2003年頃から、オリンピックを控えた北京は
市民の意識も国際化に向けて気勢が高揚していました。
アーティストたちも、
世界を視野にいれた自国の文化や美学を、
色彩やデザインなどのアートとして
発信するようになってきました。
そんな中、北京市内には芸術区とよばれる
アーティストたちが集うギャラリーやアトリエが
次々に生まれました。
798は、その走りの芸術区。798とは通りの名です。
北京国際空港につながる首都高速道路の途中、
大山子という地区にあります(朝陽区酒仙路4号)。
場所はこのへん
(Google Map)

ここは、1950年代の廃工場跡。
もとは中国解放軍の軍事工場でしたが、今ではその役目を終え、
その巨大な空スペースを現代アーティストたちが
作品展示などの場として利用するようになったものです。


高さ9m、打ちっぱなしのコンクリートの壁、
そこに書かれた一昔前の「毛主席万歳」のスローガンもそのまま。
パイプがむき出しの工場跡は、ひんやりとした空気がとどまり、
天窓をすり抜けた太陽の光が、クールにギャラリーを照らしています。
すっかり北京の芸術の顔として定着した798芸術区。
中国だけではなく、アジア、欧米のアーティストも参加する
100近いギャラリーがこの敷地内に集い、
さまざまなアーティストの作品を展示しています。

2002年にアメリカ人がオープンした「東八時区空間 Time Zone 8」は、
798芸術区誕生のきっかけになったブックストア。
れんが造りの外観、木造の木組がむき出しの伝統的な店内で、
おしゃれなブックたちがその表紙の存在感を競っています。
798芸術区の仕掛け人のひとり黄鋭氏がオーナーのカフェ「At Cafe」。
店内の中にレンガの間仕切りがそのまま内装として使われています。
目で、舌で、そして空気すべてで、感性が磨かれていく不思議な場所です。
2004



