[ニューヨーク 22日 ロイター]
今年の米株式市場は好調なスタートを切ったが、市場関係者の間では慎重な見方も出ている。
S&P総合500種指数は昨年10月につけた終値ベースの安値から20%上昇。
企業決算、経済指標の改善、欧州の信用収縮緩和などを背景に、
昨年8月初旬以来の高値に値上がりしている。
クレディ・スイスは今年のS&P総合500種指数の目標を引き上げており、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)も7カ月ぶりの低水準にある。
<相場環境が好転>
クレディ・スイスのアナリスト、アンドリュー・ガースウェイト氏は、
相場環境が大きく好転していると指摘している。
欧州では、欧州中央銀行(ECB)の長期オペで銀行への圧力が緩和。
米国でも、中古住宅販売が11カ月ぶりの高水準となるなど、国内経済は予想以上に力強い。
中国も預金準備率の引き下げに踏み切り、金融緩和の姿勢を示している。
クレディ・スイスはS&P総合500種指数の年末目標を1340から1400に引き上げた。
ただ、欧州の景気後退(リセッション)深刻化と米景気減速のリスクが残っているとして、
株式をオーバーウエートにはしていない。
<慎重な見方も>
コンバージExグループのチーフ・マーケット・ストラテジスト、
ニコラス・コラス氏は、今後も株価の上昇が続くかは未知数だと指摘。
欧州債務危機の悪化や世界経済悪化の兆候があれば、株価は反転する可能性があるとの見方を示している。
ギリシャでは債務減免交渉が続いており、市場の関心は23日のユーロ圏財務相会合と、国際通貨基金(IMF)が交渉の結果をどう判断するかに集まるとみられている。
中国ではHSBCが発表した1月の購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)速報値が引き続き50を下回った。
ばら積み船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数.BADIも前週末、
3年ぶりの水準に低下した。貨物需要の低迷、船舶の供給過剰が重しとなっている。
昨年12月半ばに急上昇した米長期金利もここ1カ月は2%か2%を下回る水準で推移している。
コラス氏は
「景気が回復し、リスク志向が高まるというシナリオにはまだ
懐疑的な見方が多い。
景気の不透明感が払しょくされ、拡大基調が強まっていると判断するには、
長期金利が2%以上に上昇する必要がある」と述べた。
<企業決算、経済指標、FOMC>
今週は主要企業の決算が相次ぐ。
24─25日には連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、FOMC参加者の金利見通しが発表される。
大きな波乱はない見通しだが、市場の金利見通しが若干変化する可能性もある。
経済指標では、
25日に12月住宅販売保留指数、
26日に新規失業保険申請件数、12月耐久財受注、12月新築1戸建て住宅販売、
27日に第4・四半期国内総生産(GDP)速報値、
1月ミシガン大消費者信頼感指数確報値が発表となる。
市場の関心は、決算発表に集まる可能性が高い。
23日には
テキサス・インスツルメンツ(TXN.O: 株価 , 企業情報 , レポート )、
ハリバートン(HAL.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
24日には
アップル(AAPL.O: 株価 , 企業情報 , レポート )、
デュポン(DD.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
マクドナルド(MCD.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
ヤフー(YHOO.O: 株価 , 企業情報 , レポート )、
25日にはボーイング(BA.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
コノコフィリップス(COP.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
26日には
スターバックス(SBUX.O: 株価 , 企業情報 , レポート )、
27日は
シェブロン(CVX.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)(PG.N: 株価 , 企業情報 , レポート )
が決算発表を予定している。
第4・四半期決算は市場予想との比較では現時点でそれほど好調とはいえない。
トムソン・ロイターのデータによると、これまで第4・四半期決算を発表したS&P採用企業約70社のうち、業績が市場予想を上回ったのは全体の60%。
第3・四半期決算は同時期で68%、第2・四半期決算は同78%が予想を上回っていた。
ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価 , 企業情報 , レポート )の第4・四半期決算は、
欧州経済の減速や機器販売の不調で、売上高が予想を下回った。
一方、銀行決算はまちまちながら、最悪の事態は避けられたとの見方から、相場の押し上げ要因となっている。