自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
しいちゃんはスーパーでゼリーを買うのがお気に入り。
それとたまにおにぎりを買うのもお気に入りなのです。
おにぎりは帰りの車の中で食べることもあります。
しいちゃんはおにぎりのゴミを一度足元に置きます。
そしておにぎりを食べて、
家に着いたときに、
おにぎりのゴミを拾って、買い物をした荷物も持って、
家に入るのです。
そしてゴミはごみ箱にちゃんと捨てます。
先日のこと。
しいちゃんはごみ箱の前で、
「ゴミない!」と大きな声で言いました。
私はゴミを持っているしいちゃんに、
「しいちゃん、持ってるじゃん」と言いました。
しいちゃんは、
「ゴミない!ゴミない!」と繰り返しました。
そして私に詰め寄ってきました。
「くるま!」としいちゃんは言いました。
しいちゃんは、私に車に戻るように言いました。
私は渋々車に戻りました。
すると助手席の足元に、ゴミが落ちていました。
細長いゴミには、
「ツナマヨ」の一部分「ナマ」と書いてありました。
私はこんな小さいゴミがないことに気づいたしいちゃんに、
普通の人にはない感覚を持っていることを
改めて感じました。
こういう感覚を持っていることは、
几帳面とか、キレイ好きとか、良い面もあるかもしれないけど、
重い知的障害をもつしいちゃんには、
その感覚を活かしきれず、
苦しい思いをすることもあるんじゃないかなと思います。
でも日々を明るく元気に過ごしているしいちゃんは、
やっぱりえらいなと思いました。
「しいちゃん、これ?」とゴミを見せました。
「これ!」とゴミを受けとるしいちゃん。
今まで持っていたゴミと一緒にゴミ箱に捨てるしいちゃん。
「しいちゃん、えらいね」
とほめると、しいちゃんは。
「はあい、くんしゅ(おりこうになりますのこと)」
と言いました。
生きづらいこの世の中を、しっかり生きているしいちゃんは、
くんしゅ(おりこうになりますのこと)じゃなくて、
もう十分におりこうだと思いました。