自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
ひな祭りが翌日に迫った2日。
私はしいちゃんにケーキを買ってあげたくて、
「しいちゃん、明日はひな祭りだからケーキを買いにいくよ」
「日曜日だから、絶対混むと思うんだよ。だから明日は早起きしてね」
としいちゃんに言いました。しいちゃんは、
「わかった!くんしゅ(おりこうになりますのこと)」
と言いました。
私は6時に起きて支度をして、しいちゃんもご飯をたべて、これで大丈夫だと思ったら、
しいちゃんは歯みがきをしたあと、ベッドで寝てしまいました。
「しいちゃん、ケーキ買いに行くよ、クリスマスの時だって、行列でなかなか入れなかったじゃん」
と言いました。でもしいちゃんは、
「寝んねするの」とぬくぬくしていました。
やれやれ、また車の渋滞の中で並ぶんだ‥‥
とクリスマスの日のことを思い出していました。
諦めてテレビを観ていたら、
突然しいちゃんが起きてきて、
「ケーキ屋さんいくの!」
と2分で支度を終えて、ケーキ屋さんに行くことができました。
ケーキ屋さんに着きました。
(あれ?)
私の予想を反して、誰もいませんでした。
一番乗りでした。警備員さんは来ていて、支度をしていました。
「しいちゃん、早すぎちゃったみたい、急かしてごめんね」
と言うとしいちゃんは、
しいちゃんは、「いいよ!」と言ってくれました。
しいちゃんは心が広いのです。
開店してお店に入り、しいちゃんは大好きなショートケーキを選びました。
二人でひな祭りのお祝いをしました。
ひな祭りの歌を一緒に歌いました。
「しいちゃん、ひな祭りおめでとう」
「可愛く産まれてくれて、ありがとう」
と言うと、しいちゃんは私を見ながら、
ちょこんと頭を下げました。
しいちゃんは重い障害をもって産まれてきたけど、
天真爛漫で、笑顔がかわいい女の子に育ちました。
そして重い障害もはねのけてしまうほど、たくましく育ちました。
これからもしいちゃんの幸せが続いていくことを願っています。