5月29日(ブルームバーグ):29日の米国債は利回りが過去最低付近で推移。
スペインの銀行救済力に対する懸念から安全性が高いとされる米国債の需要が高まった。
スペイン政府が同国の銀行バンキア・グループの資本増強のために債券発行が必要になるかもしれないとの見解を示したことから、欧州債務危機が悪化しているとの懸念が広がった。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードがこの日発表した5月の消費者信頼感指数は市場の予想に反して低下した。
キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、
ブライアン・エドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は、
「欧州発のニュースは何一つとして明るいものがない」と述べ、
「投資家は米国債を割安だとは考えていないが、それを買うより他に
方法がない」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて1.75%。
同年債(表面利率1.75%、2022年5月償還)価格は2/32下げて100 1/32。
利回りは一時1.71%と、昨年9月23日に記録した 1.6714%の最低記録に迫った。
米国債リターン
バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによると、米国債のリターンは3月末からこれまでに2.6%。年初来では1.2%となっている。
10年債利回りの今年最低水準は5月17日に記録した1.69%。3月20日には2.4%の高水準をつけていた。
ブルームバーグが金融機関を対象にまとめた予想の中央値によると、年末までには2.44%への上昇が見込まれている。
米国債は過去最も割高とされる水準に近づいていることが示唆されている。
米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はマイナス0.8%と、今月17日に付けた過去最も割高な水準となる0.83%に近づいている。
マイナスのタームプレミアムは適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れていることを意味する。
スペイン政府にとって、同国の銀行バンキアの資本増強のため公債を注入することは中心的な案ではなく、政府はバンキア増強のために債券発行で資金を調達することを選好している。
経済省の当局者が29日の電話インタビューで、
政府方針として匿名で語った。
また、スペイン銀行(中央銀行)のオルドニェス総裁は、
任期満了を待たず1カ月早く退任する。
同中銀が電子メールで発表した。
ギリシャ離脱の確率
CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード)の
国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は、
「欧州危機への懸念が再燃している」と述べた。
シティグループのエコノミストらはこれまで、ギリシャ離脱の確率を最大75%と
予測してきたが、現在は来年1月1日の離脱を「基本シナリオ」と想定している。
BOAメリルリンチのストラテジストらは、ギリシャ離脱後のユーロ圏経済が
2008年のリーマン破綻後と同じようなリセッションに見舞われ、
少なくとも4%のマイナス成長に陥ると予想する。
FRBのデータによると、プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の米国債保有額 は16日時点で1080億ドルと、過去最大となった。
原題:
U.S. 10-Year Yields Trade Close to Record Lows on EuropeConcern(抜粋)
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ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net ;
ロンドン Anchalee Worrachate aworrachate@bloomberg.net
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更新日時: 2012/05/30 06:48 JST