20歳の壁という、1型糖尿病 | 噺新聞(874shimbun)

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2024.3.29付け毎日新聞東京本社版夕刊掲載紙面より

1型糖尿病、平成29(2017)年度の疫学調査によるとその患者数は11万5千人。

いわゆる生活習慣病の2型糖尿病の患者数は、予備軍の人も加えると、1千万人以上と推定されている。

2型に比較して1型のその数は、11万5千÷1千万=0.012、別な数値の2型糖尿病者数は6百数十万人ともいわれているので、11万5千÷6百10万人=0.019とほんのわずかな数が1型糖尿病になる。

 

1型、2型とも糖尿病とひとくくりにした病といわれ、尿の甘い臭いなどそのことで糖尿病と銘々されているが、1型は糖尿病というより血糖不全症というような病名があっている気がしている。

 

1型糖尿病は生命維持に不可欠なインスリンが欠乏する疾患。

体の中でインスリンを産生する膵臓のβ細胞、この膵β細胞が破壊されてしまうのが、1型糖尿病。

本来、病原体などの外敵を排除するためにある免疫が、自分自身の細胞、臓器を攻撃してしまうことがこの病のことである。

 

血糖を上げるホルモンはいくつもあるが、血糖を下げるホルモンは、インスリンだけ、これが高血糖になったり低血糖になったりと上下推移が激しく、血糖コントロールを難しくしているのが、1型糖尿病ということだ。

 

1型糖尿病は年少、幼児期に発症することが多いのだが、私の場合、54歳の高齢で、それも何の前ぶれもなく症状が起きてあっという間、2日でβ細胞が攻撃された、劇症1型糖尿病である。

 

発症してから、これは病気の一種で、毎日毎日、インスリンを投与するしか手立てがない病とずーっと思っていたが、ここ数年思うことは、臓器が破壊されてこの状態が一生続くということは、これすなわち、身障者と同じ位置づけではないのだろうかと思うようになっている。主治医にはこのことを聞いたことがないが、次の受診日には確かめてみようと思う。

 

毎月かかる医療費は、三割負担の時の治療費と薬剤費は月、約1万8千円位だった。今は二割負担なので、治療費は6千2百円くらい、薬剤費は5千円から7千円の間。それでも一年間で約15万円弱、決して少ない金額ではない。

 

この、治療費、薬剤費の負担、私のように罹患してまだ20数年と違い、若年から老年までとなると、これはこれでなかなか大変なことである。

 

そもそも1型糖尿病は障害者認定になるような病だと思うが、どうであろうか。