50代と20代、できないことの違い。 | 明るい自閉症しいちゃんと私のときめき生活

明るい自閉症しいちゃんと私のときめき生活

重度の自閉症しいちゃんだけど、とても明るい女の子です。
私もしいちゃんにたくさんパワーもらってます。
子育てにちょっと疲れてしまった方にぜひ読んでいただきたいです。

しいちゃんは30才の女の子です。




自閉症で知的障害があります。



明るくて笑顔がかわいい女の子です。




私はしいちゃんのおかあさんで56才のシングルマザーです。



私はしいちゃんと2人の生活を守るために、フルタイムで働いています。



体調が良ければ、意外と仕事は嫌いではありません。


でも苦手な仕事があります。



パソコンを使う仕事です。



簡単な入力はもちろんできるんだけど、



1から何もかもやるのが苦手なのです。



先日私の職場のパソコンが総入れかえになりました。



私の職場の人はみんな、座って仕事をするときのパソコンと、持ち歩きができる小さいパソコンを持っています。



その座って仕事をするときのパソコンが入れ替えになったのです。



「新しいパソコンが入りました。説明会をしますので、3時10分に集まってください」



と業務連絡がありました。



私は仕事の途中だったけど、急いで説明会に行きました。



みんなが席につき、ログインの仕方を説明してもらいました。



ユーザーIDとパスワードが示され、



それをそのまま打ち込むだけ。



難なくクリアしました。



次の手順を示されるのを待っていました。



でも後ろの席の方ではガヤガヤしていて、



説明をしてくれる人や、職場の若い男の人が、



「わかりません!」と騒いでいる人に入力の仕方を教えていました。



私の職場は50代後半の人が一番多くて、



若い人は少し。高齢化の波がもう押し寄せています。


全員がIDとパスワードを入力するのに10分もかかりました。



(これじゃあ、次の会議できるのかな?)



3時30分から会議があったのです。



「では次に個人番号を入力してください」と説明してくれる人が言うと、



「え?個人番号ってなんだっけ?」という声がちらほら。


(これは自分で覚えておかないとダメなんだよなあ)


全然進みません。



私はモニターに映されている通りに、いろいろ打ち込んで、何とかみんなについていけました。



みんなが終わったら、3時50分になっていました。



「何かわからないことある人いますか?」



と説明者が言うと、私より1つ下の女性が、



「すみません、このパソコンにも一太郎は入りますか?」


と質問しました。



(え~!?一太郎って懐かし過ぎる!まだ一太郎ってあるの?)



と久々に聞いた「一太郎」という言葉に驚きました。



私も昔は一太郎を使っていて、Wordの使い勝手の悪さにイライラしながらも、



時代の波に乗らざるをえなくなり、



数年前にWordにして、一応罫線が引けるようになりました。一応、簡単な文書は作れます。



「一太郎も入れられますよ」と言われ、



「ありがとうございます!」と喜ぶ同世代の女性。



(良かったね~)と心の中で思いました。



会議は延期になりました。



私はパソコンが得意ではなく、特に持ち歩きができるパソコンの使い方がなかなか覚えられず、



一時期は本当に悩みました。



(もう時代についていけない、仕事が続けられない)


と落ち込んだこともありました。



でも困っているのは自分だけではないと気付き、



少しずつ勉強していて、スライドが何とか作れるようになりました。



今年もできることを増やしていきたいと思います。



パソコンの使い方を聞くのは、若い人たちなんだけど、



パソコンが得意な若い人も、



文書や報告書の内容は、やっぱりベテランにはかなわない。



今は年度末だから、若手の書いたものを見る機会があるんだけど、



内容が薄っぺらで、驚きます。



(これでいいの?たったこれだけ?半年間、普段なにをしていたの?)



とびっくりします。内容を充実させるには日頃の記録が大切で、私が若い頃は当たり前に記録をしていたものだけど、



今の若い人は、違うのかなと思ってしまいます。



パソコン以前の問題だなと思います。



昔はこんな報告書を出したら、間違いなく注意されてたけど、



今は注意すると「パワハラ」になっちゃうからか、



上司も誤字脱字くらいしかチェックしない。



できないことを自覚している50代と、



できないことを自覚できない20代。



50代頑張ってるよなと思います。



同じ昭和に育ち、平成を生きてきた50代。



できないことはできないと勇気を出して言って、



若手には持っていないスキルには誇りをもって、職場で生きていきたいです。