はる
春がくる
一雨ごとに春に なる
雨は眠った種を 揺り起こす
地面に深く根強くように
水を吸い上げ根を伸ばす
風は木々の芽を 揺らし
力強く伸びるように
空へと引き上げる
寒さで縮んでいた背をのばして
顔をあげたなら
寒さの中にも
春の気配を見つけられるよ
一雨ごとに春に なる
雨は眠った種を 揺り起こす
地面に深く根強くように
水を吸い上げ根を伸ばす
風は木々の芽を 揺らし
力強く伸びるように
空へと引き上げる
寒さで縮んでいた背をのばして
顔をあげたなら
寒さの中にも
春の気配を見つけられるよ
君にアイスを買ってあげるよ 春闘
前年の決算が締まり、我社の売上が1000億を越えた。売上1000億のラインは一流企業と呼ばれる線引きでもあるので、社内の上層部ではお祭りモードになっている。
本社が被災し、物流倉庫内は壊滅状態、海外からの積み荷コンテナ10本流してのスタートだった。
本社に立ち上げた対策本部からの要請で、食料、飲料水、消耗品、従業員送迎のバスを関東にあるこちらから支援した。片付け要員を残して社員を関東へ移し、本来の仕事に加えて本社の仕事をこなす日々だった。
震災から一月して、本社が本来の機能を取り戻すまで先の見えない不安が纏わりついていた。
実際、フタを開けたら震災需要と呼ぶべきものがあり、軽自動車から家電製品、日常で必要とされる様々なものが購入されることになった。
我社が展開している、ホームセンター、ドラッグストアにおける家電製品、チェスト、布団、それこそ湯桶からコップまで、必要とされるお客様の元へと嫁いでいった。
決算が締まったことで、森田さんも肩の荷がおりたのだろう。朝礼で営業所長の話を聞くさまは、少し背を丸めて小さく見えた。
「今日も一日、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
唱和して朝礼が終わると、勢いよく森田さんが振り返り、ぐいっと左腕を掴まれて引きずるように連れて行かれる。
「…どっ…どこに行く気ですか」
「自分の所に帰るに決まっているだろう」
言うなり、営業所のドアを開けて中にほうり込まれる。
「聞いてたか、橋田」
「あぁ、営業成績良かったですね。年末にも滑り込みの特売が打てましたし」
新製品の家電を特売として、受け持ちエリアのお店の入り口付近、または陳列棚のエンドに並べてもらえたので、そこそこの売上をマークしていた。
「…それはそれで上手く回って良かったんだが、この営業所の売上が二位に転落してるだろ」
機嫌の悪さを隠すことなく森田さんが言い放った。
「あの部所はLEDで持ってるって分かってるでしょう。直管タイプの蛍光灯の単価がどれだけ高いか知っているくせに。それが、会社単位 工場単位で上がってきたら、どこも かないやしません」
「俺も売る」
「えぇ?」
「どんどん原子炉が止まっている今、化石燃料の発電になる。まだ電気料金は上がるし、需要はあるだろ」
「だって一度変えたら10年持つって言われているんですよ?まだ変えると思いますか」
「あるよ。俺んちまだ白熱灯だから。きっとまだ需要がある」
パラパラとスケジュールの確認をして、特売の予定と品物をリストアップしていく。
「4年以内に関東地方に地震が起きる確率も70パーセントだろ、防災用品のチラシも取ってくる」
「物流が聞いたら怒りますよ。今どこも防災には力を入れてて品薄なんですから」
ぐっと力を入れた森田さんが、とんとんとシステム手帳を叩く。
「だからチラシなんだろ。普通の特売を打つより確保依頼が効く。春までの勝負だよ。春になったら、ガーデンとペットを推す」
こめかみに手をあてて、新製品の単価をチェックし始める。
「バイヤーと掛け合うから、新製品の見本を送ってもらって」
暦は春を迎えた。一年中、何も変わらないかのような営業も春を迎えれば、また動き出す。
同じようで、また違う一年が始まるんだ。
本社が被災し、物流倉庫内は壊滅状態、海外からの積み荷コンテナ10本流してのスタートだった。
本社に立ち上げた対策本部からの要請で、食料、飲料水、消耗品、従業員送迎のバスを関東にあるこちらから支援した。片付け要員を残して社員を関東へ移し、本来の仕事に加えて本社の仕事をこなす日々だった。
震災から一月して、本社が本来の機能を取り戻すまで先の見えない不安が纏わりついていた。
実際、フタを開けたら震災需要と呼ぶべきものがあり、軽自動車から家電製品、日常で必要とされる様々なものが購入されることになった。
我社が展開している、ホームセンター、ドラッグストアにおける家電製品、チェスト、布団、それこそ湯桶からコップまで、必要とされるお客様の元へと嫁いでいった。
決算が締まったことで、森田さんも肩の荷がおりたのだろう。朝礼で営業所長の話を聞くさまは、少し背を丸めて小さく見えた。
「今日も一日、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
唱和して朝礼が終わると、勢いよく森田さんが振り返り、ぐいっと左腕を掴まれて引きずるように連れて行かれる。
「…どっ…どこに行く気ですか」
「自分の所に帰るに決まっているだろう」
言うなり、営業所のドアを開けて中にほうり込まれる。
「聞いてたか、橋田」
「あぁ、営業成績良かったですね。年末にも滑り込みの特売が打てましたし」
新製品の家電を特売として、受け持ちエリアのお店の入り口付近、または陳列棚のエンドに並べてもらえたので、そこそこの売上をマークしていた。
「…それはそれで上手く回って良かったんだが、この営業所の売上が二位に転落してるだろ」
機嫌の悪さを隠すことなく森田さんが言い放った。
「あの部所はLEDで持ってるって分かってるでしょう。直管タイプの蛍光灯の単価がどれだけ高いか知っているくせに。それが、会社単位 工場単位で上がってきたら、どこも かないやしません」
「俺も売る」
「えぇ?」
「どんどん原子炉が止まっている今、化石燃料の発電になる。まだ電気料金は上がるし、需要はあるだろ」
「だって一度変えたら10年持つって言われているんですよ?まだ変えると思いますか」
「あるよ。俺んちまだ白熱灯だから。きっとまだ需要がある」
パラパラとスケジュールの確認をして、特売の予定と品物をリストアップしていく。
「4年以内に関東地方に地震が起きる確率も70パーセントだろ、防災用品のチラシも取ってくる」
「物流が聞いたら怒りますよ。今どこも防災には力を入れてて品薄なんですから」
ぐっと力を入れた森田さんが、とんとんとシステム手帳を叩く。
「だからチラシなんだろ。普通の特売を打つより確保依頼が効く。春までの勝負だよ。春になったら、ガーデンとペットを推す」
こめかみに手をあてて、新製品の単価をチェックし始める。
「バイヤーと掛け合うから、新製品の見本を送ってもらって」
暦は春を迎えた。一年中、何も変わらないかのような営業も春を迎えれば、また動き出す。
同じようで、また違う一年が始まるんだ。
