6月26日(ブルームバーグ):
三菱商事 は過去最大の投資案件であるチリ銅鉱山を年間300億-400億円程度の利益を生み出す事業にしたい考えだ。
石炭依存の強い金属グループの収益構造のバランスを図り、
銅を第2の収益の柱と位置付ける。
金属グループCEOの衣川潤・常務執行役員が21日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。
三菱商は昨年秋チリで複数の銅鉱山を操業するアングロ・アメリカン・スール(AAS)の株式24.5%を約4200億円で取得した。
利益貢献については「最終的には投資額に対して7-10%のリターンは期待したい」と言う。
衣川常務は、
AASの持つ鉱山の寿命が今後30年-50年は見込めるとして
「既存鉱山の拡張はもちろん未開発の鉱区も含めればチリでも有数の
アセット」と説明。
巨額投資の狙いは
「原料炭が収益の大黒柱になっており金属資源のポートフォリオとして
第2の柱が欲しかった」として
「将来性のある資源をみたときにわれわれの得意分野は銅。
世界10位前後となる年間30万トンプレイヤーを目標にしてきた」
と述べた。
AAS株をめぐっては世界最大手のチリ銅公社(コデルコ)が優先的に取得できる権利を侵害されたとしてAASの親会社英アングロ・アメリカンを提訴した。
三菱商は訴訟動向を見極めながら、AASを連結対象にするための株主間協定の締結を「遅くとも年度内には行う」としている。
三菱商の金属グループの純利益は12年3月期で1721億円と会社全体の約4割を占めた。
豪石炭事業は、同グループの約7割の利益を稼ぎ、英豪系BHPビリトン と折半出資で世界最大の製鉄向け原料炭の輸出企業であるBHPビリトン三菱アライアンス(BMA)を運営する。
三菱商の銅の持ち分権益生産量はAASへの投資で年間14万トンから25万トンに増える。
16年からの操業開始を見込むペルーのケジャベコ銅鉱山の株式も2月に18%取得し、持ち分生産は4万トン増え目標の30万トンをほぼ達成する見込み。
英コンサル会社CRUによると、世界10位の銅の生産規模は英アントファガスタの44万9000トン。
チリ銅鉱山の事業が三菱商の今期純利益に寄与する額について、バークレイズ証券の森和久アナリストは200億-300億円を予想、野村証券の成田康浩シニアアナリストは150億-200億円とみている。
成田氏は「投資額に見合った収益を生み出せるかは市況次第。現在の銅価格が弱含んでいる中では懸念もある」と述べた。
豪炭鉱ストライキ
労働者の散発的なストライキが発生しているBMAでは操業する炭鉱の4-6月の稼働率が「6-7割程度」で「想定よりはだいぶ厳しいスタートになった」と言う。
今後の労使交渉の行方や生産正常化の見通しに関しては「抜本的に妥結に向けて動いているかというとそういう状況ではない」としている。
また、2月に100%の権益を保有することになった豪西オーストラリア州のジャックヒルズ鉄鉱石鉱山の開発事業については、出資パートナーを求めて複数企業と交渉中という。
生産する鉄鉱石は中国を中心に韓国などアジア向けに輸出する意向であることから「中国や韓国、日本のパートナーが最終的にバランスよく入ってくれればいい」と述べた。
合弁相手の選定や事業化調査(FS)は13年度上期(4-9月)までかかる
見通し。
鉱山開発に加えて、輸送用鉄道の新規敷設、港湾建設まで一貫して手掛ける大規模なもので、総事業費は1兆円規模を見込む。
三菱商の最終的な出資比率については「イメージとして5割程度は持っていたいが固執しているわけではない」とした。
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更新日時: 2012/06/26 00:00 JST