朝6時

けたたましくなるチャイムで起床!

歯を磨く人、トイレを列ぶ人、朝飯や洗濯する人
まだ寝てる人もいる

めいめいに動き出す朝から賑やかな館内



俺はコンビニに行き、朝食昼食を買い、自分なりの支度を済ませ朝礼に向かう




やっと見付けた顔見知り


『隊長!戻ってきました!』


この顔見て、やっぱり今日も陸前高田に入る事にした




車中から見る奇跡の松にまた来れた事を実感する



今日は曇り空
この先数日、天気は下りのようだ




バスを降りてゴム足袋を履く

惚けた格好の前回とは違い、今回からは普段と変わらぬ鳶姿




隊長が上長部経験を集う


『居た居たここに!』


と、言う事で本日班長になりました!



団体で参加する列に続き
三人の班長の後に、三列に列んでもらう


うちの班の内訳は
年配者あり、大学生あり、女性ありの混合チーム




辺りを見渡すと、前回にくらべ大きな瓦礫もなくなり集めた山も片付いてる


今日は手で拾い集めるような小さな瓦礫拾い


重機で土を返して、機械で拾えない小さな瓦礫をボランティアが人の手で拾う


これを何度か繰り返して、畑やグランドに戻していくらしい!



班ミーティングして作業開始!


班長が優先してやらなきゃいけない仕事は
班員の体調と安全の管理


共に作業しながらもみんなを見渡す。




てんでんばらばら!!



班に与えられた一輪車は一台
せめてもの手みは、割れてる物ばかり↓


手に収まるだけの瓦礫を拾ってはそのまま運ぶ


なんとも効率が悪い↓


更には目の前だけに夢中になり過ぎて、遥か遠くまで行ってしまった人




俺は誰も手にしない熊手を取り試してみる!


端から一直線に瓦礫を集め、間隔を置きまた線状に集めた



全体休憩にみんなに相談


『今俺が線状に掻き集めた瓦礫にみんな一列に並んで近くに置いた一輪車に積んで運ぶってのはどうかな?』


『ローラー作戦ですね!』と声が出た


『その方が効率よさそうですね!』


みんなが乗ってくれた


建築屋か土木屋か、この格好のせいか説得力があるようだ!




俺は先行して瓦礫を集めるそれをみんなが拾い集める


これなら見落とす事もないし、みんなの動きが纏まる



ペースを上げた作業は昼までに与えられた場所を終らせた!




『そのズボンを見ると、こういったお仕事の方ですか?』


『まぁ(苦笑)』



こういったか、ああいったか間違いではないかな




午後は次のエリアに


流れに乗った作業は更にペースわ上げる!




うちの班の担当の少隊長が様子を見に来た



『わぁ!このやり方いいですねぇ↑これからはこの工法を推進します!』


まだ20代、若い少隊長が喜んでくれた



結局、うちの班だけ三つのエリアをやり遂げた



作業終了、解散を前に最後の班ミーティング



大小問わず怪我をしてないか?
体調を崩してないか?

今日の作業が無事に終った事
慣れない作業にゆっくり休んで下さいと告げた


25年も続けてきた仕事
16年勤めた消防団


気づけばこんな事を自然に話せるようになっていた




陸前高田だけでも毎日100人以上のボランティアが入る


この震災で初めてボランティアを経験する人も多い


安全な作業と効率の良い作業




もしかしたら

自分が得てきた経験をみんなに伝える事が、俺が本当にやるべき事のような気がした…








近づいた海岸線
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この日、被災地を数ヵ所まわった最後にボランティアの応援にと駆け付けてくれた さだまさしサン
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8月二週目


自分の仕事は落ち着いたけど、仲間の仕事の助っ人にお盆は仕事になった


替わりに世間の夏休み明けに時間が作れた!



あれから二週間


今だ!


迷わず着替えをバッグに詰めた




翌朝、目覚めると乾いたばかりの作業着をバッグに足して、早朝に家を出た


唯一の心配は
去年、ノリで買ってしまった5万円の車
コイツ、小さいながらもしっかり走る!


8月の半ば北に走る道のりは、全開のサンルーフの下
快適な時間をくれた



遠野まで570㌔

安達太良で1STOP


暫しの休息


残りは半分




高速を降りて山間を走る


天気の良いこの日、なんだかすっかり夏休み気分↑




本当はこの日からの活動のつもりだったけど
8月に新盆を迎える被災地では、お盆期間中の活動を中止して喪にふくしていた。


ボランティアにとっても初めての連休


俺にしても、夜発のつもりでいた出発を昼間に変えて、長距離自走と心の準備に備える事が出来た




ボランティアセンターに到着して登録を終えて館内を確認!

遅い昼飯にと街の探索に出た



思った以上に店も揃っていて慌てた装備に不安ないけど


顔見知りもいない、勝手の解らないセンターではさすがに心細いかな↓




22時の消灯


体育館の固い床に寝袋



明日からの活動

経験のない距離の運転と、沈黙で過ごす知らない土地のせいか


すぐに眠りにつけた…









………

















三日目


初日、二日目とそれぞれに人数調整に出た兄妹は
最終日のこの日、初めて一緒の活動になった


心細いからって誘われ付き合ったボランティアだったけど、兄は初日からほったらかし

二人共、元は引っ込み思案な兄妹だけど、親父の血か祖父さんの血か
やっぱりとんびの娘かな!

いざとなったら上手くやってる…てゆ-か
女同士で俺よりみんなと親しくなってるし!!



今日の一般ボランティアも上長部


今日は俺が班長


現地に着くと早々に隊長から声がかかる


『慣れた所で昨日の続き頼んでいっかな!』


向日葵は、塩分を吸うと言われてるけど、津波を浴びた土地でどれだけのものか実証はないと聞いた
それに素人の植え替えがどれだけ根付くか

でも今向日葵は、陸前高田の津波の跡あちらこちらと植えられてる
太陽に向かってまっすぐに咲く向日葵はいまや復興のシンボル


やるしかないなら思いっきりやってみるか!



向日葵隊はうちらの他に神奈川のボランティア団体の二班


向日葵隊が集められ、隊長が作業説明をするが…


『今日の作業内容は向日葵のベテラン、ROADさんから説明がありますから宜しく!』


それって俺???

仕方なく全員にミーティング
いつも大きな声で話す隊長を見習って声を張ってみた!

作業内容、作業要領を説明し二つのエリアに別れて作業開始!



ほとんど育ってないエリアは昨日と違いスコップが固い!


カチッ!

スコップの先が音をたてる!


育たなかった向日葵の下にはまだ多くの瓦礫が埋まっていた


これじゃ育たないわけだよ↓


俺は大物の掘り出し専門にみんなの間に入った!




昼も近くなり更に陽射しが照り付ける


先に抜いた向日葵が萎れていく


まずい!


このままでは今抜いた向日葵までダメにしてしまう


しかたなくビニールやプラスチック、地表近くの物だけ取り除き、それ以外はそのままに手をつけなくていいとみんなに指示を出した!


撤去作業はほどほどに、植え替えを進めた!



今日はホントに暑い!


朝から合羽は着てなかったが、長袖を脱ぎTシャツになった!

地元の人みたいと笑われた頭の手ぬぐいを巻き直し、午後に気合いを入れた!



暑さ対策に小休憩を多くとってるが、みんな慣れてきたのかペースが上がる!



午後の全体休憩に隊長が来た


『さすがベテラン!このペースなら時間ピッタシに終るね!』


ニタニタとした隊長にすっかり乗せられてる!!



時間も植え替えも残りわずか!


順調な作業に、俺は一人離れて先に終った畑で雑草取りを始めた。



近くに聞こえる声に振り返る


同じ班の女子大生二人


『来たかムスメ!』


『ちゃんと育ってくれますかねぇ??』


『二人がガンバレって声をかければしっかり育つよ!』

『ニョッキッ!ニョッキッ!ってトトロみたいに?』


『そうそう!』(笑)



若い子とくだらない冗談のようで本気で想う!


絶対大きく咲いてくれ!!!




作業終了!


一番遠い向日葵畑から集合場所に戻る


すっかり仲良くなったみんなとやり遂げた笑顔


トトロを唄いながら前を歩く二人



辛いサンマ隊には遅れたけど、向日葵隊に参加出来た事

多くの知り合いが出来た事

東京で燻ってた気持ちが消えていた




今夜22時発、ROADのみんなといるのもあと僅か


寮に戻ると、若い子達は写真を撮りあったりアドレス交換したり


俺はと言えば、熟練お姉さんと、隣に列んだ寝袋で仲良くなった窓拭き君、食堂のオヤジと最後の酒盛り!


『私は再来週また参加します!』と姉さん


『俺は月末にまた!』と窓拭き君



俺に決めた予定はないけど

必ずここに戻ってくると決めた…





………