自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
しいちゃんは、毎日施設に通っています。
朝7時45分くらいから、私の仕事が終わる夕方まで施設で過ごしています。
私が仕事を終えて、夕方迎えに行くと、しいちゃんは職員さんと一緒に元気よく、施設から出てきます。
私は「お世話になりました、ありがとうございました」と挨拶をします。
職員さんは、「今日も落ち着いていましたよ」とか簡単にしいちゃんの様子をお話してくれて、
しいちゃんを車に乗せてくれます。
しいちゃんは、「さようなら、バイバイ!」と言って、車のドアを閉めます。
私は「明日もよろしくお願いします、失礼します」とお辞儀をしてから、車に乗ります。
いつもこんな感じで施設を出て、家に向かうのですが、
最近のしいちゃんは少し違うのです。
しいちゃんは、施設の中に入っていく職員さんに向かって、もう一度「バイバイ、バイバイ」と繰り返して手を振っているのです。
職員さんが振り返ってもう一度「バイバイ」をしてくれるのを待っているのです。
しいちゃんの施設には、夕方3人くらい女性の職員さんがいます。
そのうちの一番若い、しいちゃんと同じくらいの年齢の職員さんが、
いつも大きい笑顔と、大きなバイバイをしてくれて、
しいちゃんが「バイバイ」と返事をすると、
「かわいいなあ、バイバイ!」と元気にバイバイをしてくれます。
この職員さんは比較的最近入ってきた職員さんなんだけど、若いせいか、リアクションが大きくて、元気があります。
この職員さんの大きなバイバイが、しいちゃんに良い刺激になったようで、
しいちゃんは、自分からいろんな職員さんやお友達に「バイバイ」を言うようになりました。
私の車が動いて、施設が見えなくなるまで「バイバイ」をして手を振っています。
私はしいちゃんが自分から「バイバイ」を積極的にするようになって、とてもうれしいです。
今は「バイバイ」だけだけど、短い言葉でもいいから、自分から人に話しかけられるようになるといいなと思います。
しいちゃんは本当はいろんな言葉を知っているから、
いつかそんな日が来るといいなと思います。
きっといつか来るかなと思います。