今日もいつもの路線バス



今日もいつもの一番前に



そして見覚えのある運転手さん




このバス会社では10日サイクルぐらいでボランティアバスの運転が回ってくるらしく


今日の運転手さんはまだ高田町の現場に行った事がないと、俺が道案内になる事に!




外ではバスの配車にバタバタしている



いつもの光景



後ろの座席が埋まって、まだ俺の周りに5、6人分の席が空く


あたふたと乗車を急ぐ隊長達


外のやり取りに気づいて、このバスの空きを伝える



乗って来たのは女子高生


関西から学校単位で来たそうです


前のバスがいっぱいになりあぶれてしまったみたい


みんなと離れておとなしく乗って来たのもつかの間



5、6人ではあるが、なんとも賑やか!!!



親子ほど違う彼女達に囲まれた俺は、すっかり畏縮してバスの一部になる↓



そんな俺に気づき笑う運転手さん




出発をするとさらに彼女達のボリュームが上がった↑



そして


『あのすいません!…』


隣に座った眼鏡の女子高生から、ゴーグルを忘れてしまったと質問



今日の作業には無くても大丈夫だよと答えた




そこから質問攻めが始まった!



初めてのボランティア


盛り上がる彼女達に疑問が出るたびに質問される


丸聞こえの話に質問の予測をする


すると、隣の眼鏡の彼女が振り返り質問する




先生とも離れたせいか、会話は普段通りの女子高生トークに

ボリュームはさらにエスカレート



それにつられたか、その後ろに座る海外からのグループもボリュームを上げると、女子高生達が話しかけた



どうやら彼女達の学校は語学の得意な高校だとかで、気づけば車内は英語だけがが飛び交う異国のバスに!!



楽しげな会話だが完全について行けない俺↓


信号待ち、眉を下げ俺を覗く運転手さんと目が合う(苦笑)




いつもなら見知らぬ同士に静かなバスだが



たまにはこんな元気で賑やかなのも






『陸橋の手前曲がるんだっけ?』

と、運転手さん



『最近そうなんですが、どうせなら真っすぐ行ってホテルの方から入りませんか?そしたら松も見れるし!』


俺の勝手な提案だけど、真っすぐ行っても時間は変わらない


ならばいつだって松を見たい!


運転手さんは快く了解してくれた





本日は、若い男の子が隊長デビューした!


と言っても、総隊長にハメられた感じで




その彼がうちの班の担当



作業場所は昨日の場所を農道を挟んだ反対側

だったが、新隊長の指示もなく更に奥まで先頭が進む


慌てた新隊長が先頭を止めるが、今度は後ろもついて来てしまった!



結局かなり奥で全員が集まった



そこで新隊長は現場説明のようなミーティングを始めた



なぜに?




団体さんは苛立ちをみせる


今日は朝から出発も遅れて更にこの移動


早くやろうよ!とそんな雰囲気



慣れたボランティアさん達にはこの時間がもったいないのも当然!




つい俺も新隊長を畳み込むように急かし作業を始めた





今日の班員は、性別、年齢すべてバラバラです


昨日の男組にはあえてペースを煽ったが、今日は仲良く和やかに↑


得意のローラー作戦で作業開始!



昨日の雨もあって水溜まりが多い



エリア分けも、農道に沿って一直線に並んだ昨日と違い、奥にもひと班入る全体に広いエリア



隣接する四班の班長で、その真ん中を瓦礫置場にした



農道から始めた隣の班


大きな水溜まりのある奥の班


うちは奥から農道に向かう作業手順!



この方が範囲も解りやすいし、農道までとはっきりとした目標が出来る!




奥の水溜まり周辺をササッと終らせ、瓦礫の少ない真ん中に作業を進める



すると、最初に俺がザックリと分別した瓦礫置場がなにやら騒がしい




分別が足りないと主張する隣りの団体さんの班長


そこへ若い新隊長


『箱崎ではこうじゃなかった!』と

断固と曲げない班長さんにたじたじの新隊長↓



さらに、その方がいいかもと他の班の人も交じっての大論争



正直、分別は細かくしたほうがいい


でも回収するのは業者さん

毎日違うボランティアの曖昧な分別は果たして成果があるのか?


分別に時間をかけるより、短いボランティアの一日に作業範囲を延ばした方がいいのか?



正しい答えはないと思う!

粗っぽい人、細かい人
寄せ集めのボランティアは、その日の成果に少しの達成感があればいい


そんな気持ちを人に伝えてまた来たくなる!


臨機応変でいんじゃない↑

第一、今日初めてのボランティアに細分別に熱くなる熟練ボランティアの話はどうでもいいよ↓



俺は討論会をあとにして、ドンドン先に進むうちの班に戻った





お昼前に最後の小休憩


少し上がった農道のヘリに瓦礫がある



『私どうしてもココ片付けたい!』


ちょっと年上のお姉さんが言う



分別はされてないが回収しやすい場所


ムリに手を加える必要はないと思うけど



『よしっ!では最後にココをやっつけてお昼にしますか!』

と、残り時間の作業再開!



片付け始めると下からコンクリートやブロック塀の塊



昼前に終るかなぁ~??



俺も本気を出して参戦!



スコップ片手に重量物掘り出し係!




目標のある作業にみんなも本気




昼まであと数分


でもなんとか片付きそう↑



目の前を終らせスコップを置く人


最後の細かな瓦礫を集める人



しかし、ちょっとお姉さんだけが格闘中!



『どうしてもこれを!!』



田んぼのヘリに減り込んだかなり大きなコンクリート



『違う!反対側も掘って!』


『もうちょっと右も!』


『はい!そこにスコップ刺す~!』



『取れたぁ~!』



最後に一人で掘り出したコンクリートに大喜びするお姉さん!




そして総隊長の号令でお昼になった





バスに戻る途中、前を歩くお姉さんが振り返る



『やっぱし綺麗だわ~!』


確かに、農道のヘリの瓦礫は遠くからも目立つ



側溝清掃した道路から、その向こうの被害を免れた家からも



実際の作業の進みも大事だが、この地区の人達の目に片付く姿を見てもらうのも!




女性と言う事もあるが、同じ岩手の内陸から来たお姉さん



俺とはまた違う視点なんだと思った…







………
東京に戻れば祭仕事の続き



赤坂の助っ人は2回目だけど、今年は支度初日からフル参加


片付けまでの二週間





週末の祭礼に向けて、各町会の神酒所作りが始まった


自粛ムードだったせいか、なんとなく町は浮足立った感じ




そう言えば遠野の祭も今週末


なんでも準備から一週間、当日に片付けまで、
なんだかんだと理由を付けて呑みっぱなしらしい




敬老の日


元の9月15日は全国的に祭が多い



遠野ではボランティアにも声がかけられてるみたいで、被る日にちに俺は参加出来ないが

東京の祭を終えたら、遠野に戻る計画にした





復興支援チームの方も、来月に遠野に入る事が決まり
ミーティングが開かれた


俺は先行して入ってる陸前高田の現状や、遠野のボランティアセンターでの滞在要領をみんなに説明した




途中渋谷と赤坂と二つの祭を終えた



被災地でも東京でも


今年忘れかけてた、町の笑顔を久しいに見れた





片付けの最終日


大型台風にみまわれ、予定は一日ずれたが


なんとか遠野に戻ってきた





一日遅れで通過した台風は、川の水位を上げ濁流が流れている



沈下した海沿いの土地も曳かない水を増やしていた




最近見た、経過を追った津波到達、翌日の写真



震災直後、曳きはじめた津波を想像してしまう…





あれから二週間が過ぎ、高田町の側溝も片付いたようで、今日は田んぼの瓦礫拾いに入る




今日の作業箇所までは、バスの駐車場所から海に向かいしばらく歩く




途中に枝を落とされた木が積み上げられてる



一本を残し全てが流れた
松原の松


この一帯に流れ込んだらしい



集められた松は、ここで復興と再利用にと薪にされてる


大文字焼きに断られた報道のあった松




その先の残された宅配便のトラックから向こうが今日の作業場所




今日も班長


うちの班は全体の奥で一番海側


例によって俺は熊手を片手に小さな瓦礫を掻き集めた


台風一過


お彼岸だと言うのに、今日も暑い





男ばかりの今日の作業はペースがいい


まずは近隣に住まわれてる方からの見た目を重視して、掘り出してまでの事をせずに見える瓦礫だけの撤去でよいと作業性も良かった



一番端に構えたうちの班は、担当エリアを終らせる度さらに海側へ向かい作業を進めた





午後の作業


山側を見ると足速な雲


その奥には真っ黒い雲が流れてる




海に進めた作業も、水溜まりの多い場所にたどり着き残る時間は目印になった宅配便のトラックの脇に戻る事になった



移動の途中、総隊長と女性の隊長がみんなが農道に引き込んだ泥を竹箒で掃除していた


班の最後尾を歩く、捩りっ鉢巻きの俺



向かう先の山をさっきより黒い雨雲が包み込んでいる



『もうすぐ雨が降るぞ~!(笑)』


隊長達は俺に前の総隊長が乗り移ってると大笑い↓↓




そして現場に着くと直ぐにポツリと雨が…


陸前高田の天気は早いと、前の総隊長がよく言っていた



来るぞっ!


そう思って作業を始めたばかりの班員に、撤収の合図とともにバスに戻れるようにと道具をまとめてもらう!



降り始めから大粒の雨は一気に降りをました




『作業終了~全員撤収~!』



待ってましたと、隊長の号令を合図にうちの班はバスへと向かう




振り返ると他の班はまだ道具を集めてる



朝とは逆、一番手前に移ったうちの班はどの班よりもバスが近かった


それでも松の前を過ぎる時には土砂降りの雨でズブ濡れになった



機転を利かせた運転手さんが、少ないながらもタオルを片手に傘をさし、早くバスに乗るようにと待っていてくれた



他の班も順に戻ってきた



一先ずと思って、脇の一カ所に道具を置いてもらって各自バスに乗ってもらう



少し勝手な判断だったが、この天気ではしょんがないでしょ




戻ってきた総隊長にその旨を伝えた


今日は終礼は無し


バスに乗り込み次第に出発する事になった




『だから笑ってる場合ぢゃなくてさっきが戻るタイミングだったんだって~(笑)』


総隊長を茶化す




一瞬小雨になったり、雲の隙間から青空が見えたり

見上げた山には陽が射してる!



ホントにここの天気は早い





帰りのバスは窓を曇らせ、湿った服がかなり寒かった





戻った遠野も雨



バスを降りると、ちょうどバイト帰りの元総隊長が来た



そして総隊長に一言



『いや~降ってきたねぇ~
お前まさか誰も濡らしてないよな!
ボランティアさんには絶対一滴も濡らしちゃなんねぇ!!』




この人の隊長としてのこだわり



こんな人だから、みんなが後についてくるんだろう






ガンバレ総隊長!






………
高田町の海岸通りから続く緩やかな坂道





振り返ると、残暑の陽射しにきらきらと光る海が見える




以前は7万本あった松が海を覆い隠していた



高田松原が流された今


見えるはずの無い海が見えるようになったと聞いた




皮肉なほどに穏やかで綺麗な海





津波の到達地点から始めたドブさらい


区長さんから依頼された田んぼの前の側溝は、目測でも1㌔からある


海砂ばかりで作業性は良いがコンクリート製の側溝の蓋の開け閉めが一般ボランティアには大変な作業



中にはスコップすら始めて使う人もいる



完了するまでは時間を要する



俺が出来る事として、楽な手順や安全な方法を見せてきたつもりだけど


本当は班長なんかでなく、最前線で本気で動けたらと思っていた




今回ここに来る少し前

福島に炊き出しに入っていた鳶仲間の一人から連絡があった



『いつもの仲間で復興支援チーム結成予定です!』と



始まりは7月


この仲間達で恒例の暑気払いでの事


現場や祭仕事がきっかけだが、しがらみや枠を越えて付き合える仲間と年に一度のお遊びの会



その仲間には、3月11日あの日同じ現場に入ってた以来の者や、相次ぐ祭の中止で一年ぶりに顔を合わす者もいた



今年は福島の酒と募金箱が回った


その説明に、この会の幹事を中心に何人かで福島に炊き出しをしてる事を知った



『そう言えば新潟の時は被災地に行ってたんですよね!』



そう振られて俺は


『今回は東京の混乱に燃料の件、今も現場に振り回されて…まだ行けてないんだよね…』と返した




いまだ動いてない自分を必死に言い訳してる気分だった…





あれから一ヶ月



チーム結成の連絡に



『その後俺は、何度か陸前高田に入ってます…』と返した


そして岩手や陸前高田の現状を伝えた



こいつは中でも熱い奴



昨日、ドブさらいの報告をすると


来月あたり是非一緒に!との返事




もしここに、そんな仲間と入れたら、どんな事が出来るんだろう?



例えば今日の作業に、みんなで活動出来たらどれだけ進められるか?




昨日に続く今日の作業

そんな思いをはめ込んでみる



きつい現場仕事や町の人と取り組む祭仕事


そこで一緒に

同じ気持ちで動ける仲間達



出遅れるましたが、まだまだ出来る!



そんな気持ちでいっぱいだった





作業の終り


終了を告げる総隊長




俺はうちの班員を先に戻すと


今日の作業した範囲と、残る場所について二人で話した




蓋を戻した側溝は、今日した作業を何事もなく隠してしまう




班長の印、班番号が書かれたガムテープを麦藁帽子から剥がし、側溝脇の縁石に貼る



『明日の目印にしてよ!(笑)




『はい!気をつけて帰って下さい


また、

待ってますから!』





………
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