高田町の海岸通りから続く緩やかな坂道





振り返ると、残暑の陽射しにきらきらと光る海が見える




以前は7万本あった松が海を覆い隠していた



高田松原が流された今


見えるはずの無い海が見えるようになったと聞いた




皮肉なほどに穏やかで綺麗な海





津波の到達地点から始めたドブさらい


区長さんから依頼された田んぼの前の側溝は、目測でも1㌔からある


海砂ばかりで作業性は良いがコンクリート製の側溝の蓋の開け閉めが一般ボランティアには大変な作業



中にはスコップすら始めて使う人もいる



完了するまでは時間を要する



俺が出来る事として、楽な手順や安全な方法を見せてきたつもりだけど


本当は班長なんかでなく、最前線で本気で動けたらと思っていた




今回ここに来る少し前

福島に炊き出しに入っていた鳶仲間の一人から連絡があった



『いつもの仲間で復興支援チーム結成予定です!』と



始まりは7月


この仲間達で恒例の暑気払いでの事


現場や祭仕事がきっかけだが、しがらみや枠を越えて付き合える仲間と年に一度のお遊びの会



その仲間には、3月11日あの日同じ現場に入ってた以来の者や、相次ぐ祭の中止で一年ぶりに顔を合わす者もいた



今年は福島の酒と募金箱が回った


その説明に、この会の幹事を中心に何人かで福島に炊き出しをしてる事を知った



『そう言えば新潟の時は被災地に行ってたんですよね!』



そう振られて俺は


『今回は東京の混乱に燃料の件、今も現場に振り回されて…まだ行けてないんだよね…』と返した




いまだ動いてない自分を必死に言い訳してる気分だった…





あれから一ヶ月



チーム結成の連絡に



『その後俺は、何度か陸前高田に入ってます…』と返した


そして岩手や陸前高田の現状を伝えた



こいつは中でも熱い奴



昨日、ドブさらいの報告をすると


来月あたり是非一緒に!との返事




もしここに、そんな仲間と入れたら、どんな事が出来るんだろう?



例えば今日の作業に、みんなで活動出来たらどれだけ進められるか?




昨日に続く今日の作業

そんな思いをはめ込んでみる



きつい現場仕事や町の人と取り組む祭仕事


そこで一緒に

同じ気持ちで動ける仲間達



出遅れるましたが、まだまだ出来る!



そんな気持ちでいっぱいだった





作業の終り


終了を告げる総隊長




俺はうちの班員を先に戻すと


今日の作業した範囲と、残る場所について二人で話した




蓋を戻した側溝は、今日した作業を何事もなく隠してしまう




班長の印、班番号が書かれたガムテープを麦藁帽子から剥がし、側溝脇の縁石に貼る



『明日の目印にしてよ!(笑)




『はい!気をつけて帰って下さい


また、

待ってますから!』





………
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