首 KUBI | 噺新聞

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信長の家臣、荒木村重が反乱を起こし明智光秀と村重が深い関わりがあり、そして信長の跡目を信長自身が家臣にチラつかせ、羽柴秀吉もその座を狙い画策する。

性愛、男色の世界、村重と光秀、信長と蘭丸、このシーン、今年のニュースでもよくとりあげられている性加害問題、映画の製作は今年より以前と思われるが、この問題とシンクロしているように思えてしまう。そして信長と光秀までも暗示するようなストーリー。

 

北野武監督の映画製作スタイルは、現場でセリフをよく変える、監督が言ったセリフを助監督がメモして、そのメモが俳優に渡され、すぐ撮影に入るなどということを聞く。

 

アドリブのシーンも多い。それも、本番1回でオッケー、次のシーンにいく。

漫才は一発勝負、そこつまんないから、もう一度、じゃぁ本番いきましょう、とはならない。2回漫才やるのは変じゃない、ウケるわけがない。結果、だんだんつまらなくなる。

映画を撮る時はライブの癖がついている、同じ芝居を何回もできないと語っていたのを聞いたことがあった。

 

映画タイトル「首」を象徴するようなシーン。刀で首を落とすシーンがリアルに何度も映像化される。

秀吉と光秀の山崎の戦い後、討ち取られた武将の首が秀吉の前に運ばれ、その首を蹴飛ばす秀吉、それを示すことがこの映画が言いたかったことなのか、な、わからん。

2023.11.24付け毎日新聞東京本社版夕刊掲載紙面より

(◉…5点満点、◯は0.5点)

観賞後の勝手な評価は、◉◉◉◉