150億ドルの同入札では、需要の目安とされる応札倍率は5.67倍だった。
FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏は
「入札は異例の好調さだった」と評価。
「FRNは頭痛の種を伴わない短期金利商品だ。好調な需要は約束されていたも同然だ。
タイミングも完ぺきだった」と述べた。
米財務省は4月と7月、10月にもFRN入札を計画、2回のリオープニング(銘柄統合)を予定している。
「世界中でバブルはじける」
米財務省は30日に5年債(発行規模350億ドル)と7年債(同290億ドル)の入札を実施する。
新興市場国の通貨や株価が荒れている状況について、ノバスコシア銀行の
米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は
「世界中でバブルがはじけ、米国債市場に資金が回帰している」と述べた。
原題:Treasuries Rise on Refuge Demand as Fed Taper MatchesForecast(抜粋)
◎NY金:反発、1週間ぶり大幅高-新興国通貨の混乱で逃避需要
ニューヨーク金先物相場は反発。
1週間ぶりの大幅高となった。
新興国通貨の下落を受けて、逃避目的の買いが入った。
南アフリカ準備銀行(中央銀行)はこの日、市場予想に反して政策金利を引き上げた。
トルコに続き通貨防衛に踏み切った。
TDセキュリティーズ(トロント)の商品戦略責任者、
バート・メレク氏は電話インタビューで、
「安全逃避の動きがやや見られる」と指摘。
「南アフリカが利上げしたばかりで、新興市場に関する不安は続いている。
世界の成長は上向いているとの見方そのものが、疑問視されている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4月限は前日比0.9%高の1オンス=1262.20ドルで終了。
中心限月としては23日以来の大幅上昇となった。
原題:Gold Rises Most in a Week as Currency Turmoil Spurs HavenDemand(抜粋)
◎NY原油:反落、原油在庫が予想以上に増加
ニューヨーク原油相場は反落。
米エネルギー情報局(EIA)の統計で予想を上回る原油在庫の増加が伝わり、前日の4週間ぶり高値から下げた。
寒冷な天候でヒーティングオイルなど留出油の需要が約6年ぶりの高さに上昇したことから、原油相場はこの日の安値を離れた。
エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィンロン氏は
「きょうの相場はEIA統計と、原油在庫が積み上がっているという事実が決定した」と指摘。
「留出油の在庫減少は非常に意味が大きい」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日比5セント(0.1%未満)安の1バレル=97.36ドルで終了した。
原題:WTI Crude Declines as U.S. Supplies Increase More ThanExpected(抜粋)
◎欧州株:下落、自動車と小売り銘柄が安い-新興市場通貨安を懸念
29日の欧州株式 相場は下落。自動車株と小売り銘柄の下げが目立った。
トルコ中央銀行が利上げに踏み切ったものの、同国のリラを含め新興市場通貨を下支えする効果は長続きしなかった。
イタリアの自動車メーカー、フィアットは4.1%安。
利益がアナリスト予想を下回ったことが嫌気された。
スウェーデンのノルデア銀行 は2.3%下落。
同行の最高経営責任者(CEO)が成長減速への対応で一段の人員削減が必要との認識を示した。
英高級バッグメーカー、マルベリー・グループは27%急落。
通期の税引き前利益が市場予想を下回るとの見通しが売り材料。
一方、英鉱山会社アングロ・アメリカンは5.7%上昇。
第4四半期にプラチナ生産が25%増えた。
ストックス欧州600指数は前日比0.6%安の322.39で終了。
一時は1.5%下げた。
トルコ中銀の利上げを手掛かりに1.2%上昇する場面もあった。
コメルツ銀行の株式ストラテジスト、
マルクス・ウォルナー氏(フランクフルト在勤)は
「新興市場通貨の影響で、この日の株式市場は不安定だ」とし、
「トルコ中銀による利上げも下支えとなっていないもようで、こうしたことから
株式市場で懸念が再燃している。
この日のトルコ・リラを見れば分かるように、問題はまだ解決されずに続いている」と語った。
ブルームバーグが集計する新興市場通貨20通貨で構成される指数はこの日、0.2%下げた。
下落日はここ13日で12回目
。トルコ・リラはドルに対して一時上げていたものの、その後は3%安まで値下がりした。
29日の西欧市場では18カ国中16カ国で主要株価指数が下落。英FTSE100指数は0.4%安。
独DAX指数は0.8%、仏CAC40指数は0.7%それぞれ下げた。
原題:Europe Stocks Drop as Carmakers, Emerging-MarketCurrencies Fall(抜粋)
◎欧州債:ドイツ債上昇、新興市場不安で質への逃避-英国債も上げる
29日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。
新興国の通貨防衛策も経済悪化への懸念を抑え込むには至らず、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が強まった。
ドイツ5年債利回り は8週間ぶり低水準となった。
トルコ中央銀行が利上げに踏み切ったものの、通貨リラは4%の上げを消し、下げに転じた。
スペインとイタリアの国債も上げを失い、マイナスに転落。投資家らは高利回り債の保有を縮小した。
DZ銀行のアナリスト、クリスチャン・ライヒャター氏(フランクフト在勤)は
「新興国通貨がまた売りを浴びており、質への逃避が見られる」とし、
「誰もが安全な資産を求めている」と語った。
ロンドン時間午後4時37分現在、ドイツ5年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.73%。
一時は0.72%と、先月4日以来の最低を付けた。
同国債(表面利率1%、2019年2月償還)価格はこの日、0.155上げ101.355。
新興国通貨24通貨のうち7通貨を除く全てが下落。
南アフリカ通貨ランドとハンガリー・フォリントがドルに対し大きく下げた。
南ア準備銀行(中央銀行)はこの日、市場予想に反して政策金利を5%から5.5%に引き上げた。
トルコ中銀は28日夜の臨時会合で利上げを決めた。
英国債相場は3日ぶりに上昇。
イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が低金利 政策を変更する段階ではないと発言したことが手掛かり。
ロンドン時間午後4時53分現在、英10年債利回りは前日比5bp低下し2.76%。24日には2.73%と、昨年11月27日以来の低水準となっていた。
同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日、0.4上げ95.745。
原題:German Bonds Rise as Emerging-Market Turmoil Fuels SafetyDemand(抜粋)Gilts Advance as Carney Says U.K. Still Needs Low Interest Rates(抜粋)
更新日時: 2014/01/30 07:54 JST