amebloを始める前は自分でホームページを作り、好きなことを書いてアップしていた。
その頃はテニスにはまっていて、週末の土日にはクラブへ行き、終日ボールと戯れ、日頃仕事でたまるストレスを日がな一日、ボールを打つことで忘れることを繰り返していた。
週に1回、「今日の心得」、「ときどきテニス」と題し、テニスをしながら感じたことを綴る文、テニスを離れることもあるが、気ままな内容である。
そうやってアップした文をときどき思い返したように読むことがある。
昔の文章である、埃まみれになった文、ちょっとハタキをかけて、皆様にご披露してみたいと思う。
2001/05/12-No.25(戯言おやじぃは:越智 健)
クラブの人たちをみていると、レベルはさまざまでも自分の型があるというか、個性的な人が多い。
軟式から始めたという人がいる。バックの打ち方に特徴があり、ラケットが変わった軌跡を描く。どこを狙っているか分りにくく、相手にとっては嫌なタイプだ。大きな大会で何度か入賞したつわ者だ。
孫がいる年代だが、そうは見えない。若い。頭髪は極めて寂しくなっているが、残っている髪を延ばし真っ黒に日焼けした姿からは、戦国武将が兜を脱いだような雰囲気がある。それは持ち上げすぎ、平家の落ち武者だよ、という人もいる。
ノミの夫婦という言葉がある。夫と妻が逆転しているという意味がある。夫婦でクラブに入会しているのが何組かいるが、女房の方が上手いという夫婦がいる。かく言うおやじぃがそうだ。女房の方が上手いというのは、下手=頼り無いという連想に直結し、男として情けなさがつきまとう。
おやじぃと同じような境遇にあるご主人。この方のフォアハンドストローク、これが決まってくるとなかなか打ち返せない。ネットぎりぎりに入って来て、球足も鋭い。親の仇きをうつように、または昨夜の夫婦問題の捌け口か、この世のストレスをこの一球で打ち砕くように打ってくる。これはたまりません。打ち返せません。このストロークを決めるために、決まったときの愉悦。勝ち負けより、これにかけている、これもテニスの楽しみ方だ。