荻窪、春木屋のラーメン。
ここのラーメンは若い頃、仕事で吉祥寺、三鷹に行くことが多く、そんなこんなでこの店に寄って食べていた。
40年数年前であろうか。
冬樹社1982年10月30日初版発行「ラーメン大好き!!東海林さだお編」25頁〜34頁の春木屋初代に取材をし編集した部分を抜き書きしてみる。
「ラーメンはとは麺とスープだ」ということ。
チャーシューとかメンマは上にのっかっているいろどりで、おいしいに越したことはないが、最終的には麺とスープですね。
春木屋は開店以来製麺から全部自分のところでやっている。
客の舌のレベルの一枚上を行くことを考えて作り続けてきたという初代店主。「昔うまかったのに、最近味が落ちた」という店は落ちたというより進歩を怠っていて、客に追いつけないわけだ。そこが大事ととく。
ラーメンはうち(春木屋)みたいな東京風ラーメンが一番飽きがきません。いかに飽きずに毎日食べてもらうか、どんなにおいしくたって飽きられちゃ商売にならないわけです。
ラーメンてのはラーメン屋やってても毎日食べられる。本当に好きで食べてるんですからねえ。こんな食べ物が他にありますか?
味というのは奥行きが深いどころかキリがない世界ですからね。お花やお茶のお師匠さんも同じようなことおっしゃいますけど、ラーメンだってまったく同じ頂点なんてのはいつまで行ってもみえない。
この本が発行される前に取材を受けていた、その時ラーメン稼業34年間、66歳、息子が全部ひとりでやれるようになっていて、味のバトンタッチをしていますと語っていた。
中野に所用があり、ついでに足を延ばし荻窪へ寄り「春木屋」へ寄ろうと考えた。行く日は火曜日、店のことを調べたら定休日だった、残念。
ただ、吉祥寺にも店を広げているらしく、吉祥寺は水曜日が休み、火曜日はこちらの店で昔懐かしい春木屋のラーメンが楽しめそうだ。
で、さっそく、火曜日、行ってきました。春木屋吉祥寺店(吉祥寺本町2-14-1)。
吉祥寺サンロード側から東急デパートを目指し、東急の横路地、ちょっと入ったところにこの店はあった。
注文したのは中華そば880円。
取材を受けた頃の1980年代一杯400円で、その時の店主が言っていた、他の店より高めですね、常にふつうより少し高い値段でやっているという。
そうですね、40数年前に出てきたラーメンもこんな姿だったかな。
麺はこんな感じ、スープ、40数年前の味加減、まったく忘れている、思い出せません。
でもスープをすすって、うん、うまいな、この味許せるという気持ちは、昔の味の印象を壊すということではないと思う。
丼の底まで、スープいただきました。
残りの感想一言、この中華そば一杯、麺の量は大盛りをいただかないと満足感は達成できないかも。