四国遍路ぶらり寄り道 48番札所・西林寺 住民有志の接待(愛媛県松山市) | 人生の水先案内人

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住民有志の接待(愛媛県松山市) 48番札所・西林寺手作りおはぎ 心込め


四十八番札所の西林寺では、本格的な遍路シーズンの春に一度、近くの住民有志が、おはぎを振る舞う接待を二十五年間続けている。

 中心となって活動しているのは松山市南高井町の川本勢子さん(79)。


毎年、約五百個のおはぎを手作りする。


川本さんはこれまで五十回以上も八十八カ所を回った遍路の大ベテラン。


接待を始めたきっかけも旅での経験にあるという。

一九七八年に初めて歩き遍路に挑んだが、野犬に襲われるなど苦難の連続だった。

その道中で地域住民から受けた心遣いに、川本さんは心底感動したという。


「呼び止めてお弁当をくれたり、日が暮れかけると自宅に泊めてもらったり、本当に助かった」と振り返る。

旅を終え、「助けてもらった恩返しのため、元気でいるうちは遍路の旅を支えよう」と決心。


初遍路から五年後の八三年から、疲れた体を癒やしてもらおうと、甘い味のおはぎの提供を始めた。

 大量のおはぎの準備は、大半を川本さんが一人でこなす。


前日の昼すぎから五升のもち米やあずきを炊いたり、あんを味付けしたりし、ひと息つけるのは当日午前一時ごろ。


午前五時から近くの主婦ら二、三人とおはぎを丸め始め、同七時には境内に並べ終えるという。

 年齢を重ねるごとに作業はつらくなるが、「お遍路さんの笑顔を見るのが大好き。


『本当に素晴らしいものを食べさせてもらった』と感謝されるとやめられない」と笑う。


「接待は嫌々するものではない。真心込めたもてなしを今後も続けたい」と年一回の出会いを大切にしている。

 ≪メモ≫

西林寺へは伊予鉄道横河原線鷹ノ子駅から徒歩約20分。


八十八カ寺で唯一、門前の沿道から石段を下った低い場所に立つ。


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近くには、弘法大師がつえで地面を突くと水がわき出て、


渇水から住民を救ったとされる水源「杖(つえ)の淵(ふち)」がある。


写真説明】おはぎ接待を毎年続ける川本さん