自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
私はしいちゃんのおかあさんで、57才のシングルマザーです。
今日、私は久しぶりに友だちと会いました。
友だちは私より1つ年下です。同じ仕事をしています。
彼女は、
「私は、今の職場ですごく寂しい思いをしているんだよ」
「何気ない話をする相手がいないんだよ」
と言いました。
「うん、私もそうだよ」
「話し相手も特にいないけど、世間話をする時間ないよね?」
と私が言うと、彼女も、
「そうそう!昔はもっとゆとりがあったよね?」
私は「うん、働き方改革を逆行するように、仕事が増えてるよね」
と言いました。
ここ数年、どうでもいいような仕事が増えて、
本来の業務ができないことがみんな悩み。
特に若い人がリーダーになると、仕事が増える。
若い人って忙しいことを美徳としている人が多い。
ゆとりがあった頃を知らないからかもしれないけど、
無駄が多いんだよな。
世間では20代、30代が多忙で病んでしまうというけど、
私は今まで若手で病んだ人と会ったことがありません。
40代、50代が病んでいます。
若い時は無理しても働けるけど、年とったら、若い時の働き方は無理。
「ねえ、定年まであと10年でしょ?」
「今みたいな働き方できる?」と私がたずねると、
「えっ!65までなんてこの仕事しないよ!」
「長くて60才までだよ!」と彼女は言いました。
「そっかあ~、私も65まで今の働き方は無理だな」
「私はやりたいこともあるから、とりあえず60才かな?」
と言いました。
私には夢があって、公文の書写の先生になりたいことや、福祉のボランティアをしたいことを彼女に話しました。
「それ、いいじゃん!しずくまさんに向いてるよ!」と彼女は言ってくれました。
今年56才を向かえる彼女は、この夏に退職後についての説明会があります。
「退職金の話もあるんでしょ?」と言う彼女に、
「65才まで働くのと、60才まで働くのとで、退職金が30万違う」ということを話すと、
「えっ!それだけしか違わないの!」
と驚く彼女。
「まあ、月々お給料が入るから65まで働く方がお金は入るけどね」
と私は言いました。
60才に近づいて、終わりが見えてきたのに、なかなか手が届かないこの感覚。
私だけじゃなくて、健康な人でも不安があるんだなと思いました。
働くって身体が資本だけど、身体を壊してまでも働くのは違うなと思います。
「私たちっていつか、楽になるのかな?」という彼女に、
「いつかなるよ」と私は言いました。
過ぎてみると10年ってあっという間だけど、未来の10年はとても長く感じます。
いろいろあると思うけれど、
自分の身体と心を大切にしながら、
仕事をしていけたらいいなと思います。
「こうして発散すれば、大丈夫な気がするね」
と彼女が言ったように、つらいときに一人にならずに、
こうして話をして悩みを共有するのがいいなと思います。
意外と悩んでいるのは自分だけじゃないと、気づくことがあると思います。
来月は夏休みがとれます。
とりあえずそれまで頑張ろう!