2012.11.8 05:00
カラオケルームを歌以外にも利用できるサービスが広がっている。
ダンス、英会話などのカルチャー教室や、ギターの練習スタジオ代わりとさまざまだ。
景気低迷による消費不振もあって、カラオケ人口は減少傾向。
店舗を運営する企業は集客増に知恵を絞っている。
カラオケ店を全国でチェーン展開するシダックスの「大宮指扇クラブ」(さいたま市)。
平日の午前、広いパーティールームはダンススタジオに早変わりし、ゆったりしたハワイアンの音楽が流れる。
Tシャツに南国風の鮮やかなスカート姿の主婦らがフラダンスを習っていた。
小さめのカラオケルームでは英会話のグループレッスン。
40代の女性は「カラオケの英語の歌で発音練習もできて、ためになる」と話した。
13年前に東京都内の2店で歌謡教室などを始めたシダックスは現在、全国約300店のうち77店で「カルチャークラブ」を展開している。
約50ある講座は編み物や書道、子供バレエ、空手、ファイナンシャルプランナー養成と多様だ。
従来のカラオケルームでは照明が暗いため、明るい蛍光灯などを取り付けた。
子供や50~60代の人による昼間の受講が多く、最近は70代も増えているという。
広報担当者は「講座との相乗効果でお客を増やす戦略。地域の公民館代わりに使ってもらいたい」と狙いを説明する。
ゲーム施設を運営するアドアーズが8月、東京・秋葉原にオープンさせた「カラオケアドアーズ秋葉原店」は、ほぼ半数の部屋にギターを練習できる設備がある。
口コミで徐々に知られるようになり、学生などが一人でギターを持ち込み、1~2時間弾いていく。
カラオケ機器で選曲すると、スクリーンに歌詞と映像が流れるのと同時に、コード、弦を押さえる位置も表示される。
接続したエレキギターに「ヘビメタ調」などの音響効果を付けて「バンド体験」も楽しめる。
若いころに弾いていたサラリーマンが会社帰りに寄れるよう、300円でギターのレンタルも始めた。
「最近人気の『一人カラオケ』で弾き語りをする人や、同僚の歌にギターで伴奏して盛り上がるグループもいる」(広報担当者)という。
全国カラオケ事業者協会によると、2011年度の全国のカラオケ人口は約4640万人と、ピーク時の1995年度に比べ2割減った。
消費者行動を分析しているニッセイ基礎研究所の久我尚子研究員は「景気低迷もあるが、娯楽やレジャーの多様化も大きな要因」と指摘する。
チェーン各社は一人カラオケの専門店や専用フロアも設置するなど、工夫を凝らしている。
ただ、需要の本格回復には、カラオケ以外の利用でも「あの手この手を考えざるを得なくなっている」(久我さん)ようだ。